漆黒の男子高校生
僕、漆黒の堕天使(上村秋人)はフレイアムズアスタリスクガール(小野奏)にどうやらまだ出来てもいない魔力と悪魔同好会とやらに入って魔法を教えなければいけないらしい。
だが、もちろんそんな物あるわけがない。
僕はもちろん理解してる。漆黒の堕天使だってただのキャラだ、自分を否定するだけの主張が漆黒の堕天使にさえあれば僕は別にいいんだ地獄に行けなくても、誰かに歯向かい続けなくても、魔法だってそうだ。
「先輩?いや、漆黒の堕天使?」
僕の長い回想は小野によって現実に呼び戻された。
「悪い、少し昔の事を思い出していた。それよりその呼び方どうにかならないんか?こんな俺でも流石に他人の目が気になる」
「あ、漆黒の堕天使が漆黒の堕天使だと皆に気付かれたら天界より使者が来て漆黒の堕天使との天地を分ける1000年戦争に発展しかねませんからね」
どうやら、僕が何を言おうと小野の頭の中では厨二フィルターに掛けられるらしい。もう何いっても無駄じゃん。
「今日はもう帰るとしよう、天が紅に荒れる」
まあ、僕も人の事いえないけど。
家に着く頃にはもう日が暮れていた。
初めて、僕のこと、認めてくれる人に会ったかもしれない。
どうせもう失うものは何もないんだ。小野の前だけでも、今日から、漆黒の堕天使になろう。