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こどもまみれ

作者: 遊月奈喩多
掲載日:2026/05/05

 皆様こんにちはこんばんは、遊月奈喩多と申すものでございます!


 今日はこどもの日ですね。

 こどもの日ということで、子どもにまつわるお話など書いてみたりして。


 それでは、本編スタートです!

 ふぅ、疲れた。

 不意に、何かの糸が切れた。


 オッス、俺ゴロー。

 会社勤めに疲れて低年齢リフレに入り浸っているだけの、ただの会社員さ。今日もキャストの子とストレス発散に励んで、今はピロートークを適当に聞き流しているところだ。


 既に形骸化した店の規則とやらを使って俺のスリルを煽りつつ、いざとなったらノリノリで“裏オプ”に精を出してくれたキャストの名前は“まーちゃん”。彼女とはもう何回も肌を重ね、お互いに「おじさん♪」「まーちゃん♡」と呼び合う仲だ。


「おじさんってさぁ、ロリコンだよね~。涅槃(ねはん)ちゃんだっけ、娘さんにもムラムラしちゃってそ~w」

「ハハハ、さすがに……ねぇ」


 笑って見せたが、図星だ。恐らくまーちゃんにはきっとお見通しなのだろう。


 ああ、そうだ。

 俺は娘に欲情している。


 娘の涅槃が小学校に上がり、初めて衣替えをしてその無防備で柔らかな二の腕を俺と妻に曝したその日から、俺は涅槃に首ったけだ。あのあどけない笑顔で「パパー!」なんて呼ばれたら、それだけで赤ちゃんの素が大量生成されちまうってもんだ。

 それでも俺にはもう、妻を抱くことはできない──涅槃にときめいて以来、妻はもう年増も年増、妻をそういう目で見ようとしても、豆腐の入ってない豆腐の味噌汁を飲んでいるような気分にしかならない。

 そんな俺を救ってくれたのが、この低年齢リフレ『しゃ♡こき~ぬ』だった。よくあるJKリフレよりも更に低年齢のキャストを採用し、しかも厳格に年齢制限を設けているという徹底ぶり。もう、俺にうってつけの場所だった。


 どんな高級な酒でも蓋が開かなければ意味がない。飲めない美酒より飲める安酒だ。涅槃に比べれば可愛くない娘も多かったが、俺はたちまち『しゃ♡こき~ぬ』の常連客となった。

 そんな中で出会えた“飲める美酒”──涅槃に匹敵するくらい可愛いと思えた娘が、“まーちゃん”だったのだ。

 涅槃に手を出せないことで募った欲望を刺激されて、俺はすっかり“まーちゃん”のものになった。その無垢さに隠れた妖艶な色香にすっかり参ってしまったわけなのだが、実のところ、ここはいつ摘発されてもおかしくない店舗だ。そんなところに足繁(あししげ)(かよ)い詰めているという事実は、着実に俺の心を蝕んでいた。

 更には、実の娘に対する叶うことのない想い。


 そうして、この日。

 ふっと、心の中に張り詰めていた糸が切れてしまったのだ。


「まーちゃんさ、俺とどっか逃げる気ない?」

「逃げるって何で? どこ行ったって逃げれんでしょ。どこでも誰かが見てるし、まーちゃんも別にピと仲良いし、パパもママも小遣いくれるし。逃げる理由ないって」

「だよなぁ……」


 なんとなく、その返事はわかってた。

 だから諦めて、もう一発裏オプをキメてから、俺は店を出て。


 たまたまその辺りを通りかかっていた子どもを小脇に抱えて、近くの跨線橋(こせんきょう)から飛び降りた。予め用意していた遺書には突然自殺すること、そして娘への思慕について妻と娘に詫びる内容を書いてあった。

 いつも持ち歩いていたものだったから、きっと俺は遅かれ早かれこうなっていたのだ。だが、ああ、いい匂いだ、いい肌触りだ。死ぬ前にまっさら素人な子どもをこの胸に抱えて逝ける俺は、きっと幸せ者だったに違いない。


