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『日常の中の怪異』 ― 私が体験してきた不思議な話 ―  作者: かゆると


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見送った女の子

白いワンピースの女の子と

十二単の女の子の話を

ある知り合いにしたことがある。



その人とは家族ぐるみの付き合いで

子ども同士も仲がよかった。



うちは息子ひとりだけど

その人の家には子どもが二人いて

どちらの子も私にとても懐いてくれていた。



だから休みの日には

家族同士で一緒に過ごすことも多く

そんな関係だったから、私はこれまでの話を

何気ない世間話のようにその人に話した。



するとその人は、少し考えてから言った。

「もしかしたら……私の子かもしれない」



その人は以前

お腹の中で亡くしてしまった子がいた。



ただ、不思議なことに――

その子は

知り合いの前には一度も現れておらず…

夢にも出てきたことがないらしい。



「優しいから、そっちに行っちゃうのかな」

その人は笑いながらそう言ったが…

でも、その目の奥には

少しだけ切なさが混じっているように見えた。



その話をしてから、しばらくしてー



私は女の子の夢を見た

女の子は、うちにいて息子と一緒に遊んでいる。



服装は、今までとは違い

白い半袖のTシャツに

ジーパン生地のミニスカート

いかにも今っぽい女の子らしい服装だった。

 


夢の中なのに、私はふと思った

〘もしかして…十二単で現れた話を

 知り合いとした時、笑い倒しちゃってたの

 側で聞いてたのかな…〙



ただ――

なぜか足元だけは思い出せない。



しばらく遊んでいると、女の子がふいに言った。



「帰るね」



私はなぜだか

それを当たり前のことのように受け止めて

「気をつけて帰ってね」

そう言って玄関まで見送った



歩いて帰るには遠い距離だと

分かっていたはずなのに。



私は玄関に立ち

女の子が見えなくなるまで手を振っていた。



そして玄関の扉を閉めたところで――

目が覚めた。



しばらくぼんやりしてから、ふと思った。



あんなに近くで遊んで、玄関で見送ったのに。



どうして私は――

あの子の顔を思い出せないんだろう。


挿絵(By みてみん)

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