人類にはまだ早すぎたモノ
·····の、はずだった。
私は一人でこのチャレンジングな新商品を堪能しようとしてたんだけど、色々面白い事が起きたからまさかの2話目だ。
「へぇ、5000年前ってこんなんあったんか〜」
「ふぅん、未来にはこんなものがあるんだね」
「·····食べるの?マジで?」
私が一人でゲテモッ····· チャレンジングな新商品を食べていると、興味を持ったヤツらが現れた。
未来人のクナコちゃんと、地雷系人間タイムカプセルのフィルクスだ。
どっちも味覚がたぶん現代のモノじゃないから、もしかしたら新商品たちも美味しく食べられるのかもしれない。
閑話休題だけど私はこの新商品たちを作った人に敬意を込めて『チャレンジングな新商品』と呼んでいる。
一応食べ物なのに、食べる前からゲテモノ扱いは良くないからね。
さて本編にどうぞ、私はゲテっ····· 新商品食べるんでお構いなく。
「·····あのさ、クナコちゃん」
「なんやー?」
「未来に残ってないお菓子ってどういうのか理解ってる?」
「原材料がなくっなったんやろ?完全な天然マグロとかウナギ、絶滅しとるし」
あー理解してないねこれ。
正解は『不味いから販売中止になった』でした。
まぁ、言わない方が面白くなりそうだから言うつもりないけどね。
あーあ、そんなテンションでみんなに食わせるからいっつも食べた人に怒られるのよね。
「んー····· 食べてもいいけどこれ、いわゆるゲテモノだけど」
「大丈夫や!ウチ謹製の栄養ペーストよりマシや」
「·····やっぱり未来ってそういうのあるんだ、ディストピア飯」
「ちゃうで、面倒やったからあるもん全部ミキサーにブチ込んで冷やして固めた栄養だけ満点な飯や」
「·····それは流石の私も無理かも」
てかこの子もゲテモノ食えるタイプかもしれない。
少なくとも、栃木の郷土料理『しもつかれ』は食べれそうだ。
「で?フィルクスは?」
「未来の味が気になるからな!ぜひとも俺もご相伴にあずかりたい!!」
「あっそう·····」
こっちは味覚が普通そうだ。
くっ、どっちの方が面白い反応するか予想できないわ、関西人のノリがあるクナコちゃんか、一般人の範疇だけど好奇心旺盛で自ら虎の尾を踏み抜くフィルクスか·····
まぁ、とりあえず食わせたらわかるか。
「とりま、これ食べてみて」
「なんやなんや?」
「へぇ?なんだろうかこれは」
「まぁまぁ」
そう言って私が最初に食べさせたのは、フェモラータオオモモフトハムシの幼虫プリンだ。
というか味は豆っぽさが少しある杏仁豆腐だからめっちゃ美味かった。
たぶん言わなきゃ豆乳を使った杏仁豆腐と勘違いすると思うから、後でしれっと共用の冷蔵庫に入れとくかな。
プリン好きのウナちゃんとか私の名前書いてても勝手に食べると思うし。
(ちなみに後日マジで勝手に食べてたから後で教えてすんごいキレられたけど、勝手に食べた事を責めたら勝てた)
まぁそれはさておき、一通り食べた私がまずは味覚が普通の人でも美味しく食べれるモノを厳選して食べさせることにした。
「プリン?·····あっ、杏仁やこれ!」
「へぇ、美味いじゃないか」
「でしょ?あとこっちのポテチも結構いけるよ」
続いて食べさせたのは、昆虫味のポテチだ。
ちなみに味はというと·····
「食べなれた味するわ、エビっぽいわぁ」
「ん、これもイケるじゃないか、僕の好物の味がするぞ!」
「んふふ····· そんじゃ次はこれを」
「あっハチノコや!ウチこれ好きなんよ」
「おっ幼虫、貴重なタンパク源だね、俺もよく食べてたぜ」
「あ、あっるぇ·····???」
【悲報】この2人、普通に昆虫食べれた【昆虫食】
昆虫食って虫ってだけで嫌がる人多いけど、味は割といいのよ?