   * * * * * * *


 激しい衝撃と鋭い痛み、けたたましい警笛と悲痛な泣き声、それらが全て混ざり合った混沌の中で意識が暗転したあと、目が覚めると俺はケージの中にいた。

 敷き詰められた藁なんだか籾殻(もみがら)なんだかわからない素材のものや、明らかにおもちゃじみた容器になみなみ入れられた水、適度に入れられた萎れた野菜に、そして何より。


「これが、俺……!?」

 そう呟いた声は、きっと人間の耳には(丶丶丶丶丶丶)単なる鳴き声にしか(丶丶丶丶丶丶丶丶丶)聞こえていない(丶丶丶丶丶丶丶)


 周りで俺を見ているのは巨大な子どもたち。

 もちろん、奇行種がいたり顔だけ異様に大きかったり、むやみやたらに目がつぶらだったりとかはしない──いわゆる普通の子どもたち。


 そう、俺は。

 小学校で飼育されるウサギだった。


 ウサギになると、生涯のほとんどが生殖行為に費やされるというが、どうやらそれは本当のことだったらしい。

 ウサギになってみてわかったが、なんというか、鼓動が速いのだろうか──漠然とした不安感のようなものが常にあるのだ。俺という存在がいつ消えるのかわからないから、一刻も早く、1羽でも多く子孫を残さなくてはいけないという強迫観念が、欲求なんていうどこか娯楽じみた響きなんて入る余地のないくらいに俺を支配していた。


 だから、どうもその学校の方針なのか、俺のいる飼育小屋にメスのウサギも入れてくれたのは幸いだった。ウサギとして目覚めたその日、俺は早速繁殖行為に勤しむことにしたのである。


「うわー、見ろよあれ!」

「あのウサギ、合体してるぜー」

「なんか乗っかってる~」

「ママーあれ何してんのー?」

「おれ知ってるぜ! あれ交尾っつーんだろ?」

「交尾だって! 交尾とかエロじゃん!」

「ちょっと男子~、やめてよそういうの~!」

「なぁなぁ。今日こどもの日だしさ……俺らも子作りしねぇ?」

「な、なに言ってんの、意味わかんないんだけど!」


 お~~~、これこれ!

 俺さ、人間だったとき思ってたことがあるんだよな。


 こういうケージに入れられて、小学生の『教材』として生活を監視されることになってさ。そんな中で本当にいつも通り(丶丶丶丶丶)に過ごして見せたら、どんなに気持ちいいだろうなって。


 涅槃を思って自分を慰める姿とか、涅槃に見立てたクッションを抱き潰す姿とか──そういうものを見せつけて、気持ち悪がられたり彼ら彼女らの好奇心を煽ったりしてやりたいって、思ってたんだ。

 まさか、こんな形で叶うなんてなぁ~~~~!


 これから先、きっと俺は人間の言葉がわからなくなる。

 それどころか、目の前にいるのが男児か女児か、そもそも大人か子どもかの区別もつかなくなっていくのだろう。その代わりに目の前で唸り声みたいなものをあげているウサギの言葉がわかるようになるのだろうが、さて、どうだろうか。

 どちらにせよ、だ。


 完全に身も心もウサギになる、その日まで。

 せいぜい、この楽園のような毎日を享受しようと思う。


 ケージの外からは、また悲鳴ともどよめきともつかない声が聞こえる。人間だったら浮かべていただろう笑い声の代わりに、ひと声鳴く。


 まったく、子どもって最高だよな!!

 前書きに引き続き、遊月です。本作もお付き合いいただきありがとうございます! お楽しみいただけていましたら幸いです♪


 こどもの日ということで子どもに関する話題なのですが、皆様は子どもの頃の夢って覚えていますか? 幼稚園の卒園アルバム曰く、私はどうやら警察官になりたかったようです。私自身の記憶ではカメラマンになりたがっていた覚えがありますが、思ったより真面目思考だったようです。

 それが今では……などと嘆くような身の上ではありませんが、それはともかく。


 このお話では、ウサギになったおじさんを書かせていただきました。人は誰しもケージのようなものに入れられて子どもたちに環視されたいと願う生き物ですが、このお話ではそんな人間の本能について書けたのではないかなと思います!

 ゴールデンウィークということで金ビキニのネタも書きたかったのですが、そちらは別のサイトで書いたのでヨシとしておきましょう!


 ということで、また別のお話でお会いしましょう!

 ではではっ!

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