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生成AIが紡いだ小説 混ざり者レオの物語  作者: 月嶋 綺羅(つきしま きら)
第七章 破滅か共栄か
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第十節:告発と余波――明かされた真相 1

 レオの告発は、誰もが気づかぬうちに、世界を包み込み始めていた。


 それは、ただの広告のふりをしていた。


 いや、正確に言えば、広告の「ふりをさせられた」告発だった。


 ARグラスやスマートレンズを通して人々が日常的に目にする、あの無数の広告――。


 その中に、レオの声と映像が巧妙に紛れ込んでいたのだ。


 告発動画は、広告配信用のストレージの奥深くに仕込まれ、通常の監視プログラムでは探知されないように暗号化されていた。


 レオの仲間たちは、VASTタグ(Video Ad Serving Template)に精緻な細工を施し、動画の再生条件や対象属性を意図的に操作していた。


 結果として、それは「ごく普通の広告」として認識され、表示された。


 しかも、より多くの人間が視聴するよう最適化されていたため、動画は瞬く間に、街の至るところに現れた。


 歩道を歩く人々の視界に、電車を待つ人のレンズに、カフェで休む誰かのARグラスに――。


 レオの映像は、音もなく、けれど確かな衝撃を伴って立ち上がった。


 視線が何気なく捉えたその一瞬に、告発は流れ出す。立ち止まり、再生し、再生され、共有され、二次拡散が始まる。


 誰もがそれが「広告」でないと気づく頃には、すでに数千万人が目撃していた。


 当局が事態を察知し、動画の存在を感知して削除命令を下したときには、すでに再生回数は一億を超えていた。


 情報は、もう制御不能の領域に達していた。


 レオの声は、網の目のように張り巡らされた情報網の隙間から、世界へと染み渡っていった。


 広告という仮面を被った「真実」は、皮肉にも、かつてないほど多くの視聴者を獲得したのだった。

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