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一。

 そうだ、ベッドから変な音するんだから変えようって思ってた。


 ぎしぎし、音がするベッドの上で、自分の尻尾を両手で抱き着いたままぽつりと忘れていたことを思い出す。


 最近はなんだか忘れることが多くなった気がするな。昔はばっちり覚えていたのに。あーぁ、年なんか取りたくないな。

 若くなっちゃおうかな。でも急に若くなったらみんな驚くだろうし。ゆっくり若返る必要があるんだよな。

 だからといってずっと若いままだと変に疑われるから大変。


 んー、面倒。やめた。


 それよりベッド、探さなきゃ。

「ひぃー…」

 やっぱフレームごと変えたら高いな。

 でも一度買ったら数年は使うから、安い物より高いのがいいな。

 うーん…でっかいので買っちゃおうかな?私そろそろ結婚する歳だし、同棲する相手ができてもすぐ一緒のベッドで寝れるようにとか…


 うぅん、考え過ぎなのかも。

 流石にこれは無理。

 これ買ったら次の給料日まではなにも食べられないかも。


 やっぱお金って普段から集めておくべきだった。

 神様だからって好き放題に使いまくったら困っちゃうのだ。

 あーぁ、私の願いを叶えてくれる神様とかいないのかな。大金持ちになりたいなぁ。一日百万円で一生を過ごしたい。

 そろそろ仕事も飽きて来たし、ニートになりたいんだよ。


 とにかくベッドはもう少し金を集めてから考えることにしよう。

 これぐらいはまぁ、使える。


 ぎしぎし、音がするベッドの上で、自分の尻尾に頭を突っ込んで深く息を吸う。


 いい匂いー…

 やっぱ前のシャンプーが変だったんだ。私の尻尾であんな匂いがするなんて。

 きっと頭がいかれたやつが作ったはずだ。


 私の尻尾はつやつやで、もふもふで、ぽかぽかして、ほのかに桃の香りがするのがいちばん似合う。ココナッツの匂いは似合わない。嫌い。

 うぅん、普通のココナッツは似合ってた。これは作った側が悪いの。

 ココナッツは悪くない。美味しいし。


 悪いのはそんなのを認めた――


「ぅわっ!?」

 なんか急に大きな音がした!思いっきり壁に石を投げた時と同じ音!

 数百年前によく聞いていた音とそっくりだね。

 普通ではない。


 慌ててベッドから起きて、音がした方に向かった。

 音は玄関近くから聞こえたな。酔っ払いが石でも投げたのかも知れない。

 でもこれは普通じゃないって本能が訴えている。

 危ないのかまではわからない。


 でも気を付けた方がいい。


 家の中に異変はない。なら、外か。

 どきどきする胸を抑えてドアを開け、外に頭を出したげど、なにもないな。

 えー、あんな音がしたんだよ?なにもないって嘘じゃん。

 でもないなぁ。


 全く今まで通り。


 もーうっ、私の本能ったら使えないな。

 いっぱい期待したのに。


「はぁ…」

 なんか疲れた。

 帰って猫の動画でも見よう。


「あのぉ……」

「えだれぇ?」

 ベッドのところに戻って来たらなんか、人がいた。

 桃色の髪の毛をしていた。


「ごめんなさい」

「なにが?え、なに?えっ?」

 わー、人が光ってるー。

 光る桃色の髪ってなんか非現実的だなぁ。


 てか眩しっ。

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