表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

7. 冬の雨上がり

 この日は朝から雨模様が続いておりました。予報では午後には晴れると言っておりましたが、いつ晴れるのかと、時々雨雲を眺めております。


 時刻は午後11時をすぎた頃。お気に入りの青い傘を差しながら、水溜りを作っている道路をチャプチャプと踏み越えております。


 今日は雨模様ですが、冬の時期ということも相俟って、いつもよりも寒さを感じております。明日以降、さらに寒くなると思うと、暖房対策の強化を考えなければなりません。


 さて、水溜りを踏み鳴らしながら目的地へと向かっていますが、ここでもう一度雨雲を見てみましょう。すると、少し雨が弱くなったように思いました。もう少しで雨が止みそうな予感がします。


 さらに歩くと、前方からトンネルが見えてきました。目的地へ行くには必ず通らなければならないトンネルでございます。ですが、そのトンネルというもの、歩くには少し長いのです。トンネルの中は等間隔に電灯があるので、足元を心配する必要はありません。ですが私の性格上、やはり心配にはなってしまうようで。


 そうしてトンネルに入っていきます。靴音がトンネル内に響き渡ります。トンネル内の電灯が人影を作り出します。等間隔に配置された電灯は、自身の影を伸び縮みさせます。歩きながらその様子を見ていると、なんだか不思議な気持ちになります。


 トンネルの真ん中辺りで少し曲がりますと、その先には出口の光が見えてきます。徐々に大きくなる光は、ドキドキするものがあります。光に包まれるような感覚になりながら、トンネルを抜けます。


 トンネルを抜けて、一番初めに視界に入ったのは、雲の隙間から覗く青空でした。雨は止んでおり、広げようとした傘を閉じました。


 トンネルから出た瞬間、冷たい風が吹きました。いつもよりも冷たい風は、体を震わせるほどです。両手を擦り、微量の暖を感じながら寒さを凌ぎます。


 そしてトンネルの先にある料理店こそ、今日の目的地です。僅かな人しか知らない名店。そのお店に来る度、過去に食べた料理の味を思い浮かべます。


 さて、今日は何を食べましょうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