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薄汚い屋敷の中に恐る恐る足を踏み込む
だけど俺達は驚いた中身は以外と綺麗で
おまけに甘く良い匂いがする
「この匂い…紅茶の匂い??」
確かに紅茶の匂いがこの屋敷の中からはする
甘くて人を落ち着かせるようなそんな匂い
一体ここは何なんだ本当に願いを叶う場所?いやそんなことがある訳が無い
だってそんな非現実的な事があるわけ無い…
「…にゃ-」
俺達が屋敷の入口で固まってるの中一匹の猫が俺たちの前に居た真っ黒の毛並みの赤い瞳を持った猫
如何にも呪われそうな感じで首輪をつけられている鈴をチリンと鳴らしていた
「可愛い猫ちゃん〜」
もみじは猫を抱き抱えれば猫の頭を優しく撫でる
猫は気持ちよさそうな表情を浮かばせ再び鳴けばもみじの腕からするりと抜け出し俺達の方をちらりとみてそのまま屋敷の奥へと進んでいった
「これは…着いてきてって意味なのかね…??」
「まあ…そうみたいだな…とりあえず行ってみるか」
猫について行くように後から屋敷の奥へと進んでいった
もみじは緊張しているのか俺の服の裾をキュッと掴み乍辺りを見回して歩いている
正直俺も緊張している
一体この奥に何があってそしてどんな奴が居るのか
猫は立ち止まり俺達の方を見てまた鳴いていた
どうやらこの奥の部屋に目的を達成するための何かがあるみたいだ
俺ともみじは目を合わせ唾を飲み込めばゆっくりとその部屋のドアを開けた
そのドアの中はまるで別の世界への入口のようだった
明るく太陽の日がしっかりと差し込まれていて洋風な家具が並べられている
沢山の器具やお菓子アクセサリー等が散乱してる
でも人の影は何も感じられない寧ろいないのでは?
と思ってたその時猫は何処かへ向かうように部屋の奥へと駆け込んでいった
猫が奥へと駆け込んだ瞬間ガタンという物音が奥の部屋から聞こえていた
そして徐々に音が大きくなる誰かの足の靴の音
「は…はーちゃん〜」
情けない声で俺の名前を呼んでいるもみじ
まあ無理はない俺も正直な話怖い
何がどうなってるのか今でも話が理解できていないのだから
そして奥の部屋のカーテンがめくられ此処の主だろうと思われる人が俺たちの前に現れた
俺はその姿に驚き瞬きを早くしながらその主だろうという人をみていた
もみじも同じ様に見詰めていてその後二人で顔を合わせもう一度主の顔を見た
姿勢よく立ちながら俺達の方を見詰める青色の瞳
腰の長さまであると思われる銀髪はまるで日本人ではないように思えた
ゴスロリの様な服を着ながら猫を両手に抱え俺達の方をゆっくりと見詰めながら小さくその女の人…嫌正確に言えば女の子だと思う
多分俺達より少し小さい中学生辺りの
俺は頭の中でパニックを侵しながらもその女の子は口を開いた
「何か…私の店に御用でしょうか?」
透き通るような声は俺ともみじの不安だった心を一気に安心させるような声だった
「あ…あのわ…私っ」
お…おいもみじ緊張し過ぎだろ
少しは落ち着けよおいここの主さんみたいな人も少し驚いてるぞ
「…折角来て下さったのにお茶も出さないなんて…そこのソファーのところで座っといて貰えますか?直ぐにお茶を出します」
緩く小さな笑みを相手に浮かばせ相手の指示があった白いソファーに俺達は座る
柔らかくそして何よりリラックスができる
「ね…ねえはーちゃんあの子がここの人なのかな」
俺の耳元で小声で話すもみじ
正直俺も分からないあの子が本当にここに住んでる人ならあの子が願いを叶えているってことになる
「俺もわからない…でも危険そうなら直ぐにここから出るからな?」
もみじは俺の言葉に首を縦に振りながら見詰めていた
そんな話をしている中ここの屋敷の主だろうと思われる人がお盆に紅茶とお菓子を運び俺達の前へと置いた
「さあ気軽にお食べください」
ニコッと微笑み俺達はその言葉に甘えながら紅茶に口をつけた
「お…美味しい…凄く美味しいです」
本当に美味しい俺そこまで紅茶は飲まないけど飲まない俺でもわかる
すごく美味しいそして何よりリラックスするこんな真夏に飲むものではないなんて思ってた
だけど不思議なものだこんな暑い中熱い紅茶を飲んでリラックスできるなんて
「ハーブティーは緊張とリラックス効果がありますどうやら其方の方は緊張しているみたいですしね」
ふふっと笑いながらもみじの方を見れば頬を赤く染め恥ずかしそうに顔を伏せていた
「…君が本当に願いを叶えてくれるのかい?」
俺は紅茶を飲みカップを置けば相手の顔をゆっくりと見つめた
目と目があいながらも女の子は笑みを零し俺達に伝えた
「…はいここが願いを叶える場所…願い屋です私はこの屋敷の主ソフィアです」
ソフィアと名乗る少女は自分の紅茶を飲みカップを置き再び口を開いた
「ようこそ…願い屋へ貴女の…願いはなんですか?」