序章
前日までの雨の影響で土砂崩れが起き、
道が寸断されたから少し遠回りをすると告げる侍風な男に連れられて歩くお揃いのライブTシャツを着た20代前後の少女4人。
20分も歩くと道が段々と木々の生い茂る森になって来た。
ふいに男は立ち止まる。さっきまで枝葉はさらさらと鳴り、虫の声も聞こえてたのに気がつけば無音になった。
「して、お前たちは本当はどこの間者だ?」
少女たちのほうに顔を向けた。先程までの笑顔はなりを潜め、右手は左脇の刀の柄に軽く添えられている。
「信じてくれてなかったのかよ。だから私たちは間者や、密偵じゃないって!」
返答した少女の言葉にふぅと、ため息をつきながら話を続ける。
「ならば…」
そう言うと同時に男は一瞬にして3人の首を跳ねた。頭部と離れた体はその場にくしゃりと倒れ込む。
そして残された者の首に朱が滴る刀を突き付けられながら再度問われる。
「これならば答える気になったか?どこの間者だ?」
あまりに突然のことで、恐怖のあまり何も考えれず涙を流しながら首を横に振ることしか出来ない。
「ならばお前の命もこれで仕舞いじゃ」
呟くように言うと、音もなく4人目の首が宙を舞った。




