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美しき紅薔薇の蕾  作者: 京ノ条武丸
ローズ編
4/5

第4話:商人イスハーク

「まあまあ、商人も私も無事なのですから、そんなに自分を責めるものではありませんよ?」


「イスハーク殿・・・」


イスハークとテッカイさんから呼ばれた商人は、テッカイさんから、こちらへ向き直り、頭を下げた


「ご紹介が遅くなり、誠に申し訳ございません。私、イスハークと申します。エリドゥにて商店をいとなんでおります。この度は、私と大切な商品を守って頂き、誠にありがとうございます」


「あら?エリドゥの商人さんだったのね?」


「はい」


「それは丁度良かったわ!私、エリドゥの冒険者ギルドに用があったんだけど、丸二日、歩き通しだったから流石に疲れていたのよ。もしよかったら、エリドゥまで乗せて頂けないかしら?」


「それは願ったり叶ったりでございます!今はお礼をするほどの手持ちが無く、是非、私の店に来て頂きたい!」


「あら?別にお礼なんていらないわ。エリドゥまで乗せてくれるだけでも有難いのに・・・」


「いいえ、良くありません!不肖、イスハーク。恩人に礼もしないで、見送ったとあっては末代までの恥。どうか礼をさせて頂きたい」


「ローズ殿。こういう時は素直に礼を受け取るのが礼儀ですぞ」


「そういうものなの?わかったわ。エリドゥに着いたら、イスハークさんの店にお邪魔させてもらうわ」


「本当ですか!それは良かった!」


イスハークさんは私に礼を出来るとわかると、本当に嬉しそうに喜んでいる


「ではローズ様はこちらへ。商品と一緒の空間なので、快適とは言えませんが外よりは疲れが取れると思いますぞ」


「護衛は俺らに任せてくれ」


「じゃあ、お願いするわ」


イスハークさんに促されるままに、荷馬車へ案内された私は、イスハークさんの言葉に甘え、荷馬車に揺られながら休むことにした。


「凄い荷物ね?イスハークさんのお店はどんな商品を取り扱っているのかしら?」


彼のいう通り、荷馬車には沢山の商品が入った木箱が積まれていた


「私は仕立て屋を営んでおりまして、こちらの木箱に入ったいるのはすべて布生地でございます」


「仕立て屋なのね?これはお邪魔するのが楽しみになったわ」


「ご興味がおありですかな?」


「ええ。でもおかしいでしょ?こんな厳つい筋骨隆々の男が服に興味を持つなんて」


「そんなことはありません。服とは人間が常に身に纏う物。服に興味があるのは良いことです」


「ふふっ、ありがとう」


「一つ、つかぬことをお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「いいわよ、何かしら?」


「ローズ様は女性なのですね?」


イスハークさんの口から出た言葉に私の体が硬直するのがわかった


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