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『日常の中の怪異』 ― 私が体験してきた不思議な話 ―  作者: かゆると


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37/40

2階からの足音

10年ほど前の話だ。


親戚が中古の家を買ったというので

遊びに行くことになった。


本当は昼間に行く予定だったけれど

色々あって到着したのは夜七時頃だった。


玄関の前に立つと

すりガラスの扉の向こうから

室内の灯りがぼんやり漏れている。


インターホンを押す。

……出ない。

もう一度押したけれど、やっぱり誰も出てこない。


(留守かな。伝えてはあったけど

 遅くなっちゃったしな)


そう思って電話をすると

親戚は近くのスーパーに

買い出しに行っているところだった。



「ポストに鍵入れてあるから、

 よかったら開けて入ってて」



そう言われた。


(ポストに鍵って不用心すぎない?)


親戚〘らしさ〙に苦笑しながらも

旦那と義両親に伝え

お言葉に甘えて鍵を開けて中に入ることにした。


玄関は昔ながらの造りで、かなり広い。



「いいねぇ、玄関広くて」



そう言った、その瞬間だった。



ドタドタドタドタ!!



2階からものすごい勢いの足音が聞こえた。

私たちは顔を見合わせた。 



「子どもたちいるのかな?」



二階に向かって声をかける。



「おーい!遊びに来たよー!」



子どもたちの名前も呼んでみた

でも、返事はない。

その代わり――



ドタドタドタドタ!!



また足音。

そして



ガタン!!



何かが倒れるような音。


まるで、二階を誰かが

走り回っているみたいだった。



「降りてくるのかな?」



そう思って少し待つ。



……でも、誰も来ない。



「呼びに行こうか」



そう言って

靴を脱いで上がろうとしたその時だった。


ガラガラ、と玄関が開いた。



「ごめんねー!スーパー混んでて!」



親戚一家が帰ってきた。



「あー!いらっしゃい!」



さっき名前を呼んだ子どもたちが

玄関で笑っている。



その瞬間、背中がぞくっとした。

私は聞いた



「…え、本当に今帰り?」



親戚は首をかしげた。



「ん?そうだよ?」



なら、この家には――

さっきまで、誰もいなかったことになる。

その日は結局、その話をすることはなかった



ただ、帰るとき

玄関を出て車に乗る前

何気なく二階を見上げた。


カーテンの隙間から――

誰かが、こちらを見ていた気がした。

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