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閑話2 そうだ町へ行こう第1回目

ギャアアアーーーース

予約してなかったっけ???

一日遅れですが

「trick or treat!」


そう今日はハロウィンである。


今日はtreatを選べない相手にtrickを許された日であり、店内からと町へ繰り出していった。

「いってらっしゃい、ジャックさん」

ジャックさんつまりジャック・オ・ランタンが…


さなえはその背をみながら今日のたのしいハロウィンに期待で胸が膨らんだ。



ジャック・オ・ランタン

かつては人をだましまくった悪人であったが天国にも地獄にも行けずさまよい、ウィル・オ・ザ・ウィスプ(鬼火)となることを経て今のユーモラスなかぼちゃのハロウィンの怪物という存在を獲得するに至った。


そんなジャックさんはかつてのように悪人ではなく、子供を助けたり、一緒に遊ぶ優しい人?です。だまして不幸になった人の数、未来ある子供を救いなさいと言われたそうだ。


ただし今日はハロウィン!お菓子をくれないならいたずらを受けなければならない日。

そのため今日のジャックさんは鬼火を使い、怖がらせたり、惑わせたりする仕事をおっています。

もちろんジャックさんが「お菓子くれよ」といくことはありません。


ジャックさんはいわゆる、いたずら代行業をしていてこの日子供に「trick or treat」と問われお菓子など渡せなかった人にいたずらをすることになっています。


そして今日、この町にいてしまったのです、お菓子なんてねーよと言いやがった大人が!!


この日にそう言ってしまうとジャックさんはどこにいてもやってきます。


道に迷わされる、落とし穴におとされるなどいろんないたずらを仕掛けていきます。


そんな子供が優遇される日に少年をいじめる不届きものを発見してしまいました。


「おら、金出せよ!!今日は仲間とハロウィンパーティーすんからさ!!」

殴る、蹴るをすでにされ、とうにぼろぼろとなった10ほどの少年がカツアゲされていた。


しかしカツアゲは今日だけのことではなく、毎度のようにされ、もう渡すお金はなかった。

「…待って、もう…ないんだ…以前…渡した…ので、なくなったから…」


「うるせえんだよ!!いいから出せよ、もし本当にないなら親の金からもってこい!!」


ないともう無理なんだといっても男は耳を貸す様子はなく、さらに腹を殴られた。

相手は大学生で体格的にかなうわけなかった。それでも親を裏切るような真似ができるわけもなく、ずっと同じ問答が続き、ただ痛めつけられる回数が増えていった。


そしてついに少年は意識を失い、さすがにカツアゲ男もやばいといまさら思ったのかあわててその場を離れていった。


男が走り続けていると、気づけば離れた公園まで来ていた。


自然を大事にということで木々や湖など設けられており、道はあまり舗装されておらず、昼間には散歩するひとも多いのだが、あたりに人の気配はもちろん公園外の店や車などの発する音すら聞こえなかった。


「どうなってんだ?暗くなってきたとはいえ、まだ6時過ぎだぞ、それになんか静かすぎるような」

不安になってきたのか疲れて休んでいたベンチから立ち上がると公園をでようとして。


その時公園内の明かりがすべて落とされた。

「おい!なんだよ!暗くて見えねえよ」

木々が生い茂り公園外からの明かりを通さないうえ季節的にも日が落ちるのが早く、あたりは暗く一切音のしない空間に成り果てた。

さらにどんどん暗く足場さえ見えなくなっていく。


「くっそ!とりあえずあるいてりゃあどこか出れるだろ」

そう言い歩き始めると先に明かりが見えた。


男はその明かりに向かいずんずんと歩いて行った。

やっと見えた明かりであり、気味悪いここから出るためにもという思いから周囲をみることがおろそかになっているとは気づきもしないで。


気づいた時には足を踏み外し、湖に落ちた。

本来なら泳いで助かるのだろう、しかし度重なる出来事にパニックを起こした男は溺死してしまった。


光は鬼火であり、男はまんまと惑わされ湖の底に落ちたのだった。


「あれ、ここは。ん、なにこれ。」

カツアゲされていた少年が目をさまし、近くには今までにとられたお金全額とお菓子が置かれていた。

さらにあんなに痛めつけられた傷もなくなってまるで夢を見ていたかのようであった。


「はい、終わったよ。ジャックさんの頼みとは珍しいね」

さなえがジャックさんに頼まれたのは二つ。

一つは少年の傷を治すこと。

もう一つは男が使ってしまった分の少年のお金


かつてジャックさんに助けられた恩もありさなえは手を貸してあげた。

神魔ペットショップには傷や病を治せる子、財宝を集めたり管理する子もいるのでどちらもたやすいことだった。


「しかし、ジャックさんは私とは違うルールで動いているんだね。ハロウィンのみ力の行使可能で子供に害なすものを裁くといったとこかな」

ジャックさんは感謝を示しただけで何も言わず帰って行った。

「また、来年のハロウィンで!!」

そしてハロウィンの夜が終わった。




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