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吾輩は猫妖精である  作者: 現野 イビツ
お題作品
10/39

□生物□

友人より頂いお題です。

ある日の午後のこと。

ソファに横たわってお昼寝をしているクロー様と、そのお腹の上で洟提灯はなちょうちんを膨らませているアパを見ていたシーナお姉ちゃんが、ポツリと呟いた。

「……前々から思ってたんだけど。アパティオンって、一体何なのかしら?」

その呟きを聞いたノエルお姉ちゃんが、クロー様の寝顔を撮影していたビデオカメラを止めて、シーナお姉ちゃんの方を見る。

「何って、シーナ。アパちゃんは……何なのでしょう?」

シーナお姉ちゃんの疑問に答えようとしたノエルお姉ちゃんは、しかし一瞬考え込んだ後、首を傾げてそう言った。

ソファの近くに膝をつき、机にうつ伏せるようにして、クロー様の太股に顔をうずめていた私は、ゆっくりと顔を上げながらお姉ちゃん達に言う。

「……アパって、鳥じゃないの?」

「──いえ、違うわ、リオン。確かにアパちゃんには翼があるけど羽毛やくちばしはないし、腕が付いているから」

「基本は陸上で生活しているから、魚類とか両生類とかじゃなさそうだし」

私の言葉をノエルお姉ちゃんが否定し、シーナお姉ちゃんもそれに追従するように呟いた。

ノエルお姉ちゃんが。寝ているクロー様とアパを起こさないように、アパの皮膚に触れながら言う。

「……本当に、アパちゃんって謎の生物ね」

「そうかな?」

「そうよ、リオン。何でも食べる雑食なのに、どこに口があるのか分からないし、物は持てるけど指はないし」

「皮膚も鋼みたいに硬いのに、同じサイズの動物と殆ど変わらないようだし、間接もないのにちゃんと動いているし……」

「「本当に謎(だわ)……」」

ノエルお姉ちゃんとシーナお姉ちゃんが、同時にそう呟く。

それを見た私は、寝ているアパの首の後ろを掴んで、ソファの近くにあったクッションの上に乗せると、お姉ちゃん達に言った。

「どうせなら、アパを起こして直接聞いてみたら?」

「……それもそうね」

私の言葉を聞いたノエルお姉ちゃんは、無駄の無い動きで卓上にあった箸立てから、キューブお兄ちゃんのお箸(近所の公園で拾った木の枝製)を一本取ると、躊躇せずにそれでアパの洟提灯を割った。

「──にゅぎゃっ!?」

突然そんな事をされたアパは、変な声を上げながら飛び起き、キョロキョロと辺りを見渡す。

お姉ちゃん達は、そんなアパの様子を見て、ニッコリと微笑みながら言った。

「おはよう、アパちゃん」

「突然だけど、アパティオン? アナタの種族が何なのか、教えてくれない?」

「は、はい!?」

唐突かつストレート過ぎるお姉ちゃん達の言葉に、アパは目を白黒させている。

しかし、数秒経ってようやく落ち着いてきたのか、未だに戸惑った様子を見せながらも、ワクワクとした表情のお姉ちゃん達に告げた。

「わ、私の種族は……」

「「私の種族は……?」

「ド、ドラゴンですけど……」

「「………………………………は?」」

アパの言葉を聞いたお姉ちゃん達は、目を丸くして絶句する。

そしてそのまま、一秒……十秒……と時間が過ぎて行き、そして一分が経った頃、二人は何事も無かったかのように立ち上がり、シーナお姉ちゃんは夕食の準備をするためにキッチンに、ノエルお姉ちゃんはビデオカメラを再起動させ、クロー様の傍へ行った。

「え、あれ……放置?」

訳の分からない質問をされた挙句、何故か放り出されたアパが情けない声を出しているが、誰も気にしない。

私も再びクロー様の太股に顔を埋めて、ゴロゴロと喉を鳴らす。

今回の結論。

結局アパは、謎の生物だった。

“お題”、“挿絵”をどんどん募集しています!

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