鶴の恩返しの話
YouTubeの「AIしゃべくり漫才」チャンネルに上げている動画と同じ内容のものです。
あのチャンネルも私がやってるのよん。
鶴の恩返し。
昔々あるところに、人に恩を売ってまわる鶴野という男がいました。恩の売上ナンバーワンを目指し、その日も鶴野は恩の押し売り訪問販売をしていました。千葉の外れの駅から遠い所に、平成初期に建てられたとおぼしき狭めのアパートを見つけました。雰囲気、1Kのアパートです。
「ここに住んでいる人間は、きっとフリーターに違いない」
そう考えた鶴野は、103号室のインターホンを押しました。しかし、反応がありません。そこで、勝手にドアを開ける事にしました。カギがかかっていなかったので、すんなり中に入いれました。間取りはやはり1Kです。男性の独り暮らし特有の独特な香ばしさが漂います。住人の姿は見えませんが、シャワーの音が聞こえます。鶴野は、風呂場の前に立ち、風呂場の男に言いました。
「恩を売られる前に恩を売りに来た鶴野です。怪しい者ではないので、この扉は絶対に開けないで下さい」
風呂場の男は、シャワーを止めて、扉を開こうとしましたが、鶴野が強い力でかたくなに扉を押さえ付けるので、扉が開きません。
「出してくれ!」風呂場の男は叫びます。
「出しません」鶴野は答えます。
そうこうしていると、変な音が聞こえ始めました。
じじじじじ。じじじじじ。
「何をしているんだ!」風呂場の男は叫びます。
「扉を溶接しています」鶴野は答えます。
「やめてくれ!」風呂場の男は叫びます。
「僕はもう止められない」鶴野は答えます。
扉を溶接し終えると、鶴野は、風呂場の換気扇を回しました。そして、台所の換気扇も回し、除湿剤と芳香剤を何ヶ所にも設置しました。下駄箱の上に、電気代の請求書があったので、その場でスマホ決済しました。
「これで今日も恩を売れた」
そう実感した鶴野は帰りました。風呂場の男はすっかりふやけてしまいました。
時は流れて現代。
オートロックのマンションが増えてきています。
めでたし。めでたし。