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 後日、兄から連絡が来た。来たが…え、一週間かけて離宮でパーティーを行うって…一週間も!?なんでそんなに!?


「一日で会って決めるのは、無理な人数だからじゃないですかね。…20名ほど、参加者の名前がありますよ。本人ではなく、家の当主や領主の名前で申し込みされてますので、おそらくもっと人数いるんじゃないですか?」

「なんでだ」

「その家の娘が一人だけだとでも?」


 あー…姉妹で、とかもあるのか。それは確かに一日でその人となりを見定めるのは大変か。俺は、兄と違って王位を継ぐわけではないし、魔力がない事もあって、特に良い血を残すという考えもなかったしなぁ。まあ、親の血がいいから、子供ができればいいって、結婚の相手の身分とか考えてなかったから、良い血筋の娘をあらかじめ探しておくなんてこともしなかったし。俺より兄や弟のほうがそこらへんは重要かなって。


「で。一応あのジョセフィーヌ嬢も参加してくださるそうですよ。ドレス贈れって書いてますし」

「!本当か!?」

「ほらここ。…今日はもういいからドレスの図案、考えたほうがいいんじゃないですか。サイズは分かるんですか?」

「サイズ?そんなもの分かるに決まってるだろう」

「はぁ…あんた、ほんと無駄な能力…」


 …普通、少し身体に触れたら分かるものじゃないのか?そう問えば、ため息を吐かれて、やれやれだと言われた。解せぬ。


「口調、崩れかけてるぞ」

「失礼…とりあえずドレスをこちらで用意する事は知らせていただいているようですし…ほら、さっさと行きますよ」

「ん?お前も来るのか」

「…一応、私、貴方の護衛でもあるんですが」

「…必要か?」

「必要ありませんね。この筋肉バカをどうこうできる人なんて、それこそ王太子様位じゃないですか」

「なら…」

「魔術的なモノ、だめでしょうに」


 街中で魔術を使う事なんてないはずなんだが…まあ、しかたないか。

 で…この乳母兄弟は…一緒に育ったからか、気安いんだが…余りにも態度が悪くなる時がある。今も…なんで襟首掴まれて引きずられてるんだ俺は。


「…誰かに見られたらお前、不敬罪にならないかこれ」

「…今更じゃないですか」

「えー…」

「…おとなしく向かうなら離しますけど」

「そりゃ向かうにきまってるだろう。なあ、あの髪に似合うの、何色がいい?」

「貴方の目の色のドレスは一着作るとして…濃い青はやめたほうがいいですね。けれど水色は王太子様の色ですし…グラデーションでごまかすしかないでしょうね」

「なら、宝石は」

「…色に関しては、王太子様と相談したほうがよいですね。今日はまずデザインを選びましょう」

「分かった」


 そうだ。こちらで過ごす普通の服も、寝巻も必要だろう。だから、そこら辺も一緒に頼む事にしよう。本当に、身一つで来てもいい様に。メイドは…いや、そもそも何処に宿泊させるべきか…ほかの令嬢はどうするのかも聞いておかなければ…

 ある程度上位の令嬢であれば、王都に屋敷があるからいいとして…こういう時に使う部屋はどこだったか…それを、一緒に歩いている乳母兄弟へ言えば、頭を抱えて唸ってるが…どうした?


「もう、ほんっとあんたって…」

「だから口調崩れてるぞ」

「あーもー、なんでこんなバカに育ったんだ…」

「………」


 そんなこと言われてもな?向き不向きというモノがあって…どうしようもないと思わないか?


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