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田中井宅の綺麗な本に挟まれていた端切れ
井戸……。しきたりの中にある違和感。
そう言えばこの村で井戸の水を飲むことは禁止されていた。生水でそのまま飲むとお腹を壊すと。それで出てくる水は大きな瓶に入っているもの。
なんでこんな違和感を今まで気づかなかったのだろう。
あの水を調べる必要はある。
他に気になること。必ず外から番を連れてくること。不自然。村の中だけでの恋だっていいじゃないか。その方が楽だ。村の外に出れるのはごく一部。その人がわざわざ話しをつけてこなければならない。わざわざ面倒なことを?
更に、俺の今の役職は……決められていた事だったのか。母さんはどこまで知ってた?
当然の流れを知って、その命を絶ったのか? それとも全く知らず、まるで殺されたかのように……。
後者だった場合は……、胸の中にある怒りを誰に向ければ良いだろうか。




