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深海

作者: 49号線

 例えばこんなことを考えている。


 この世界の嘘も本当も、過去も未来も全てを司れたら、と。世界は自分の都合よく回り、たとえ過ちを犯しても、嫌なことがあっても全部リセットすることができる。

 今まで高波をあげていた海が凪ぐ。

 今まで僕を濡らしてきた荒梅雨が止む。

 依然として僕の心は、病んでいる。


 例えばこんなことを考えている。


 あの海の底には何があるのか。未知の生物、沈んだ幽霊船、期待の財宝。声は聞こえるのだろうか。何か見ることはできるだろうか。辛く、ないのだろうか。


 例えばこんなことを考える。


 最愛の人を失ってからが喜劇の始まりだ、という定石はいつ崩れるのだろうか。

 芸術に願う人は、たちまち非難されなければいけないのは何故だろうか。心配されるのは何故だろうか。

 そんなの、遠回しに「やめろ」と言っているだけなのに。

 今まで信じていた父親が遂に僕に言った。

 今日の僕は死んだ。僕は僕を殺した。

 応援? 見守る? 一体誰を信用すれば良かった。

 僕は死にたい。生きる意味を、父親が奪った。

 たった一言のそれが、僕にとっての刃なのに。

 もう、いい。

 死んでやろう。

 溺れる、息が苦しい。

 全部、ぜんぶぜんぶ嘘になってしまえ。

Mr.Childrenの5thAlbum「深海」より着想を得ました。

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