2、勝負
無造作に置かれたゲームの中から僕はひとつのゲームを選んだ。
「これとか、、、どうです?」
僕が選んだのは前に少しだけハマっていた格闘ゲームだ。
「これか、、じゃぁ勝負だな」
「勝負?」
「そうだ。5回勝負して勝ち数が多い方の勝ちでいこう!!あ!あと罰ゲームもつけるか」
「罰ゲーム?」
「そだなぁ、、、恥ずかしい秘密を暴露。とかにしよう」
「恥ずかしい秘密、、ですか」
神様の秘密なんて聞ける機会そうそうないだろうしな。
ここは是非とも勝って秘密を聞きたいものである。
「本当に聞けるんです?」
「あったりめぇだよ、神に二言なんてないのさ」
自信満々の笑みである。
そんなこんなで対戦が始まったのだか、1つ分かったことがある。
この人、とてつもなくゲームが下手なのだ。
「え、、、ダメージが、、入らない、、」
「あはは、、」
そうこう言っているうちに試合は進み、0対5で僕が勝利を収めた。
すると神様は、
「どうやったんだ、、」
と涙ながらに僕を睨んできた。
「え?」
「どうやってチート使ったんだ!!インチキだ!!」
「神に二言はないんじゃなかったんですか?」
「ある、、あるもん!」
「えぇ、、」
ずっと睨んでくる神様。
このままでは終わらないなと察した僕は、
「チートは使っていませんが、僕は前からこのゲームをやってたので不公平だったかもしれませんね。」
と助け船を出すと
「ふふふ、そうだよな?私は圧倒的な不利だったわけだ。」
とんでもない速度で乗りやがったな、、こいつ、、。
と自信満々な顔をした神様を横目にため息をつきつつ、
「で、次は何で対戦を?」
と尋ねると
「そうだな、、あえて協力ゲームなんてのはどうだ」
「逃げるんですか?」
「いやっ、そういう訳じゃないぞっ!!」
手をモジモジさせながら少し押し黙る神様。
「そっ、そうだ!隼人とは知り合ったばかりだろ?ほら、なんていうか、、そうっ!しんぼくかい?というやつだ!」
「なるほど、、、」
高身長なのに縮こまり、申し訳なさそうに提案してくる神様に可愛げを感じつつ
「わかりました。じゃぁ、協力ゲームやりましょ」
と答えた。
「うん!ちょっと待っててな」
たったったっと小走りにゲームのカセットを取りに行く神様。
僕に妹がいたらあんな感じだったのかもしれんなぁ。と、そんなことを考えてしまう。
「どしたんだ、、ジロジロ見て」
「いえ、、なんか小動物みたいだなぁと思いまして」
「我、、神だぞ?」
「あぁぁ!そんな目をしないで!泣かないで!」
「泣いてねぇし!!目にゴミが入っただけだし!?」
「申し訳ないです、、」
「謝るな!!私が泣いたことを遠回しに肯定することになるだろ!!」
「すみません、、」
「泣いてないから!!あやまるんじゃねぇぇ!」
とそんな言い合いをしつつ、僕らは協力ゲームを始めるのだった。