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閑話 変な客

男が店に入ってきたのは偶然だった。

たまたまさなえが店に張っていた結界…強い願いを持つものしか入れない…の点検するためにほんの数秒解除したときに入ってきたのだ。


そのためその男は本来客ではなかったので、追い返すことにした。


「ごめんなさい、いま開店してないの、間違ってOPENのままになってたようね。」


「嘘だな」

男は断言した。


「どうしてそう思うの?実際店内に何もないでしょ?」

だれが見てもこの店は営業していないようにみえるはずなのになぜ断言できたのかわからなかった。


「俺は武術を修めている。ささいな変化で嘘かどうかも見極められるほどにな」

自信を持って言ってのけたがさなえは困惑していた。


「それにここはただのペットショップになるだけだし、ようのない場所でしょ」


「それも嘘だな」


「ありえない。表情も何も変わらなかったはずよ。わかるわけがない」

さなえはもはや嘘を言っていたことを認めたも同然だったがそれ以上に不思議だった。


「俺の流派は足や腕の動き、表情をみて相手の次の行動や心理状況などを予測するわけではないからな。いかにあんたが従来のやり方を欺瞞する技を身に着けても無意味なのさ」


「なら、どうやっているのか。教えてもらえるかな?」


相手に隠し事をする必要があることも多いさなえは本心を隠すすべに長けていた。それなのに簡単に見抜かれたため、次回同じような相手がいた時のために備える必要があった。


「簡単だ!!おっぱいうそつかない」

冗談を言っている気配が一切なかった。


「は?えっと…ちょっと待って、おっ…ぱい?」

冗談などではないと感じていたが意味が分からない。この客には振り回されっぱなしだ。


「そう、おっぱいだ!足や腕やらといくつも見る必要はない!ただおっぱいの揺れ、張り、形など、ありとあらゆるおっぱいの状況を観察することによって相手の動きはもちろん、極めれば相手の深層心理すらおっぱいは教えてくれるのだ」


「どこのおっぱいド〇ゴンよ!!」

「ほんとありえない。人はバカだと思っていたがこれほどとはね。」

男は救いようがないほどの変態紳士であった。


「そしてお前のおっぱいは、おっと!!」


「死になさい。この変態っ!!」

さなえにだって羞恥心は存在するのだ。おっぱいを連呼し、さらにさなえのおっぱいについて解説しようとした変態に殴りかかるも、たやすくかわしてみせた。


「言ったはずだ!!おっぱい嘘つかないと」

無駄なことはやめたまえと言わんばかりの変態紳士につい切れた。


「もういいわ。来なさい神隠し!!」

何も変化はないように見えた。

しかし男は違った。まるで意識がないようにふらふらしている。


そう、さなえのよんだ神隠しは精神体であり、姿は見えないのであった。

男はそのまま夢遊病者のように店を出ていき、すぐにさなえは結界を念のため強化した。そのおかげか男は今後2度とさなえのまえに姿を現すことはなかった。


「おつかれさま。神隠しありがとう。しかしあんな変態でも私は契約者か契約者が願った結果以外での殺しや、過度の干渉はできないから追い返すしかできなかったよ。」


世の中には不思議な変態たちがいることをしったさなえだった。


神隠しは夢遊病の結果と言われたりもしますがさらにそれが怪の仕業という例で出してみました。

ちなみに男は「剣と魔法とおっぱい無双 」というタイトルで書こうとして挫折した作品の忘れ形見として書かせて頂きました。


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