”今の私”と”昔の私”の違い
今回もすんごく長くなりましたっ!短いのを期待(?)していた読者様、
申し訳ございません!!m(―_―)m
↑変じゃねっ!?ww
男の子が出て行ってから、何分経っただろう。あれから、何度も考えた。男の子があんな顔をした理由を。でも、どんなに考えても思い当たらない。考えようとすると頭に拒否られる。ズキンッズキンッと砕け散りそうになる。どうして何もわからないのか、何故思い当たらないのか、それすらも解らない。なんだかこんな自分を見ていると、無償に笑いたくなり、泣きたくもなる。その理由も何もかも…。
赤く染まった手を眺めていると一粒の雫が私の頬を伝う。その止まらない涙の意味を探しながら…――――――。
バンッ!!!!!!
その瞬間、部屋に鳴り響いた雑音 突然のことと、大きな音にびっくりしたからだろうか、さっきまで流れていた涙がピタッ、と止まった。自分でもびっくりするぐらい。
私は背を向けていたドアに向きを変えた。そこには、さっきの男の子と知らない男の子がもう1人。いや、”知らない”んじゃなくて”分からない”んだ。
また虚しくなりそうな感じがした。そんな顔を見せないようにドアのところにいる2人には笑顔を見せた。
「2人とも、どうしたの?慌ただしく入ってきて…」
「どうして、て言われても…」
「君に会いに来たんだ」
そう言って私に近づいてきたのは、私よりの少し高いぐらいの男の子だった。
さっきの男の子とはまた違う顔の整った子…。こんなにカッコいい2人が私に何の用だろう。それにしても、さっきから変なことばっかりだなっ。昔のこと何も覚えてないし、男の子は泣いたり突然入ってきたり…。なんか騒ぎ事でもあったのかな?『君に会いに来た』って言ってたし、ってか私があなたのこと知らないんですけどっ!?
心の中で必死に考えてると、長身の男の子が私の手を取った。
え、えぇ!?
「俺の名前は、黒井沢 一心と申します。そして…、」
一瞬、一心と名乗る男の子の言葉が詰まった気がした。
「そして、貴女の名前は白咲 セナと言う白咲財閥のご令嬢です。」
”白咲 セナ”と言う名前に聞き覚えはなかった。もちろん”白咲財閥”にも”ご令嬢”にも。
「…ふふっ」
「どうされました?セナお嬢さま」
「あはは、やめてよそれ。私白咲 セナでもないし、ご令嬢でもないよ」
「いや、ですから…「その人は、前の私でしょ!!」」
「「!!」」
「…白咲 セナも、ご令嬢も今の私じゃない。前の私、”記憶なくす前の私”でしょ?だからもう私に関わらないで」
そうよ、そうだよ。この2人が求めてるのは今の私じゃない。昔の私なんだよ。でも現在ここにいるのは2人が求めてる私じゃないから…――――――
「もう私に――――「いやですっ!!」」
私の言葉を遮って抱き付いてきたのは、泣いて出て行った男の子だ。抱き付いてきたその体は、今にも壊れてしまいそうなほど震えていた。
「ぼ、ぼくのなま、えは、赤本っ瞬と、いいますっ。ぼくはっ貴女の執事を、しています。これからも、貴女のっ執事ですっ!」
泣きながらでも、伝えたいことを言ったこの男の子を自然に撫でていた。無意識に。
「そうです、俺たちは貴女の執事です。俺たちは昔とか今とか、そんなの関係なしで”白咲 セナ”貴女自身の執事です。昔の貴女の執事ではありません。」
その言葉を聞いた瞬間、私の目からたくさんの涙が流れた。なんでか分かんないけど、泣きたかった。とても心が温かくて…、凄く嬉しかった。
私は、その場に涙とともに倒れた。
セナは、どーなってしまうの!?そして、次回っ!!記憶喪失になってしまったわけが解き明かされるっ!?