始まりでプロローグ
初めまして、よろしくお願いします!
風の音がする。
周りは大きな岩などがあり、障害物がたくさんあると思えば開けたところもある
いわゆる荒野が広がっていた。
そんな場所の中、とても大きい金属音がする。
金属音の出た元である2つの大きな剣は、少年漫画にあるような鍔迫り合いをはじめ、硬直状態となる
互いに一歩も譲らぬ状況だったが、次第に赤い服を来た剣士が押し始めた
「よし、このまま一気に押し切ってやるよ!」
そう叫んだ赤い服の青年の背後に突然気配が現れ、その影は次第に形をなし、打刀を握った一人の青年が現れる
「えっ、ちょっ、待って、なんで背後に...」
そう言った後、赤い服の青年は刀を握った青年に背中を切り伏せられた。
切り伏せられた瞬間に赤い服の青年の体力が無くなったことを告げられ目の前が暗くなり赤い文字で
《LOSE Continue?》
と書かれた文字のみ映し出される。
赤い服の青年はため息を付きゲームに使う特殊なヘルメットを外し、筐体の外に出る
「いったぁー…アレは無い。何故あそこで背後取られてるかなぁ…」
赤い服のプレイヤーであろう青年そう呟いた。
「カイは目前の戦いに集中しすぎるクセがあるから、複数人で戦うと背後からキツい一撃をもらうんだよ」
カイが入っていた筐体の隣の筐体に入っていた青年が笑いを含めながら言った
「カオルの気配の消し方が異常なのもあるんだよなんだよアレ、侍かよ本当に」
カイがカオルにおどけながら言い返す
「いやいや、こっちの味方の剣士が派手に立ちまわってくれてたこともあるんだよ。さて、次のゲームがあるからまた入るね」
そう言ってカオルはまたリクライニングチェアのような筐体に座ってヘルメットをつけた。
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バトルロイヤル・クロニクル
カイとカオルがやっていたゲームの名前で、漫画やアニメ等、ゲームとは思えないほどのリアルさを再現したバーチャルゲーム。
世界中で人気があり、各国世界大会などが行われるほどで、今や遊びの定番ともなっている。
このゲームで遊ぶには市販に売っているカードが必要で、そのカードがいわゆるメモリーカードの扱いをしている《ジョブカード》
とそのジョブカードに装備可能な《ウェポンカード》や武器で特殊技を出すための《マジックカード》、《スキルカード》などの
大まかに4種類のカードがあり、ジョブカードなどで決められた容量の中で残りの3種類を入れて構成を作り、そのキャラクターで戦う
という内容で、始める際はドーム状の筐体に入り、お金を入れて、カードをセットしヘルメットをかぶって椅子に座るだけ。
椅子に座ってからは脳波が送られ強制的に眠らされ、夢のなかでゲームをすることになる。
眠らされるなど、生死に影響がないようにしっかりとした施設のみに設置することが許されている
カードの種類の多さや、運営によるバランス調整の優秀さなどもあって、いまや遊びの常識になっている。
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「さて…カイは運良く気がついてくれなかったけど、次は大丈夫かな…」
さっきの戦いは相方が優秀でとても助かったが、毎度毎度優秀とは限らない
このゲームはレベルと勝率があり、レベルが近い状態で、なおかつ勝率が近い者同士で戦うことになる
もちろんやろうとすれば身内での戦いや、上手い人と下手な人が戦うこともできる
でも今僕がやっているのはいわゆるフリー対戦なので、必然的に同じくらいの人が集まるのだけど…
「結構いるんだよね…相方が優秀でたまたま勝率とレベルがどんどん上がっちゃう人って…」
ひとりごとをしゃべっている間に次の対戦相手が決まったようだ
「さて、がんばりますか」
そう言ってカオルはゲームの世界に入っていった
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