Ruise…さすが。
思った通り人は多く、一緒の制服の人もいれば、ふくよかな体型をし大きなリュックを背負った人などたちがずらっと並び立っていた。一応予約はしていたから売れ切る事は無いとは思うけど…これは。ねぇ?あまりにも数が多く最後尾を探すのも一苦労だ。
「ねぇ、綾くん?これ、並ぶの。」
「え、あ、あぁ。どうしようか。」
だが、あーだこーだ考えているうちにもどんどん最後尾は遠くなっていく。これはもう…腹をくくるしかないか。ということは選択肢は一つ。
「よし。並ぶぞ。新。」
「うぇぇ。ま、しょうがないか。」
新も諦めたようで、大人しく二人で並ぶことになった。それはいいんだけど…やっぱ
「暇すぎる!」
隣でピロリーンなんてよくある効果音をならしながらゲームをしている新。なんだ、その方法があったか。ずっとRuiseしか頭になかった僕はポケットからケータイを取りだし電源を再度つける。さっき授業で見ていた画面が映し出される。だが、読みたい気分にはならなかった。もう並んでるんだし、大人しくこのままレジまで行って買って帰ってゲームをプレイするだけだから見る必要は無いかと思った。
あるアプリを開きログインする。そうしてゲームに夢中になりあっという間にレジまで後10人くらいだった。…恐るべしゲーム。
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「ふぅ~やっと買えたね~。」
伸びをしながらソフトの入った袋を眺める新。
僕もさっと袋からだしパッケージを眺める。かれこれ2時間くらいは並んだんじゃないかと。…くっそ足痛てぇ。
「あぁ。もう暗いなぁ。プレイする時間もそれほど無いか。ま、アバター作れたらいいかな。」
帰ったら一応塾あるし…どうせまた家には誰もいないだろうし。両親は海外出張だし僕は一人っ子だしで、家には僕だけしか住んでいない。母さんなんて、
『綾ちゃんはもう大きいし大丈夫よねぇ。よし!海外出張二人で行ってきます☆』
星だよ星。しかも、いきなりの宣告に脳をぐんぐん回してるなか父さんまで、
『そうだな。行ってくる。いい子にしているんだぞ。…あ、彼女連れてくるなら部屋片付けておけよ。』
父さん女々しいよ。母さんより心配性なことぐらいは知っていたが、いきなり彼女なんて。というか出来るなら欲しいよ?…リア充砂漠に帰れこのやろう!!
それからよく考えれば家事とか全部やらなきゃダメになったことにものすごく後悔した。だからといってついていくのも嫌だ。引き留めるのも仕事だから無理だし。なにより僕は誇り高き日本人でいたかったからだ。いや、別に外国人がやだとかそんなんじゃないよ。ただ、生まれも故郷もこの日本!的なポジションが一番普通で良かった。
「フンヌフフーンフンフフーン♪」
鼻唄を歌いながら家に帰り塾に行く準備をする。特に楽しくもない塾に通うのはなかなか気持ちが沈むが今日は一段と違った。帰ったらRuiseがお待ちしているからだ。待っていろよ!僕のRuise!!