過去と未来の衝突事故
「えぇ!? 今繋がってる日本、20XX年なの!!?むっちゃ過去じゃん!!」
「まぁ君視点だとそうなるよね」
その後、こっちの世界に住むつもりらしいから色々知識を教えていると、今の西暦を知った彼女は『魔法がある』とか『魔物が生息してる』とかより遥かに驚いていた。
というか4800年後の日本は超能力とか魔法が割と普通にあるらしいから驚かなかったらしい。
現に彼女もちょっと超能力使えるみたいだし。
「じゃあウチ、異世界より過去行ってみたいんだけど!!!」
「え、えぇ·····」
で、彼女は何故か異世界より4800年前の現代に興味を持ったらしい。
「だって異世界なんて別にNintend〇 FDリアル使ったら見れるし」
「·····??え、あの会社4800年後も現役!?」
おい私、驚くところが違う。
ちなみに省略のため解説すると、FDリアルとはフルダイブ型の仮想次元を構築するVR的なゲーム機らしい。
人気なのはファンタジー世界のゲームなんだとか。
「それはさておきでいいや····· で、なんで過去が見たいの?」
「だってだって!資料とかは残ってるけど、遥か昔が生で見れるんよ!!?チョー面白そうじゃん!どんな感じなの?ねぇ教えて!!」
うーん。
4800年経っても関西的なグイグイ来る人間性は変わらないと。
人間、あんまり変わらないもんなんだなぁ。
「どんな感じって言われてもなぁ、今は今としか····· 逆にクナコちゃん、4800年後ってどんな感じ?ってざっくり聞かれて、具体的に答えられる?私は無理」
「えー、·····確かに」
自分の時代がどうとかって、説明するのホント難しいから基本無理なのよ?
まぁ、例外的に説明しやすいヤツが最近·····
「ソフィ!見てくれ!!これは世紀の大発明じゃないかッ!!!」
スパコォンッ!!
「うわ来たよ·····」
「えっと?誰?」
丁度いま来たわ。
「素晴らしいじゃないか!スプーンもフォークも大発明なのに、それを組みわさせるなんて思いついたヤツは天才だ!!!」
「あのさぁ····· スガキy… ラーメンフォークが全国的に普及してない時点で察しなよ」
ソイツは私が名古屋旅行の時に買ってきたスプーンとフォークを合体した変な食器を持って興奮した様子で部屋に飛び込んできた。
相変わらずの世界観に合わないサブカルファッションで。
「天才の発想は時に人に受け入れられないからな!」
「まったくもー····· この前は洗濯バサミで同じ事してたしその前は」
「えっ?·····えっ!?そそそそそれ、幻の·····っ!」
「うん?」
「おっ!?君もコレの素晴らしさに気がついたかね!?」
「はるか昔に名古屋府にあったチェーン店で産み出された、幻の食器·····っ!!しかもほぼ初期型!?博物館でしか見れないって思ってたのに、本当に見れたっ!!いいなぁ欲しいなぁ使ってみたいなぁ」
「何を言ってるかあまり解らないが、その通りだ!!」
何がその通りだこんにゃろう。
◇
「で、ソフィ?その子は誰だい?」
「で、ソフィさんその人誰なん?」
「いっぺんに言うな、まぁ聞き取れるけどさ」
その後、スガキヤスプーンに興奮する2人をなんとか宥めて私は話をしていた。
というかガイア様いつの間にか居ないし。
「まずそっちの少女はクナコちゃんって言って、4800年後の未来の日本から来たみたいよ?」
「ほう?ほうほうほうほうほう?4800年後かい?なかなか先の世界から来たんだね」
「えっ?あんまり驚かないんだ·····」
「おい、私がリアクション芸人みたいな反応したから物足りないみたいな顔しないで?」
「何せエルフにとっては····· いや、エルフでも俺くらいなら1000年くらいしか生きないから5世代後か?かなり未来だねぇ」
エルフの寿命は、ハイエルフやエルダーエルフに近いほど長くなる。
フィルクスは聞いてたところ1000年くらいと平均寿命くらいで、人によっては数万年は生きられるらしい。
というか寿命で死なないんじゃないかな、エルフって。
「·····あれ?耳長い!?あっ、本物のエルフだ凄い!」
「そうだろう?本物のエルフだよ俺は!·····うん?偽物のエルフって何だろうか、耳を無理やり伸ばした人間とかいるんだろうか」
またフィルクスが変なこと考え始めたから、今度はクナコちゃんにアイツの紹介でもするかなぁ。
「ソフィさん、異世界の人って未来から自由に来たりとか出来るんです?ウチのこと聞いてもそんなに驚かなかったですし」
「あー····· それについてなんだけどね、コイツ、石化魔法食らって500万年くらい地中に埋まってたからクナコちゃんとはタイムスリップした時間の桁が違うのよ」
「··········?」
そう、クナコちゃんは未来から来たけど、フィルはその逆で過去から来た存在だ。
しかもその時間が桁違いで、彼女の1000倍近い500万年だ。
クナコちゃんの居た4800年後は話を聞く限り現代の日本とはあまり大きく変わってなさそうだけど、500万年っていうと次元が違う。
まぁこの世界は文明の発展がだいぶ遅い代わりに時代が長いタイプだから一概には言えないけど、フィルにとって見る物全てが新しい物ってレベルで過去から来てるのよね。
·····あんまりにも桁が違いすぎて、クナコちゃんがピンと来てないみたいだけど。
「という訳で·····」
「えっ、えぇ·····?」
「上には上がいるって事だね」
ちなみに我が家には3600年前にこっちの世界に来て帰れなくなって結局帰れたけど現在も存命ってか今も若いままで昨日私にゲンコツを喰らわせてきやがった魔女とか、その魔女に殺されて転生した魔王が居たり、その先祖であり最近魔族の技術で蘇った650万年前の魔王なんかが金星に居るからなぁ·····
未来から来たってのは特別感はあるけど、まぁ経過した時間的には普通よりちょい上くらいだ。
「まてよ!?ということはだ!!スプーンとフォークを組み合わせる発想で閃いたぞ!!鉄板に取っ手をつければ調理しやすくなるのではないかっ!?!?」
「あのさぁ、それフライパンだから·····ッ!!」
「あっこれフライパンだな、あっはっは!!俺の時代にもあったわ!!!」
「あーもうっ!!!フィルは何か言う度に話ややこしくなるから黙ってて!!」
「もごごがっ!?!?」
私はフィルの口に結構パサついてるパンを詰め込んで隣の部屋に投げ込んだ。
あれで暫くは喋れないだろう。
「で、なんだっけ?邪魔が入ったから何が何だか分からなくなっちゃったわ」
「えええぇと····· ·····ウチ、これからどうすればええ?」
「·····ウチに居候する?変なのめっちゃ居るから今更一人増えた所で変わらないし」
「えっ?マジでええん?ウチめっちゃ居着くつもりやけど」
「いいよー」
というわけで、我が家というかウチのカオスシェアハウスにに未来人が増えた。
名前:ソフィ・シュテイン
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「ちなみにご飯は自炊できる?ぶっちゃけ出来ない方が得だよ、王宮料理人顔負けのシルキー軍団が暇してて頼めば朝昼晩とおやつを喜んで作ってくれるし、身の回りのお世話もしてくれるよ」
名前:クナコ
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「あっ頼むわー、ウチも元の時代だと家政婦ロボ使ってたんよ!だから家事とかはからっきし····· って訳でもないんやけどな、ポンコツロボやったからよく焦がしとったし、何なら『週間次元転移装置を作ろう』の部品にするためバラしてしもうたわ!!」




