第4話:商人イスハーク
「まあまあ、商人も私も無事なのですから、そんなに自分を責めるものではありませんよ?」
「イスハーク殿・・・」
イスハークとテッカイさんから呼ばれた商人は、テッカイさんから、こちらへ向き直り、頭を下げた
「ご紹介が遅くなり、誠に申し訳ございません。私、イスハークと申します。エリドゥにて商店をいとなんでおります。この度は、私と大切な商品を守って頂き、誠にありがとうございます」
「あら?エリドゥの商人さんだったのね?」
「はい」
「それは丁度良かったわ!私、エリドゥの冒険者ギルドに用があったんだけど、丸二日、歩き通しだったから流石に疲れていたのよ。もしよかったら、エリドゥまで乗せて頂けないかしら?」
「それは願ったり叶ったりでございます!今はお礼をするほどの手持ちが無く、是非、私の店に来て頂きたい!」
「あら?別にお礼なんていらないわ。エリドゥまで乗せてくれるだけでも有難いのに・・・」
「いいえ、良くありません!不肖、イスハーク。恩人に礼もしないで、見送ったとあっては末代までの恥。どうか礼をさせて頂きたい」
「ローズ殿。こういう時は素直に礼を受け取るのが礼儀ですぞ」
「そういうものなの?わかったわ。エリドゥに着いたら、イスハークさんの店にお邪魔させてもらうわ」
「本当ですか!それは良かった!」
イスハークさんは私に礼を出来るとわかると、本当に嬉しそうに喜んでいる
「ではローズ様はこちらへ。商品と一緒の空間なので、快適とは言えませんが外よりは疲れが取れると思いますぞ」
「護衛は俺らに任せてくれ」
「じゃあ、お願いするわ」
イスハークさんに促されるままに、荷馬車へ案内された私は、イスハークさんの言葉に甘え、荷馬車に揺られながら休むことにした。
「凄い荷物ね?イスハークさんのお店はどんな商品を取り扱っているのかしら?」
彼のいう通り、荷馬車には沢山の商品が入った木箱が積まれていた
「私は仕立て屋を営んでおりまして、こちらの木箱に入ったいるのはすべて布生地でございます」
「仕立て屋なのね?これはお邪魔するのが楽しみになったわ」
「ご興味がおありですかな?」
「ええ。でもおかしいでしょ?こんな厳つい筋骨隆々の男が服に興味を持つなんて」
「そんなことはありません。服とは人間が常に身に纏う物。服に興味があるのは良いことです」
「ふふっ、ありがとう」
「一つ、つかぬことをお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「いいわよ、何かしら?」
「ローズ様は女性なのですね?」
イスハークさんの口から出た言葉に私の体が硬直するのがわかった




