0プロローグ〜1.死んだってなんだ!
僕は小さい頃から周りからそんな事考えてどうすんだ!?と言われるようなことばかり考えていました。今も現在進行形です。
また、小説家になりたいとも思っていたのですがこのお話はどうしようもないくらい自分でも答えが見つからないテーマばかりを取り上げるためうまくまとまりそうもないのでかつて応募を諦めた原案です。
しかし、誰かに見せたかった!きっと世の中には僕みたいな人が沢山いるはず!良くも悪くもこの作品を通して、登場人物を達観して見下すレベルでいいので、色々考えて貰いたいと思っています。哲学は面白いのです、是非その入り口になればと思います。
不定期ではありますが各話にテーマをちりばめてなるたけ1話完結にしていきたいと思いますので是非、読んで貰いたいです!
海崎兄妹よ、思考を飛躍させよ!
0.プロローグ
どちて坊やというのをご存知だろうか。
今から……もう何年前になるかは忘れてしまったが某国民的アニメに出てきたキャラクターである。 お寺の奴な。
さて、本題だがどちて坊やとはどんな輩なのか?
……一言で言えばウザい子供である。 このどちて坊や、とんちのよく効く有名なお寺のあの人……まあ仮に一休みさんとして、その一休みさんをとても困らせた人物として有名である。まあ、アニメの話なのだけど。
どちて坊やはその名の通りなんでもかんでもどちて?どちて?と物事に関して何故そうなるかをしつこく聞いてくるといった、もう想像しただけでお腹いっぱいになるような子供で、度々一休みさんを困らせた。
俺はどちて坊やが大嫌いだ。当時一休みさんには大変同情した。
世の中にはどうしたって分からない事はあるのだと言ってやりたかったし、それ分かったからなんなの?っていうようなことに時間を割くのはあまりにバカバカしい話だからだ。
しかし、だ。
どちて坊やはこの世にはいないが、それに限りなく近いアホがいた。……しかもよりによって俺の超身近にいたのだ。
海崎白人。
俺は彼女の名前を忘れることはない。
ーーなにせ、この俺、海崎黒人の実の妹なのだから。
1.死んだってなんだ!
「ねえねえ、お兄ちゃん。どうしてお兄ちゃんは私の部屋にいるの?」
「……知らん。気づいたらいた」
「ねえねえ、お兄ちゃん。どうしてお兄ちゃんは死んだのに私の部屋にいるの?」
「いや、だから分からん」
「ねえねえ」
「だあああああっ!!やかましい!俺だってさっきここに来たばっかなんだっつの!とりあえず整理させろ!」
俺の頭は大渋滞が起きていた。
まず一つはこの目の前にいるアホな妹、白人について。
二つ目は何故かそんな妹の部屋に目を開けたらいた事。
三つ目は……俺が、死んだこと……?
「な、なあ白人?俺って死んだのか?」
「うんっ!一週間前に交通事故で死んじゃったの!白人寂しかったけど学校から帰って来たら白人の部屋にお兄ちゃんがいてびっくりした!」
「……小四のくせに意外とまとめ上手だな、お前」
それが余計に俺の頭にその事実をなじませ、嫌な気分になる。
そうか、俺は死んだんだ。
確か年齢は十八だったはず。はず、と言うのは死んでから今までの時間感覚が俺には全く無いからよく分からない。白人が言うには俺は死んでから一週間しか経ってないらしいし、やっぱり十八だと思うけれど。
原付に乗ってて、渋滞だった。その日……何か大事な日で、誰かと約束をしていた。それで俺は無茶な運転をして。
「っ……。マジかよ。俺本当に死んだのか」
「ねえ、ねえ!お兄ちゃん!死んだって、なあに?」
「……いや、お前さっき自分でお兄ちゃんが死んだから寂しかったって言ってたじゃん。死ぬって、もう会えないって事だよ」
「ええ? でもお兄ちゃん今いるよ?」
……?あれ、確かに。
いやいや、何小四に納得させられかけてるんだ、俺!
