トライアングルやらかした?
……暗号?
正午。夏の暑さも頂点に達したそんな時間。
鷲尾寧々香はショッピングの後、自宅に戻ってきたところだった。そこで親友である彼女から、スマートフォンにメッセージが届いていることに気が付いた。見てみる。
《みっちゃん――
苗倉△ 真斗△ もうまったくもうあの真斗△ ああもうああもうああもおおおお! 》
なんじゃこりゃ。
ありのままの感想だった。
この文面からして考えられるのは、彼女と一緒に出かけていた彼が、なにかしら彼女の心中をかき乱すようなことをやらかしたのだろう。何をやったんだ、彼。
この『△』の乱用からして、ポジティブなイメージが浮かばない。
いや『×』ではないだけ、まだマシなのか。
そして、意図が見えない文面からして、彼女は非常に動揺している。
――そう言えば、――と思いだす。
彼は彼女に秘密があると言った。その秘密が、彼女にバレてしまったのだろうか。
彼の秘密とはどういうものなのか。それは知らない。見当もつかない。
それが彼女を激怒させるほどのものだったのかもしれない。それもわからない。
結局のところは、何もかも、わからないのだけれど。
――うちが考えても、無駄かな?
とりあえず、彼女に聞いておく。文字を入力。
《 なにかあったの? 》――送信。
プルルルルルルルルル――
「わっ」驚いた。
電話だ。即決即断、ノータイムである。
もちろん、彼女である。
正直、これからやりたいことがあった。だがしかし、相談やらグチやらを聞くのも親友の務めかな、と思う。ヤレヤレと漏らす心を感じつつも通話を開始した。
「もしもし、みっちゃん?」
『もしもしもしもし! ねねかねねか! ヤバいヤバい! お願いお願い! 聞いて聞いて』
やはり彼女は火山の噴火のごとく、熾烈に語りだした。
お読みいただきありがとうございました。
お疲れさまです。
……意味がわかりませんね?
こちらは、次の話を読むことで解決ーーいや、『意味がわかる』ようになります。
よろしければぜひ、ご一瞥くださいませ。
失礼します!