窓際の女性
霊能力者のおばちゃんが亡くなってから
少し経った頃の話だ。
母と祖母は、普段は普通に仲がいい。
けれど一度喧嘩になるとかなり大騒ぎになる。
子供だった私たちはそれが嫌で
喧嘩が始まると姉と二人で
子供部屋に籠るのがいつものことだった。
その日も祖父母の家に遊びに来ていて
些細なことで母と祖母の喧嘩が始まった。
私たちはいつものようにため息をつきながら
姉と二人で部屋に籠った。
〘いい加減にしてよ……早く終わらないかな〙
そんなことを思いながら
床に寝転がって目を閉じた。
すると…不思議なことが起きた。
目をつぶってすぐに
自分の家が目の前に見えていた。
まるでそこにいるかのような感覚で
そのまま家の中に入っていく
そして自分の部屋の扉を開けた。
部屋の窓際に、一人の女性が立っていた。
白いワンピースを着て
つばのある帽子をかぶっている。
女性は窓の外を見ているようで
こちらには気づいていない様子だった。
外は明るく、青空が広がっている。
ただ一つ不思議だったのは
朝靄のような白い煙のようなものが
外も部屋の中も
ぼんやりと包んでいたことだった。
その女性は細身で
髪は腰のあたりまである長い髪だった。
窓から入る風に
その髪がゆっくりとなびいている。
しばらくして
その女性がゆっくりとこちらを振り向こうとした。
その瞬間、なぜか強く思った。
〘あ、ダメなやつだ。これ〙
そう思った瞬間
私はバッと目を開けた。
あの時、自分が寝ていたのか
それとも起きていたのかは分からない。
ただ、眠りから覚めた感覚ではなかった
『目を開けよう』と思って
『目を開けた』そんな感じだった。
ただ一つだけ、今でも覚えていることがある。
あの時、振り向こうとしていた女性は――
どう考えても、私の部屋の窓の外を見ていた。
まるで、誰かを待っているみたいに。
そして…
この女性とはもう一度会うことになる。




