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ゴミ屋敷に残されていた紙
やっぱり来るんじゃなかった。
あの男ひとりでは生活なんてままならなかったのだ。足の踏み場もない。
オレが来るまで誰もこのことを知らなかったのだからこの男の閉鎖的コミュニケーションは徹底されているようだ。
いらぬ感心だな。
母の手記があるはずだ。しっかり探したのだがどこにも見つからない。あの男の事だ。母の思い出の品なんて全て捨ててしまった可能性がある。
それに加えてこのゴミ屋敷だ。ひっくり返そうにもそれさえ出来なさそうだ。それに勝手にやろうものならここに来たことがバレて何されるかわかったものじゃない。
無駄足だったか。
しかしながら、俺の思い出は残っているようだ。幼い時に取った学校での表彰状が今でも額縁に飾られて残っている。あの時はとても喜ばれたっけか。
そんな淡い記憶を辿って表彰状を眺めていたら違和感を覚えた。
ホコリ被った額縁の一端だけ指の形にホコリが取れていた。
……あのバカ親父。
素直じゃねぇんだから。




