夜にオモチャは騒げない
──とある男子幼稚園児の家。
「ブゥウウウウウウン!ドカーン!!」
男の子が合体ロボのオモチャを掴み、城の形に積んだ積み木にぶつける。
もちろん積み木は綺麗に崩れ落ちる。
「『わっはっは!どうだ!見たか!俺達の力をー!』」
男の子はわざと声を低くすると、ロボの言葉を代弁する。
と、母親らしき女性が部屋に入ってきた。
「早く寝なさい。明日も幼稚園あるんだから」
「……はぁーい⤵︎ ⤵︎」
男の子が寝ると、無造作に床に放り出されていたロボのオモチャがひとりでに動き出した。
「いってぇ……またぶつけんのかよ。何個物ぶっ壊しゃ気が済むんだコイツ……」
ロボがこの家に来た日から、少なくとも四つはオモチャが破壊されている。
今は寝静まっている小さな破壊神によって。
「落ち着けって。お前は頑丈なんだろ?」
「限度ってもんがあんだろうが」
積み木の中の一つからの言葉に、ロボが反論する。
「まぁね……童謡だと『オモチャは夜になると騒ぎ出す』なんて言うけど……」
「無理に決まってんだろ色んな意味で」
「まぁ、現実的な問題なら一つ突破してるがな」
「そこは置いとけ」
子供を楽しませる事が役割のハズのオモチャの口からは想像もできない言葉が吐き出される。
「あぁ、もう出ていきてぇ」
「やめろ、某トイスト○リーになる」
「言っちまってんだから『某』つける必要ねぇだろ」
「……あっ」
作者としては出来ればそういう著作権的な問題に引っかかりそうな会話は控えて頂きたい。
「にしても、あれどうにかなんねぇのか」
ロボはベッドに横たわる化け物に目を向ける。
「いやー、成長を待つしか」
「その前にゴミ箱行きだな」
積み木とロボは同時に溜息をつく。
「……で、なんでうちの作者はこんな小説書いてんだ?」
「さーね、いつもの思いつきじゃね?」
ギクッ。
「もう終われよ」
はいはい。
じゃあ作者の力を利用してっと。
──朝がやってきた。
「ふぁぁ……さーて、今日も遊ぶぞ!!」
ふざけんな。
死ぬ気で勉強してる僕の身にもなれクソ園児。