イナゴの佃煮とか結構美味しいし。
「ウチの時代な、食料問題とかで昆虫食が普通になっとるねん」
「俺は雪国育ちだから、冬の旅の時は食料集めで木の中の幼虫とか食べてたからな、慣れてるんだ」
「なんだつまんないの·····」
という訳で、とっておきを出そうと思う。
個人的に最凶の味をしてたこの2つならば、さすがの二人でも悶絶間違いなしだ。
「私が選ぶ今回のゲテモノランキング1位!明太マヨ味のソフトキャンディよ!あと同率でチーズ味のガム」
「·····流石にウチもわかるわ、ゲテモノやな」
「ほぉ、どんなモノかよく分からないが食べてみようか、ふふっ·····」
それが『明太マヨソフトキャンディ』と『チーズ味のガム』だ。
ちなみにどっちも町のお菓子専門店で在庫処分で大安売りしてた。
前者が56円、後者が39円だ。
私の経験則的に、こういう大安売りしてるのは相当ヤバい代物だ。
そこそこイケるのは半額以下にはならない。
「じゃあ俺はソフトキャンディから頂くかな」
「ウチはチーズ味のガムにするわ〜」
「んふふ·····」
個人的にもう二度と食べたくない味の2つの破壊力、そして反応をご覧あれ·····!
「·····っっげぶぇっ!?!?!おえっ!!!」
「·····ッヅッ!?ま、不味いっ!?不味いぞこれ?! 」
「んっふっははははっ!!!あー最高!その反応を待ってた!!!」
そう、人類にはこの2つは早すぎる味だ。
少なくともクナコちゃんの反応を見るに5000年経っても人類にはまだ早いし、値段相応以下の味なのは間違いない。
チャレンジングな新商品じゃなくて正にゲテモノと呼ぶに相応しい代物なのよ。
「げぇ····· なんでブルーチーズ味にしたんやこれ····· 甘みあるのにしょっぱいし·····おえーっ!!!」
「な、なんだ、甘オエッ!体が飲み込むのを拒絶している·····!ん?なんかツブツブ·····おげぇっ!?魚卵ッがそのマッ!?きっ気色が悪いっ!!!」
「ちなみに私は両方とも完食したよ」
「「狂ってる!!!」」
よくいわれます。
ちなみに味の冷静なレビューをすると
・商品名
(※某メーカーのガムの名前)
おつまみガム第2弾!とろける4種のチーズ味
味
噛めば噛むほどチーズの嫌な所が出てくるガム
特にブルーチーズが本格的な香りがして、1噛み事につんざくような臭気が鼻腔を貫く、それが最後まで続く。
まず、なぜブルーチーズを入れた。
ちなみに他3種はゴーダチーズとパルミジャーノとチェダーで、ブルーチーズが優勢でこの3チーズがお互いに狭いガムの領土の中で利権を主張しながらブルーチーズに宣戦布告してるような味、世はまさにガムチーズ戦国時代。
で、ガムとしてのプライドが捨てきれないのか甘いんだけど、チーズの味を再現したいチャレンジングな精神の賜物なのか塩味がある。
それが最悪、甘味だけなら····· いや無理だけどそれを塩味が倍プッシュしてる。
ちなみに第1弾の『生ハム味』も凄まじかったが、今回はそれを超えた。
なお、この会社の特許である味長続き製法が使われてるので1時間もこの地獄が続く。
前回のを地獄のお偉いさんに食わせたら、地獄のイメージダウンに繋がるから金輪際こういうのを地獄と呼ぶなと怒られた。
某メーカーの商品開発部恐るべし。
そもそも呑む過程のある酒と、飲みのんじゃいけないガムを合わせるな。
もしや、クソ不味くすることで誤飲防止を謀ってるのか?もしそうだとしたら、そこだけはちょっと評価してもいい。
総評
チーズをガムにするな。
ガムはツマミにならないと学べ。
で、続いての商品はこちら。
・商品名
(某メーカーのソフトキャンディ名)
うまい!ツブツブ明太マヨ味!
