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第一章 15

15

ビュンッッッッッッッ!!

と、甲高く空気を割く音を響き渡らせ、右腕で砂埃を掻き消す。そして、静かにマリアを見つめる。

マリアの方も満身創痍。全身の至るところに打撲や擦り傷を負っている。だが、それでも私のように致命傷になるような傷は与えられていない。体力的にはまだまだ戦えるだろう。

だが……精神的には恐らくもう無理だ。表情が露骨に苦悶を表している。痛みでは決してないだろう。

マリアに、この戦争は早すぎた。彼女は優しすぎる。このまま先に進ませれば、全てを救うまえに自らの精神が磨耗し切ってしまう。

そんなことになる前に。

私は拳を握る。

……と言っても、実際立ち上がってみると、存外体力の限界が来ていた。これ以上は、あまり戦えないだろう。それに、長引かせると更にマリアの精神を磨耗させるだけだ。

だとするならば、答えは一つ。

次の打ち合いで、決める。

言葉には出さない。ただ、無言で構えるだけ。左足を前に一歩出し、軽く前傾姿勢を取る。

フェイントも何もない、ただ真っ直ぐに突っ込むだけ。マリアは顔を歪めたまま、剣を構えた。何をどこまで考えているのかは、表情からは読み取れない。


一度、全身から力を抜く。

――――長く――――長く、息を吐く。


一瞬が、永遠に圧縮される。


刹那が、無限に引き延ばされる。


この瞬間は、何人たりとも邪魔は出来ない。


――――そして。

地形が大幅に書き換える爆発が起きた。いや

――――その現象が起きたのは、全てが結末を迎えた後。出来事に事象が追い付いていなかった。

酷い砂が舞う中。

砂漠に倒れ伏している一人分の影。

少し距離が開いた位置に一つ。

……だけではなく。


倒れた影の傍らに、もう一つ小さな影が出現していた。


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