「お兄ちゃんは、多分、所謂幽霊って奴なんだよ」
「ゆーれい……?幽霊!おばけ!……うーん?幽霊は死んでるの?」
「そう、死んでるの」
よしよし、上手く説明出来た。
「幽霊さんは、生きてる時は無いの?」
「無い、な。生きてる時は幽霊とは言わない、生き物だ」
「お花は生き物って理科でやったよ!お花にも幽霊はいるの?」
「それは……分からんな」
「どうして?」
「うーん」
お花に幽霊がいない理由ってなんだろうか……。考えた事も無い。
「それよりさ、何で俺がここにいるか……」
「お兄ちゃん!お兄ちゃんはここにいるから死んでないよね!幽霊さんになってもここにいたら生きてるんだよっ!白人天才!」
「は、はあ?なんでそうなる!幽霊は死んだ時になるもんなんだよ。だから死んでるよ」
「でもお兄ちゃん生きてる時はここに住んでたよ!今もだよ!じゃあどっちも同じだよっ!」
「うん……?分からん、いる事にはいるけど状態が違うじゃないか」
「そうなの?お兄ちゃん歩ける?」
「ああ、一応。目も見えてる。耳も聞こえる。鼻はよく分からん。……あ!物は触れ無いな」
「わ〜、幽霊さんだ!」
「そうそう、だからやっぱ死んだんだ」
「でもでも、物に触れなかったら死んだってことなのかな?」
「と、言いますと?」
「お兄ちゃんは、ここにいて、私とお話してる!姿もあるよ!目も見えて、声も聞こえてる!それじゃあ、駄目?」
「え……いや、それは……。生きてる?うーん、でもやっぱ色々やれる事は限られてる訳だし」
「限られてる人は幽霊さんじゃなくても病気の人もじゃないかなあ。病気の人は、生きてるよ?」
「確かに……死んだとは言えないな。ちゃんと生きてる。けど治療が出来るぞ?」
「治療出来ない病気とかもあるじゃんっ!」
「うう……まあ、そうだけどさ」
「死んだら天国?地獄?お星様になる?ーーそれとも何も無いのかな?」
「…………」
何も無いが死の終ということか?
白人には分からないかもしれないが、死には階層構造があるってことなのか?
俺は一体……死んでるのか!?
だからどちて坊やは嫌いなんだ!
「お兄ちゃん、お兄ちゃん」
「な、なんだよ……お前のせいでお兄ちゃんは恐怖でいっぱいだよ」
「えー?どうして?」
「それ!それやめて!」
「うー、ごめんなさい〜。でもね!白人はまたお兄ちゃんと話せて嬉しい!」
「ん……まあ、俺もだ。事故ってから、一瞬でさ。悔いる暇も無かったし、走馬灯って嘘かもなあ。とにかくまたこういうチャンスがあって良かった」
「うん、うん!でもでも、お兄ちゃんが死んだっていうのかよく分からないのと、後もう一つ分からないことがあるの!」
「まだあるのかよ……何だ?」
「今のお兄ちゃんを生きてるって考えるとお兄ちゃんってどうやって死ぬの?」
「え…………そりゃ、成仏って奴?」
「成仏ってどうやってするの?」
「未練が無くなったらする、みたいな」
「お兄ちゃんの未練って何?」
「……あ。それ、分からん。思い出せない」
「わあ!じゃあお兄ちゃん、不死身!?」
「それはおかしいだろ!死んだんだって!」
「でも死んだって言ってもなあ……」
堂々めぐりだ!
白人の言うことは生きてる間なら無視してただろう。死んだらどうなるかなんて分からないのに考えても仕方ないからだ。
でも今そうなってみて分かる事がある。
俺は死んだのか、生きてるのか。
生きてるって何なのか。
分からない事が、分かった。
死は階層性を持つと仮定して、その頂点が分からない。
俺はいつになったらこの状態を脱却するんだ……?
出来たとして、その先は?
無?
ぐるぐると頭がおかしくなりかける俺に白人は微笑みかけた。
「お兄ちゃん!白人がついてるよ!また前みたいにいっぱい話そうね!」
「……余計に不安なんだけど」
しかし、白人と話す事で何か答えが見つかるかもしれない。
……少し重ったらしい気持ちをぶら下げながら俺は白人のなんちゃって哲学に付き合う事にした。
ーー海崎白人の思考はまだ止みそうにない。