味
何が『うまい!』だクソ野郎。
味は明太マヨ
だから不味い。
まず口に入れて不快、味も不快、噛んで不快、後味まで不快。
いい所を見つけられない。
順に説明すると、口に入れて2秒は大丈夫、まだ味はしない。
が、唾液で表面が溶けると真価を発揮、ちょっと時間を置いた美味しくない安いマヨの味がする。
しかも甘い、ゲロ甘い、だって水飴が主成分だったもの。
ちなみに塩味はほぼ無い。
甘いマヨは上手くやれば美味しくなるのは知ってるんだけど、これは魑魅魍魎の類。
でも終わりじゃない、これはマヨネーズじゃなくて明太マヨだ。
なんと、ちゃんと魚卵エキスを使ってるから魚の臭いがする、あっ匂いじゃなくて『臭い』ね、ここ重要。
それが吐き気を催す最悪な味のトリガーになって、ここから祭りが始まる。
吐き出そうとする拒絶反応を超えて気合いで噛むと、なんか『ジャリッ』という食感がする。
これ、なんと乾燥明太子なのだ。
こだわるんじゃないよバカヤロウ。
そのせいで噛むほど魚臭が溢れ、しかも食感は砂場に落としたガムみたいなってる。
それに耐えて舐め切ると、ようやく開放されたと思いきやただでさえ後味が最悪なのに最後の刺客がトドメを刺しに来る。
これ、『明太子』なのよ。
つまり辛い。
食べてる間はマズすぎて分からないんだけど、時間が経って味が薄れると辛味が残って舌を刺激してくる。
私は最初あまりの不味さに味蕾が壊れたと思ったんだけど、原材料表記の『トウガラシ』で辛味だと気が付けた。
それがまぁ酷い、分量ミスなのかしっかり辛いせいでずっと舌に不快感が残る。
何にかけても美味い明太マヨをここまで不味く出来るのは凄いと思うけどプラスの評価はしない、したくない、してたまるか。
総評
安心と信頼の激マズゲテモノ開発部の仕業だった。
納得。
◇
「おええぇぇえええっ·····」
「気持ち悪い·····」
そんな訳で、過去最低評価は更新しなかったものの上位に食い込むシロモノと、新鮮な反応を見れた私は大変満足していた。
ちなみに2人は必死にうがいして味を誤魔化してる。
消える訳ないけどね、不味すぎて。
「なんちゅうモノを、なんちゅうモノを食わせたんやワレ!!!」
「チーズ味のガムだけど?」
「くたばれ!!!!」
「俺マジでこれ無理なんだが!?おえっ、うっぷ」
「うん私も無理」
いやー、とんでもないもの買っちゃったなぁ。
ただ、私のポリシーとして買ったら最後まで食べ切るって決めてるから、私はこれからコイツらをちゃんと食べきらないといけない。
「·····は?食べきる?」
「狂ったか·····」
「いや?秘策があるからそうでもないけど」
「秘策ぅ!?」
「うん秘策」
で、なんで私がゲテモノを食べ切れるかというと、裏技を使ってるからだ。
「味ってね、舌にある味蕾から送られた電気信号が脳に伝わって味が生まれるのよ」
「つまりなんっオエーッ!!」
「·····吐くな、あーそれで秘策なんだけど、私はこういうの食べる時、味蕾から来る信号を途中で変調して、普通の味にしてるのよ」
「「はぁ!?」」
そう、味覚とは所詮は神経を伝わる電気信号でしかない。
つまり途中でその信号を変えてやれば、不味いを美味いに強制的に変えることができるという訳だ。
「せ、セコい!!」
「ズルすぎる、正々堂々·····ってあれ、じゃあなんでソフィは最初普通に食べたんだ?」
「あー····· 普通に味が気になったからっていうのとね、この魔法1つ弱点があるのよ」
この魔法はどんな不味いものでも美味しく感じられる素晴らしいモノなんだけど、致命的な欠点がある。
「完全に味を変えたい場合は、1回食べて味の信号を記録する必要があるのよ·····」
「·····なるほど」
そう、この魔法は味の信号を変えるんだけど、それ故に一度はその『味の信号』を記録しなきゃいけないのだ。
だからどんなに不味くても、美味しく食べたいなら一度は味を確かめなきゃって訳よ。
「この魔法を使えば、激安の大安売り在庫処分のお菓子がすんごい美味しいお菓子早変わりして楽しめるって訳ね」
「す、凄い····· 魔法って凄い·····」
「んふふ、羨ましいでしょ」
そういいつつ、私は口に4種のチーズ味のガムを投げ込んで普通に食べ始めたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
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「ちなみに不味さランキングの王者は『海藻ジュレグミ』ね、あれだけは吐き出して捨てたもん、·····砂浜に落ちてる腐れクラゲ 腐敗海藻混ぜを食ったらあんな感じだと思う」
名前:クナコ
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「·····フィルクスさんがそこまで不味いっていうから、明太マヨの方も気になってきちゃったわ、えぇい南無三っ!!っっっおゲェェェエエエエエッッッエ゛!!!」
名前:フィルクス
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「俺もチーズガムが気になってきたな、頂くとしよう····· ッッッガァァァアアアアア!!!不味いまずいマズイ不味いマズいまずい吐く吐く吐く吐く吐く吐くっっ、おぇ゛っ!!」
名前:フィーロ
コメント
「·····ゲテモノは嫌いだけど、ああやって悶えてる反応見るのは面白いんだよね、うん」




