□いつの間にか□
この家では、起きてくる人の順番が大体決まっている。
一番は、日が昇る前に起きるシーナお姉ちゃん。二番目が、日が昇ると同時に起きる私。三番目が、七時半に目覚まし時計をセットしているキューブお兄ちゃん。最後に、夜遅くまで何かをしているノエルお姉ちゃん。
私がクロー様の使い魔になって二年が経つが、この四人の順番が変わったことはない。しかし、後の二人?──謎の生物アパと、私達の主人であるクロー様は違う。
この二人?は決まった時間に起きるワケではない。ただ、気付いたらいつの間にか起きているのだ。
そう、いつの間にか。
「鰆の塩焼きなんてのはダメ?」
「また塩焼きに戻っている!?」
「あ、じゃあ兜焼きとか」
「作るのが難しいわよ! って言うか、野菜とお肉もバランス良く食べなきゃダメ! 魚料理以外に何か食べたいものはないの?」
「僕は鰤大根がいいな」
「私は鰈の煮付けを所望はます」
「それも魚料理! ……って、ご主人様にアパっ!?」
「いつ起きたんですか?」
「さぁ? いつだろう?」
「私はご主人様と一緒に目覚めましたが」
……本当にいつの間にか。
気付いたらリビングにいたクロー様は、ニコニコと笑いながら私の問いに首を傾げている。本当に、不思議な人なのだ。