プロローグ
―― 早朝。金色の太陽の光がカーテンを縫って寝室に差し込んでくる。
田中紀恵は、いつものように布団の上で目を覚ました。隣では今年で9歳になる息子の泰人が安らかな寝息を立てていた。今日も主婦の一日の始まりだ。
夫は単身赴任で福岡にいる。紀恵達が住んでいるのは埼玉。金銭的にも距離的にもめったに会うことはない。毎晩の電話が二人を結ぶ唯一の糸と言っても良いだろう。
今日の朝ご飯は主婦の定番であるふりかけご飯に卵焼き、味噌汁、納豆だ。味噌汁は昨日から仕込んでいたのでダシがよく出ている。
食卓に自分と泰人の二人分の皿を並べ、再び寝室に向かう。
「ほら泰人、起きなさい!もう7時よ」
「むにゃ……、おはよ」
まだ意識が完全には覚醒していない泰人を食卓に引きずり出し食卓につかせる。
二人で朝のニュース番組を見ながら、取り留めもない会話に花を咲かせる。
泰人を学校に送り出し、食器洗い、洗濯、掃除を午前中の内に片付ける。面倒臭い事は先に片付けるのが紀恵の信条だ。
泰人の部屋を掃除している時に彼の机の中から満点の算数のテストが出てきた。紀恵の顔に笑みが浮かぶ。彼女は常日頃から泰人にしっかりと予習復習をする習慣をつけさせている。彼女は若い時に勉強をしないでいろいろと困った。その分、泰人には勉強をさせたいのだろう。
短い昼ごはんの後は泰人が帰ってくるまで自分の趣味に没頭し、泰人が帰ってきたら予習復習をさせてその間に夕飯を作る。
夕飯を食べたら泰人を塾(曜日によってはスイミング、ピアノ)に送り出し、泰人が塾の間に買い物を済ませる。
泰人の塾が終わり家に帰ってきたら泰人を風呂に入れ寝かせ、その後に自分はゆったりと風呂に入り寝る――。
それが田中紀恵の日常だ。
そして――。
田中紀恵の本当の仕事は彼女の就寝中に行われるのである――。
続きは近々書きます……。
初めての小説だもんで未熟ならところはありますが気にしないでください。罵倒しないでください泣
これ黒歴史なんでやっぱりもう続きはないかもです……