中学二年生
中学二年生
田舎は暇だ
前に住んでた地域も田舎だけどそれ以上に田舎だった。
コンビニに行きたくても自転車で30分はかかる
通学路では時期になるとスズメバチがブンブン飛んでて怖いし、寝ている枕元にでっかいハガチが出てたり
ガラケーを毎日ピコピコ触ってゲームしたり前略プロフィールに書き込んでみたり
貯めたお年玉でゲームを買ってゲームしてみたり
そんな毎日を過ごしていた。
念願のパパと住んでみた感想は
まあ、最悪だった。
『こんな事になるとは思っていなかった』
そう言われた
週末と長期休みだけ見ていた娘が
実はこんなに変わり果てているなんてって話だと思う
学校から毎度毎度親が呼び出しを食らったり
電話が鳴る日々だからそりゃそんな事も言いたくなるのかもしれないね。
パパは仕事で休みがあまりないからいつもババが対応してくれてた。
学校はつまらなかった
前の学校は楽しかったのに
メイクをしたりショッピングモールへ遊びに行ったり
夜中コンビニに行ってカップラーメン買ってだべったり
そんな事もできやしない
そんな毎日でも気の合う友達はいた
似たようなクラスの輪から外れたような女の子
学校へ行く日は大体昼頃に行く
給食食べて午後の授業に出てその子と遊ぶ
行かない日もその子と会って家に帰らずに遊んでた
家に帰ってもパパはいないし退屈だし
聞かされる話は大体お説教だったり、お金がお金がって話。
パパはお金を大事にする人だった
悪く言えば死ぬほどケチだった
給食費袋を持っていけば金金金ってぶつぶつ言ってた
何かで集金がある時もぶつぶつ言ってた
お金がないお金がないっていつも言ってた。
その日もいつも通りその子と遊んでる時だった
『お金、欲しくない?』
その子にそう言われたのがきっかけだった
お金は欲しい
うちにはお金がないってパパが言うから
私にお小遣い渡してる時も集金袋にお金入れる時も
お金があれば少しは楽にしてあげられるのかもしれないと思った。
だって一緒に住んでからパパはしんどそう
少しでも楽にしてあげられるならとも思ったし
私自身もお小遣いが増えたら嬉しかった
妹にお菓子も買ってあげられるし
『うん、欲しい』
その日の夜は知らない無人駅に降りて、知らない人の車に乗って夜中なのに明るいお店に入った
多分あのお店の種類はスナックだったと思う
長いロングドレスに着替えておじさんと会話する
お客さんがいない時はお店の固定電話から知らない人に電話して『覚えてる?私だよ!』って電話をかける
数打ちゃ当たる方式で、誰だか知らなくても申し訳なくて来てくれるおじさんが数人いた。
そこで数時間、友達のその子と一緒におじさんと会話をして終わればその子の家まで届けてくれる。
車から降りる時にお給料だよと5000円をくれた。
はじめてのお給料は嬉しかった
14歳の中学二年生にとって5000円は物凄く大金だ
嬉しくてお財布に大事にしまってその子の部屋で寝て次の日帰宅した。
その日の夜はみんなが寝静まった頃にパパのお財布にその5000円を入れて1000円だけ返してもらった。
4000円しか渡せないけどでも、少しでも足しになったら嬉しいなと思った
でも悪いことをしてる自覚もあるから、バレないようにそっと入れた。
出れる日はその子と一緒にお店に出て、5000円を貰った。
ちょうど集金があった時にはそのお金を入れて提出したり、消しゴムが無くなればそのお金で買ったり、たまにパパのお財布に入れたり( 増えすぎてはバレるから )
それでもパパは変わらずお金がないとぼやいてた
よく働けたよなと思う




