第1話:旅立ち
この物語は
【強欲によるダンジョンマスター狩り】の登場人物である紅薔薇の蕾の過去の物語です
「なんで!なんでお父さんもお母さんも理解してくれないのよ!!!」
私の名前はジェミニ、身体は男、心は女のピチピチの19歳。
そんな私は今、両親ととある事について大喧嘩の途中である
「その穢らわしい口の利き方を辞めろと言っているのだ、ジェミニ!!!」
お父さんの拳が私の頬に刺さり、床に倒れ込む
「ジェミニ!貴方は男なのよ!女ではないの!!」
お母さんは殴られた私の心配をせず、私を否定する
「違う!私は女よ!!体は男だろうけど、心は女なの!!なんで理解してくれないのよ!!!!」
「そんなもの理解したくもない!!!貴様の所為で、俺とお母さんがどんな風に周りから言われているのか知っているのか!!」
「それこそ知ったことではないわ!!!」
私はお父さんから殴られたように、私もお父さんの頬を殴ると、勢いよく床に倒れ込む
「どこで、どこで育て方を間違えたの・・・」
お母さんは両手で顔を覆い、涙を流している
「もういい、もうたくさんだ。ジェミニは死んだのだ。とうの昔に死んだのだ!」
「な、何言ってんのよ、お父さん?」
「貴様に父と言われたくない!!お前はジェミニではない!!ジェミニの皮を被った化け物だ!!」
「お父さん・・・・」
「そうよ、前から変だと思っていたの。やっぱり貴方はジェミニではないのね!この悪魔!!化け物!!!ジェミニを返して!!!私たちのジェミニを返してよ!!!!!」
「お母さん・・・・」
理解できない私を悪魔、化け物呼びをしながら、狂ったように泣き叫ぶ両親を私はただただ眺めていることしか出来なかった
「出ていけ」
「お父さん?」
「出ていって」
「お母さん?」
「この家から出ていけ!この化け物!!!」
「・・・・わかったわよ。出ていくわよ。私だって、こんな家居たいとも思わないわよ!!」
私は自分の部屋へ行き、旅に必要な物を詰め込んでいる鞄を背負い、勢いよく家を飛び出した
「お母さん、ジェミニはあの化け物に殺されたのだ。あんな化け物のことなんて忘れよう」
飛び出した家から両親の悲痛の声が聞こえてくる
「・・・さよなら。お父さん、お母さん」
前々から、この家を出る計画をしており、その準備もしていた。
その計画が早まっただけのこと
「私は冒険者になる。冒険者になって、私と同じ想いをしている仲間を集めて、冒険をするの」
私の頬に涙が流れ、地面に落ちる
「それに私が活躍すれば、世間からも認めてもらえるはず。私のような人間が涙を流さなくて済む世界に私がすれば良い、それだけのことよ」
涙を流しながら、村を出る。
見送りは誰もいない、私はこの村では腫れ物扱いだから
「まずは冒険者ギルドに加入しないとね。一番近い冒険者ギルドはエリドゥだったわね」
エリドゥへと歩き出す私、今日この場所からジェミニの冒険者人生が始まる




