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Ruise games  作者: 師走ルイ
3/6

書き込み

チャイムと同時に席につき静寂が現れる。ついさっきまでのざわついた空気も冷たくなってしまった。


これには深い訳があるんだ。それは、ただ今5時限目。…鬼の教師とも言われる刺武(さしむ)先生の国語の授業だ。

…ほっんとこの授業だけは地獄だ。


「これから、授業始めるぞ。オラ、日直。挨拶。」


ひぇえぇぇ…。少し喋っただけでも威圧感が…っ。今日日直であろうクラスメイトが立ち上がり強ばった表情で挨拶をした。


「き、きりつ…れい。






………ちゃくせきょ…っ。」


……ちゃくせきょ?

プフッちゃくせきょだって!今ちゃくせきょって言っちゃったよ!


それと同時に教室のなかも騒がしくなる。


駄目だろ、こんな笑ったら鬼の教師が…


「だーっはっはっはっはっ!なんだ!噛んだのか!はーっはっはっはっ!」


…うぉい。アンタが笑ってたら駄目だろ!仮にも教師なんだから!


横目でちらっとクラスメイトを見る。それはもう真っ赤な顔しながら俯いていた。


あーあ。先生のせいだー。校長に言っちゃおう。さすがにそれは無理だが。だからってかっこよくあの鬼きょに言葉をかけるのも、それこそ無理だ。僕に勇気があれば出来たのになと改めて後悔してしまう。


「さ。さっさと授業始めっぞ。」


…切り替えはや。


すぐさま変わった空気。僕は静まった教室のなかずっと睡魔と戦っていた。


だめだ。僕のレベルじゃ勝て……な…い。


重たい瞼を閉じてしまった。




「……う。りょーう。おっきろー!」


「ん。誰…。あぁ。鹿か。……。」


「ちょ!鹿にしないで!ほら、5時間目終わったよ?次移動教室だし、行こ!」


そういや、6時間目は理科室だとかなんとか言ってたような。曖昧な記憶のなか重たい頭を持ち上げた。…いや、眠たすぎて重いんだよ?決して僕が太ってるからじゃないからね?


さっさと移動し、自分の席につく。ちょうど窓側の一番後ろだったから一応何してもばれない。


とっさに気になった今日発売のゲーム。もうプレイした人がいるんじゃないかとケータイの画面をタップし検索する。


「『Ruise play u's 感想』で検索っと…。」


一気に検索結果が出る。そのなかに愛用していたサイトの書き込みを見つけ、すかさずタップ。


「……えっ。」


驚きの内容が一面に書き込まれていた。


『名無しのゴルゴさん:やめておいた方がいい。』


『アロエ:これはヤバい!始めたら止めさせてくれないっ!泣』


『ゾウだぞう。:なんだよこれ。意味わかんねぇ。』


『るぅにゃん:助けて(T-T)』


全て批判の言葉ばっかりだった。しかし、僕には逆に楽しみをそそる言葉だった。


もう少し先を読んでみる。ある一人の書き込みが気になった。詳しく解説、説明してくれているようだった。


『ルイスわに:なんだろう。このゲームはモンスターはもちろん。現実世界を使い本当に生きる人間をコピーし、倒す。ということは、自分の知人、もしくは家族などが狩猟ターゲットになることがあり、度胸。根性。そして、信頼性が問われることになる。相手を倒すとワンゲームクリア。だが、倒せなかった場合。自分がゲームオーバーとなり、現実世界には戻れなくなってしまうらしい。』


は。どういうことだ。コピー?ゲームの中には知ってる人が出てくる、というか出すということか。半ダイブは、現実をゲームにするっていうことか。


『ルイスわに:そして、このゲームの伝説。白猫黒猫が世界を操作している。とある話ではクエスト中に普段出るはずがないモンスターが出たという話を小耳に挟んだ。そのモンスターはステータス強。レベルも高めのタイプだ。これらの困難も乗り越えゲームを全クリアさせなければ抜け出せない。捕らえられたままだ。』

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