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miriko world〜救世主に選ばれた少女の異世界冒険記〜  作者: 北村美琴
第5章番外編美衣子への思い〜手紙風〜
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小人、妖精、パンパンより

 〈マ〉なあジェル。オレ達がみーこへの思いを綴った手紙を書くんだってさ。なんか照れるなあ、ラブレターじゃあるまいし。


 〈ジ〉そうなんだマーキス。逆にみーこはボクらのことどう思っているんだろうね。小さいとか思ってたりするのかな? ちょっと聞いてみたい気がするよね。


 〈マ〉どうだろうな。でも彼女は一度もそんなこと口に出した事がないよな。背は小さいけど、同じ人間だと思ってくれてるんだろうか?


 〈ジ〉あっ、やっぱりマーキスも気になってたんだ。妖精達の例もあるし、一度聞いてみようよ。


 〈マ〉妖精達は違うだろ。


 〈ジ〉そうかなぁ。そうだとしても、みーこも妖精達も仲間であることは変わらないよ。


 〈マ〉そうだな。


 〈ジ〉そうだよ。だから、これからも一緒に、仲良くやって行こう!


 〈マ〉ああ。……しかし、これってみーこへの思いを綴ったことになるのか?まあいいか。次はフェアとリィ。任せる。


       ◇◇◇


 〈フェア〉フェアでーす。

 〈リィ〉リィでーす。

 〈フェア〉二人あわせて〜〜〜、

 〈二人〉妖精でーす❗


 〈リィ〉って、漫才やっている場合じゃないでしょ! どうやら小人達が、あたし達に手紙を押し付けたみたいだし。


 〈フェア〉そうね。それに、背が小さいとか何とか気にしていたし。あたし達もそうだけど、背が小さいから可愛いのにね。ちょうど、手のひらに乗れるサイズだし。


 〈リィ〉そうそう。それにみーこは、多分可愛いものが好きだよ。ワンメー達とも、普通に話していたし。仲間だと思ったら、そんなこと気にしないだろうしね。


 〈フェア〉そうね。人間界から来て、最初はずいぶん戸惑っただろうに、辛い戦いの中でも、弱音を吐かず、よく頑張っているよね。自分の出生の秘密を聞いた時だって、運命を受け入れて、凄いなって思う。成長しているんだな。


 〈リィ〉あらあら、お姉さんみたいな言い方ね。ああ、実際にお姉さんか。


 〈フェア〉あなたもでしょ。それに、戦士としても先輩だし。そう言えば、ずっと思っていたんだけど、パンパンのみーこを見る目って、何か優しいよね。


 〈リィ〉えっ、そうかなぁ。あたしは普通だと思うけど。


 〈フェア〉……何となく、ね。気のせいかな?


 〈リィ〉じゃあ、次はパンパンの番だし、何か書くんじゃない? それを読めば、何か分かるかもよ。


 〈フェア〉そうね。でも、人の手紙を読んでいいのかな? ちょっと、悪い気もするけど……。


 〈リィ〉いいんじゃない。面白かったら。じゃあ、パンパン、よろしくね!


 〈パンパン〉……面白がらないで欲しいんだけど。


       ◇◇◇


 可愛い。初めて会ったときから、ずっと可愛いって思っていた。君のその笑顔に。ドキンとした。最初は分からなかったよ。美理子やうさちゃんや妖精達や、回りに女の子は居るけど、君だけだったよ。こんなに胸が熱く感じたのは。

mirikoworldとは違う世界から来た女の子。それが特別に感じさせたのかなと思ったけど、違った。ミリルーク神殿でのダルとの決戦の後、君が人間界に帰ってから分かった。寂しくて、胸が苦しくて、君に凄く会いたいって気持ちが溢れてきた。僕は、君に、恋しているんだって分かったんだよ。初めてだよ。こんな気持ちは。だから戸惑ってる。君も驚いているよね。でも、ちゃんと伝えておかなきゃって、モヤモヤするのは嫌だから、ここに書くね。みーこ、僕は、君が好きだよ。


 次に君に会ったときに、もっと強くなった僕を見てもらいたくて、体を鍛えていたんだ。ちょうど、ドラムセットを手に入れた時だったからね。実は、お腹に太鼓があったの、本当は嫌だったんだよ。太っていると思われるからね。無くなって良かったよ。そういう体質だって言えばそうだけど、何故こんな体でって恨んだりもした。今は、筋肉が付いたよ。これで、少しは自慢できるかな?


 僕達の種族は、音楽使いと言われていて、パートナーとなる妖精を自分たちで探すんだ。妖精はだいたい一人か二人。そして一緒に音楽を奏でる事で、初めて真の音楽使いと言われる事になる。僕もフェアとリィと初めて会った時、嬉しかった。これで一族の一員として、誇りが持てるって。それで一定のレベルになると、お腹の太鼓が消えて次の楽器が手に入るんだ。


 ドラムセットが手に入った今、そのレベルになったって事かな。


 そうそう、人間界に行って気づいたんだけど、僕の名前って珍しいのかな。あんまりない名前だよね。うさちゃんも、ラヴィーナンジェラ・フェラシード・グランジーという本名だもんね。でも、僕もこれ本名なんだ。気にし過ぎかもしれないけど、何となく気になっちゃって。


 ちなみにうさちゃんというあだ名は、美理子がつけたらしいよ。うさぎ人間の女の子だから? 単純だけど、しっくりきて、呼びやすい。うさちゃん自身も気に入ってくれてる。優しい人だよね。


 あとは、うーん。僕ジースのこと、羨ましいと思っていたんだ。背が高いし、美形だし、何より、君のジースを見る目が輝いていたから。勘違いだったらいいんだけど。でも僕も、それなりに背は伸びたと思うし、今なら、君を守れる自信もある。


 今こうして君と再会して、一緒に戦えることが嬉しい。君は相変わらず可愛い。少し大人っぽくなったかな。とにかく、これからも頑張ろう。

 そして出来れば、ううん、焦らなくていいから、いつか答えを聞かせて欲しい。

 僕はいつでも、君を思っているよ。



 そう、この手紙をパンパンからもらったから、美衣子は彼の事を意識するようになった。ちなみに、彼女のジースへの思いは単なる憧れであり、恋愛感情はない。

 これで幻矢との戦いの時、二人が赤くなった理由が分かったかな。

 おっと、伸ばしてしまってごめんなさい。

 それでは引き続き、手紙をお楽しみ下さいませ。

 


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