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野球監督物語  作者: 世界の果て
プロローグ
1/1

監督就任

遂にこの日が来た この日が来ることを待ち詫びていたのだが 目前にやってくるとなんとも言えない緊張感が 私を包み込む。田中裕也の将来の夢は プロ野球野球の監督になることだった。 その夢が現実になったのだから、この話をもらった時は なんともいえぬ幸福感に包まれた。 しかし直前になって考えてみると なぜ私がこのような大役をひき受けてしまったのだろうと思わざるを得なくなってしまった。

私は、深く息をついた。 

私の契約は5年間。この期間でチームを一定の強さまで引き上げる。それが、私の任務である。

マスコミは31才の新監督の就任を一斉に報じた。そもそもプロ野球選手でない人を監督に持ってくる人事なんて滅多に見ないものだから、大きな驚きを持って伝えられていた。

これでも私の高校時代のことは、多くの人々が知っているし、多くのスカウトがやってきた。それでも、プロ野球志望をせず、大学卒業後は母校の監督就任後、7年間で2度の春夏連覇を成し遂げ、名将と呼ばれるようになった。そんな折にプロ野球が16球団に拡張が発表され、沖縄の新規参入予定球団から、監督就任を要請された。その話にはとても驚かされた。プロ野球の監督になることは夢ではあったが、それは現実的なものではないとわかりきっていた。

深く考えることもなく、私で良ければ是非よろしくお願いします、と頭を下げていた。

そして今、私はここにいる。まもなく記者会見が始まろうとしている。

扉を隔てて、進行人が話し出している。

「監督、よろしくお願いします」と社長の田久保が声をかけてきた。額に汗が滲んでいる。

私はゆっくりうなずくと、会見場の扉を押し上げ、中に入っていった。監督としての初仕事が待っている。


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