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□交換□
しばらく朝食を楽しんでいた私は、あることに気が付いた。時間が七時半を過ぎているのに、キューブお兄ちゃんが起きて来ないのである。
シーナお姉ちゃんもそのことが気になったのか、小さく呟く。
「あのド変態バカ兄貴は、まだ惰眠を貪っているのかしら?」
「あ、それは僕が原因かも」
「クロー様が? 何でですか?」
「あ、いやね。昨日僕の目覚まし時計の電池が切れていることに気付いたから、勝手にだけどキューブの時計と交換したんだよ。悪いことしたなぁ」
「いえいえ、あのバカ兄貴はただの使い魔ですから、ご主人様に文句に文句なんて言わせませんから」
「私も、彼が寝ている間に、彼の顔に油性ペンでその旨を書いておいたので、理解してくれるでしょう」
「そうかな」
「「そうですとも」」
……我が家ではいつも、キューブお兄ちゃんはこんな扱いである。