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Despair and hope  作者: 波留
8/8

_5


願い屋から瓶を受け取り、店をあとにしていた

外に出るまで俺ともみじは、一言も言葉を発しなかった

いや、正確に言えば恐怖で言葉も出なく、緊張が解けてどうすればいいのか分からなかったのだ


蝉の鳴き声は森の中に鳴り響く


最初に言葉を発したのはもみじの方だった



「よ…よかったね…!ソフィアちゃんから何も取られなくて…」


作った笑顔を俺に見せてきた

俺を安心させるために

確かにそうだ、理由はどうあれ何も俺の大切なものは取られなかった

けど、それでもあの恐怖は忘れない


あの冷めた表情と淡々と話す言葉

一つ一つが嘘ではなく真実だということを


「もみじ…ありがとうな」


突然の感謝の言葉に幼馴染は目を見開き驚く

何もそんなに驚くことでもないだろ?


「いいんだよ…!はーちゃんが無事なら何でもいいんだよ!それよりも早く教室に戻ろ?」


もみじの言葉を聞き首を立てに振り学校へと戻っていった

早く戻さなければ、みんなを





「なあ、ソフィア」

「…何かしら、レオ」


黒髪の赤い瞳を持つ少年が彼女に問いかける


「オレはアイツが嫌いだ」


頬をふくらませながら不服そうに言葉を吐く

その言葉にくすくすと笑いながら、


「あら、どうして?」

と答え、少年を見つめる


「なんとなく、嫌いだ」


そういい少年は店の奥へと入っていった

彼女もくすくすと笑いながら店の奥へと戻る




____楽しみだわ____



小さな声で彼女はそう呟いた




時間はすぎ、自分の教室に俺らは戻ってきた

しかし、クラスの人達は誰一人いない

どういうことだ?帰宅したのか?


そう思っていた時、屋上から騒がしい声が響く

俺ともみじは顔を見合わせ急いで屋上へと向かう



その光景は、先程の大人しめのクラスメイトが踏みつけていたクラスメイトに飛び降りろ話していたところだった


「わたしは…あんた達にこき使われて!パシられて!苦しんでいた!それなのに…それなのに…!!」


その言葉と同時に、彼女のポケットからカッターナイフが取り出された

そこに居合わせた人達は叫ぶ

教師達も必死に止めようとしている


「来ないで!!!わたしは…こいつをこらしめてから自分も死ぬわ…こんな奴のせいで…わたしは…わたしは!!!」


まずい…!このままだと取り返しのつかないことになる

俺は急いで先程願い屋から貰った瓶の蓋を開ける

本当にこれが効くのだろうか?ただのはったりなのではないか?

けど、頭の中で考えてるより行動が先に出た




「や…やめろ!!!!!!」




俺の怒鳴り声に、全員俺の顔を見る

そして、瓶の中身を振りまけた

細かい粉はそこに居合わせた全員に掛かる

その瞬間、次々とその場で倒れ込む

カッターナイフを持っていた彼女も、追い詰められていた彼女も全員


「ど…どうなってるんだ…?」

「これで…効いたの…?」


もみじと俺は顔を見合わせながら言葉を発する

とりあえず、カッターナイフを取り上げその場を離れることにした



そして、次の日

クラス中の人が昨日のことを忘れていた

信じられない、どうなってる?

踏み潰されていたクラスメイトも、先生も普通に会話をして普通に話をしている


「これは一体…」


「もしかて…昨日のは記憶が無くなる…みたいな?」


確かにそれはありえる

もし…もし本当に願い屋が当たっているのなら…




…あれ…?そういえば、昨日の問題を起こした彼女は…?






「ちょっと!あなたどういう事なの?!」


「…はい、なにかご不満でもありますか?」


「あるに決まってるでしょ?!どうして?!私の味方じゃないの?!」


怒り狂ったように彼女は、願い屋に伝える

それを聞いた願い屋は小さく息を吐き持っている紅茶を置いた


「いつ、私が味方になると仰いましたか?私が言ったのは'あなたの願いを叶えましょう'それだけです」


「なっ…?!」


彼女は顔を真っ赤にして怒り、願い屋に飛びかかる

それを華麗に避け、彼女は床に倒れる


「それよりも…まだ私は貴方にお代を頂いていませんわ」


くすっと小さく笑いながら相手に近寄る


「い…いや…!来ないで…!」


恐怖に怯え、後ろに下がる

しかし後ろには壁、逃げる場所はもうない


「何を今更恐怖に怯えるのですか?貴方が望んだことでしょ」


にっこりと微笑み彼女の目ん玉目掛けて指を入れる

彼女は泣き叫ぶ

狂ったように、体を揺らし必死に抵抗をしながら

それでも願い屋は止めることは無い

ただ、いつもと同じ表情のまま、無我夢中に目玉をくり抜いている


「本当にとても愚かですね、自分の欲望のためにここまで必死になり、狂うなんて…笑っちゃいます」


ズボッと嫌な音が部屋に鳴り響く

彼女の右目を持ちながら


「心配しなくて大丈夫ですよ、死にはしませんので…貴方はとても目を大切にしていましたね、とても透き通る穢れのないその目を…」



彼女の頬を手に添え、泣き叫ぶ彼女に願い屋は耳元で伝えた






____頂きますね、貴方の『右目』_____






そこから数日からして、問題の起こした彼女は転校することになった

理由はよくわからない

けど、ただ言えることは願い屋に何かを奪われた

それだけだ



「はーちゃん!」


いつものようにまた幼馴染が呼ぶ

これで日常にまた戻ったのだろう

ああ、きっとそうだ

そうであって欲しい






___あら、いらっしゃいませ_____


__貴方の願いはなんですか?_____



2年振りの投稿です

本性があらわになりましたソフィアちゃん

恐ろしい子ですね(


さて、久しぶりのため色々と設定がぶれてしまっていたらすみません

そして遅れながら登場人物の紹介をさせていただきます



在川葉月ありかわはづき

高校生。この物語の主人公


結城もみじ(ゆうきもみじ)

葉月の幼馴染。モテる


ソフィア

願い屋。14歳

銀色のロングヘアーに青い瞳


レオ

黒髪に赤い瞳



毎度毎度設定がひどい()

簡単すぎる…いや本当はもっとありますよ?けどやっぱ書くのはこれぐらいの方がいいかと


評価、アドバイス、アンチコメでもばちこいです

そして、何よりこんなにも更新していない中、たくさんの方に見られていましたありがとうございます

ゆっくりながら続きを書かせていただきますのでこれからもよろしくお願いします


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