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私へ、わたしより  作者: オタマジャクシ
1/5

あの頃



あの頃の私たちへ、今の私たちへ。

あの頃の恨みと怨みと、怒らなかった私へと

今のろくでもない私へと、これからの私の気持ちを






恥の多い一生でした

なんて言ったのは思ったのはきっと貴方だけじゃない


お風呂で顔だけ出して顔以外を沈めながら水の音を聞きながら、そう思った。



1997年1月

おぎゃっと私はママの股ぐらから出てきた

小川家の長女が生まれた日

セーラームーンが大好きで人見知りで怖がりで

ママとパパに愛されて育った


3年後には妹がおぎゃっと産まれた

あの頃の記憶は今はもう無いけど

でも、とても可愛くて愛おしくて小さいなと思った

今でも可愛い妹


姉妹喧嘩をしたり、ママとパパに怒られたりしながらも、でも楽しく毎日を生きていた。




2006年、私が9歳の時に両親が離婚した

離婚なんてぶっちゃけ意味わかんなかったけど、でも私はずっと話し合っている2人を実は知っている

確か寝れなくて目を瞑っていた時の事



寝れない時は目を瞑っていなさいとパパに教わった通りに目を瞑っていた時に話し声が聞こえた



なんの話だろ?って気になったのがきっかけ

私はこっそりパパとママがまだ来ていないみんなで寝る寝室に寝ている妹を確認して出て、冷蔵庫の前にある炊飯器を置いている棚に隠れて聞いていた。



詳しい話内容は覚えてないけど、でも、よくわかんないけど、ああママとパパはきっと離れてしまうんだって理解はした。



私は静かに泣いて妹が眠る寝室にパパとママはまだ来ないから、1人で戻った。




小学校3年生になる前に私は引っ越しが決まった。



『パパと行くか、ママと行くか。どっちがいい?』

『パパはご飯が作れないよ』



ママがそう言ったのを覚えてる。

パパは目玉焼きが得意だった。

あとウインナーを焼いてくれる

塩胡椒でしょっ辛いやつ。でも美味しいの

私と妹とママだけが知る味

私が大好きなスペシャル目玉焼きだった



でも、そっか、ずっとスペシャル目玉焼きだけじゃ

スペシャルな毎日だけどそれだけなのは嫌だな

ご飯が食べれないのか。



そう思って、ママと行くと伝えた。


パパとはすぐまた会えると思っていたし、離婚なんて正直よくわかんないし、でも家族だもんねって思ったんだ






春。

私たちはママのお母さん、つまりおばあちゃんの家に住むことになって

知らない学校に転校が決まった



前にいた学校より少し汚い学校

前にいたところの方が綺麗だと思った。

給食のトレーも違う



前の学校は、トレーそのものがお皿で丸が2つと細長の四角が二つで四つに分かれてて、そこにご飯の器とおかず2つとデザートが置かれていたのに

銀の変なトレーに食器に乗ったご飯達を乗せて食べる



へんなのって思ってたよ、ずっと

でもそれも六年生になる頃には当たり前になってた。



パパと一緒に住めなくなってから、ずっと金曜日の夜から日曜の夜までと学校の長期休みの日はパパと会っていた。



金曜日になったら毎晩電話をして迎えに来てもらう

ブーンって音が合図



パパのところに行くためのお泊まりバッグを持って、

ババに行ってきますを告げて大好きなパパの車に乗る



30分も走れば、パパのお家

パパのお母さん、つまりおばあちゃんのお家に着く

トトロが出そうなくらい田舎だ。



曾祖母のおおばばと、曾祖父のおおじじとババとパパの家

猫が3匹の大家族



ババが作るご飯はいつも量が多くて食べ切ることなんてなくて、お菓子がいつもそこにあって、プレステ2とリカチャンが置いてある少し退屈なお家。

でもいつも楽しかった。



ふと、思い立って

ふと思い出して

ここをタイムカプセルに決めた

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