何故こうも俺の日常はすぐ壊れちまうんだぁぁー!
登場人物はどんどん増えていきます。
増えすぎないように注意はしたいと思います。
ん?誰だろうか。覗きだろうか。警察呼んでやろうか。
風呂のわずかな排気口から顔を覗かせている少女を見てそう思った。
「誰だお前。通報して欲しいなら存分覗け。」
「なあに言ってんのよー!何で女の子とお風呂はいってんのよ。そんな歳で一緒に入ったら犯罪でしょ!?
通報するならこっ「パシャ」
うるさいので扉を閉め、声を遮った。ついでに鍵もかけた。
もしお隣さんなら仲良くしておいて損はない。
この状況を見られた時点で向こうが仲良くする気が起きるかどうかは不明だが。
「メア、そろそろ出るか。」
「はい♫」
メアはいつもの元気がいい声を上げ俺と一緒に風呂を出た。
翌日。
いつも通り学校に向かおうとすると、
昨日の覗き魔と遭遇してしまった。
「昨日は何だったんだ?覗き魔。」
「誰が覗き魔よ。あんた達が男女で一緒にお風呂に入っているのが悪いんでしょ。」
「なぜダメなんだ……?形式上は性別の差はあるが、同じ人間としては差はない。何故風呂に一緒に入ってはならないんだか理由が分からないが。ちなみに俺は榊令。よろしく。」
「とにかくダメなのっ!男女でお風呂に入ったら!私は南凛花よ。」
「よく分からんが分かった。俺も勝手に風呂に入ってくることに困り果てていた頃だしな。
救世主よ。ありがとう。同じ性別の注意ならあいつも聞き入れてくれるだろう。」
「うん、それで良いわ。」
ようやく和解し、学校に一緒に入っていく…………?
「お前ここの生徒だったのか!?」
「あんたもここの生徒なの!?」
こりゃあ驚いた。まさか同じ中学生で同じ学校とは。同じクラスにいないことから違うクラスだということは分かるが、今まで気づいた事はなかった。そりゃそうか。見た事ないんだし。
校門をくぐると、キーンコーンカーンコーン
「遅刻なぞするもんかー!!俺に掴まれ!」
掴まるというか強引に凛花を引っ張り、バレないくらいに間に合うところまで俺は飛んだ。
「あっ。」
俺は又やらかしたらしい。
凛花が驚愕の目で俺を見ている。
昨日見た少女と全く同じ表情だ。デジャヴかな。
「あ、あんた…」
「あぁ、すまない。見なかったことにしてくれ。ここで話していたらほんとに遅刻する。」
俺たちは猛ダッシュで廊下を駆け抜け、同じ教室に突っ込んでいった……?
「お前見たことないぞ!?何で教室まで同じなんだ!?」
「私は転校してきたのよ。偶然だけど貴方と同じ1年3組らしいわね。クラスメイトとしてもよろしく。」
こんな偶然はあるだろうか。
というか今まで気づかなかったが俺の家の隣は誰も住んでいなかった。
こいつは隣の家に住んでるって一回でもいったか??
じゃあ何故昨日ピンポイントで俺の家の排気口にカムイン出来たんだ?
考えれば考えるほど、筋が繋がる。
そして俺は悟った。
(こいつも俺と同じ世界、又は違う能力者の世界のいたのか。)
能力者は他の能力者の居場所を直感的に探ることができる。だから昨日も訳の分からないところから入って覗いてきたのだろう。
妄想は疲れた。俺が能力を使わなければバレないです、、
「あがああ」
そうだ。今使ってしまったんだ。俺は又変人っぽい声を上げ呻いた。
朝のホームルームが始まる。
転校生登場。恒例通り挨拶が始まる。
「こんにちは、1年3組の皆さん。私は南凛花と言います。将来の夢は、怜くんのお嫁さんになる事です。
皆んなと仲良くなれるように頑張りますのでよろしくお願いします。」
……皆が転校生の言葉、一句一句見逃すはずがない。
俺は入学2週間目にして最大の試練が訪れた。