2、【妖専門情報屋】
2、【妖専門情報屋】
それは『妖を退治する』ということ。
別に良心に駆られた訳ではない。ただ単にこんな田舎じゃあやる事もないと思ったし、家にいても気まずいだけだと思ったから。
そして今現在もこの様に妖を退治する仕事をしている訳だ。
「ねえ、もう終わった?此処からじゃ見えないんだけど。」
「はい、こいつで終わり。」
この憑き物【タタラカミ】は、水を操る水神だ。私には実感がないが。
「葉羅。腹が減った。ご飯を食べよう。【働かざる者食うべからず】と言うように、僕は今ちゃんと働いた。だから食べ物を食べる権利は十分にある。」
「はいはい、分かっていますよ。分かっていますとも。それじゃ水菓子でも食べますか。」
「そうだねえ。じゃあ僕は、餡蜜を5杯食べよう。」
何故カミは此処まで食べ物を食すのか私には全くわからない。て言うかまずカミだから、食べ物を食う必要なくね?カミに食欲なんかあんの?
「ねえ何でそんなにお腹すくの?私は水菓子なんて4杯しか普通の場合食った事ないよ。」
「葉羅、それも結構多い方だよ。君は自分で考えたほうがいい。」
「ハラタツ〜〜!」
私はいつもある人物から妖がいるとされる場所の情報をもらい、妖退治をしている。
その人物は少し・・・というか相当変わっている。
今私が向かっているのは、その相当の変人がいる【裏処】と書かれている看板が立て掛けてあるいかにも怪しい一階建てのビルだ。
「波津さーん。いますか〜!差し入れ持ってきたよ。高級メロンだよ〜!」
「ナナナ、何だと!!高級メロンだと!!いやそんなはずはない。お前の家にそんな金ないだろ。」
「大当たり〜!よく分かったねー。波津。」
「そりゃ分かりますよ。タタラ様。私はいつも人の目を気にしたりしなきゃいけないしね。それが仕事ですし。」
そう、この無駄に威圧感のある髭ボーボーのおっさんが、波津重明。ちなみに独身です。なんとただいま36歳!私はいつもこの人から妖のいる場所を教えてもらっている。金を取られて。といっても私も妖を倒す事で他の良い妖から、食べ物を貰えるし金目のものを持ってきてくれる事もあるからそんなに金銭面では困っていない。
「それでは波津さん。早速貴方にこれを献上します。」
「今回のは雑魚だったから金入らねーよ。」
「へ〜。波津にしては珍しく気前が良いねえ。」
「その代わり2人にやってもらいたいことがあるんだよ。」
大体はもう分かっていた。波津さんがこんな風にいうときは大体面倒くさい事をさせる前置だ。
「そんな顔すんなよ。そんな面倒くさくはないと思うぜ。あんたら二人ならチャチャっと終わらせてくれるはずだ。」
そういえばこんなこと言ってこの前キモい虫妖怪退治させられたことあったな〜。まあ色々と世話になっているのは確かなんだが。「今回は当たりだぞ〜!この近くの神社に、変なでけえ妖が住むようになってな。それを退治すれば、位の高え妖から金目のモンがっぽがっぽ貰えるぞ!」
「それは良い話ですな。金に困らないくらいの金が手に入るかも。」
「「あーはっはっはっはっはっはっ!」」
「こいつらといると頭腐りそうだ。おい、早く行くぞ。そうしないと僕の腹が空腹で破裂する。」