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少子化の成れの果て

作者: ぶんかなっとう

 今年は2030年。

 まさかここまで少子化が進むとは誰もが思わなかっただろう。

 50年ほど前から少子化と騒がれて10年ほど前からようやく危機感をもってきたはず。

 それまで毎年5パーセント減の出生数で、机上の計算で今年の数字は50万人で落ち着くはずだった。

 国は各種手当を増額したが、それを補填回収するために増税をした。

 国民全体で負担しようとする考えだからだ。

 しかし子育てが終わった時点で恩恵が終わると負担する側になる。

 つまり生活がより一層苦しくなった。

 それを見ていた子供たちが結婚出産など望みをしないのは当たり前。

 ついに出生数が10万人を割り、しかも外国籍の割合も上昇した。

 要は国民が産み育てる国ではないと自覚したのだ。

 昔は保育士の確保とかいって給与を上げるべきだ、保育士の人員を増やすべきだとか言っていたが、実現する前に急速な減少。

 結果、保育園の定員割れが起きてしまい、逆にリストラが増えた。

 当然、保育士資格を得るための学校も学生が集まらず閉校した。

 産んで預けたくても保育園が無くなった。

 一部の富裕層だけが個人で保育士を雇うようになった。

 そして少子化が加速した。

 子供を連れて外出すれば富裕層だとバレるようになったことで襲われる危険が増し、専用のエリアが作られるようになった。

 もちろん富裕層が自分たちのために土地を街ごと買い占めて造ったものだ。

 その中には保育園から高校まで計画されている。

 今現在は小学校が建設中だが、数年後には完成する。

 そして全国各地の大都市にしか子供が存在しなくなった。

 地方には子供はいなく、大人たちが自分の生活のためだけに街があるだけ。

 いずれ地方の街は少ない順から消えていくだろう。

 大都市にしか存在しない数少ない子供は将来に子供を産むだろうから、出生数はコントロールできるくらいになるだろう。

 だけど相手に出会う数が限られている。そのうち家系図をつくればどこかで血がつながってくるはずだ。

 国民全員が遠い親戚として成立する国が50年後に来るだろう。

 皆が似たような顔をしている新しい人種として登録されて。

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