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『日常の中の怪異』 ― 私が体験してきた不思議な話 ―  作者: かゆると


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12/40

首を吊ろうとしてる女の子

女の子がモヤのように消えてしまった出来事の後

しばらくして、私はひとつの夢を見た。



青いロッカーが

壁のようにずらりと並んでいる場所

まるでロッカーに囲まれた

小さな部屋のような空間だった。



その真ん中で――

ひとりの女の子が、首を吊ろうとしている…

私は何故だかすぐに思った



〘あの子だ……っ!!何してんの!!〙



私は慌てて駆け寄った

なんとかして降ろそうと、必死に手を伸ばす。



すると、そこにはあの知り合いもいた

けれど――

その人は、ただ泣いているだけだった。



私は思わず叫んだ。

「早く!!手伝って!!」



すると知り合いは、涙を流しながら首を振った。

「私にできることは……もう無いの」



その言葉を聞いた瞬間、私は思わず怒鳴っていた。

「そんなこと言ってる場合じゃない!!

 あなた母親でしょう!!」



それでも知り合いは、手伝おうとはしなかった…

ただ、その場で泣いているだけだった。



私は必死に

女の子を降ろそうとしていた。



――そこで、目が覚めた。



起きた瞬間、涙があふれてきて

手足が震えているのを感じた

そして胸の奥に………

今まで感じたことのないような

例えようもないはっきりとした怖さが残っていた。



それから――

その夢を見てから、一ヶ月も経たないうちに

知り合いが、子宮の病気になったと…

手術を受けたのだという。



その話を聞いたとき、私はふと思った。

ロッカーに囲まれた部屋

首を吊ろうとしていた女の子

そして、泣いているだけだった知り合い…



あの夢は――

いったい何を意味していたのだろうと。



もしかしたら、あの子は…

実はずっと知り合いのそばにいたのかもしれない。



そして――

知り合いが病気になったことで

もう自分はそこにいられないと

思ったのかもしれない。



あの夢を見てから

女の子は二度と

私の前に姿を見せなくなった。



でも――

今でも知り合いの家に遊びに行くと

ふと感じることがある。



誰もいないはずの廊下で

視線のようなものを感じたり

リビングの隅に

小さな気配を感じたり

もちろん振り向いても

そこには何もいない。



でも、なぜだか――

不思議と寂しい感じはしない。



もしかしたら。



あの子は今も

母親のすぐそばで……

静かに寄り添っているのかもしれない。


挿絵(By みてみん)

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