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二人目の客

新しい話投稿します。

評価、感想お待ちしています。

 新たな客が来た。


長身美形の男であったが激しい恨みの宿った目がなにより目を引き、さなえはおもしいことになりそうと予感し、すぐに話しかけた。


「いらっしゃい。神魔ペットショップへようこそ 歓迎するよ。」


「ここはペットショップなのか?何もないが」

男はいぶかしげに店内を見ながら言う。


「特殊な子ばかりでね 要望を聞いてから連れてくるのさ。」


「そうか。まぁいい、なんにせよ俺には関係ない場所のようだ。邪魔したな。」

そのまま帰ろうとした。


「待ちなよ。話をしようじゃないか。見たところ何か問題を抱えている様子だしね それ、私なら解決できるかもよ」


「解決だと、お前のような小娘にか?しかし、そうだな俺も誰かにこの思いをぶちまけたかったのかもしれん。少しばかり話してやろう」

聞いたところでどうせなにもできないと言わんばかりの言いざまだが話すのも一興と思ったのだろう。


「いや、私見た目はこんなでも、あなたよりずっと年上なんだけど…いいか、聞かせてくれる?」

言うと、男はぽつぽつと今までのことを語りだした。


俺は秋山孝一。システムエンジニア。

働いている会社は大きくはないが、俺は仕事にやりがいを感じていたし、嫁さんももらって幸せだった。


それが昨日、いきなり崩れた。

「あなた 離婚しましょう。」

そう言うと、用意していた離婚届を俺に渡してきた。書類には妻の名前、秋山和葉とあり、本気なのだと悟った。


待ってくれ、なぜなんだ、仕事で家にあまりいられないからかなどと思ったことをいうが、妻は何も言わずにサインしろの一点張り。

到底納得できなかった。だから俺は調べることにした。

妻の攻勢をかわしタあと、次の日すぐに行動を開始した。


最初は興信所など他者を頼ることも考えたが、自分の力で突き止めたかったのだ。

理由はすぐに分かった。噂になっていたのだ、妻が若いツバメを飼っていると。残業、休日出勤多かったのだからいくらでも機会はあっただろう。家で妻を問い詰めると今度はあっさり口を割った。


「しょうがないでしょ。あなたいつもいないし、ずっと一人だったのよ!!全部あなたが悪いのよ!!」

言うだけ言うと妻は部屋を出て行った。俺は追いかけることができなかった。


だれがいけなかったのだろうか。俺か、妻かそれとも顔もわからぬ男か。

わからなかった。

どうしようもなかった。

わからないまま、気づけば俺は離婚届にサインさせられていた。


何も考えらずふらふら歩いていると寂れた店が見え、なんとなく入らないといけない気がした。その思いに身を任せ入ると声をかけられた。


「いらっしゃい。神魔ペットショップへようこそ 歓迎するよ。」


「そうだったのかい でも、嘘はいけないね。何もわからないわけないよ、あなたの眼はそうはいっていない。」

俺が語り終わると彼女はそういった。

わかっていた。

でも考えたくなかった。

好きだったから。

愛しかったから。

その思いをかき消すほどに強く強く殺してやりたいと考えてしまっていたから。

だれが悪いか関係なく、裏切った妻、和葉だけはどうしても許せなかった。

不思議な少女に言われ、おれはその思いに気づかぬふりなどもうできるわけがなかった。


「話は戻るけれど、どうしたい?ここは神魔ペットショップ。あなたの願いに適した子もきっといるよ。ねぇ、あなたは何を願うの?」

そう言い、彼女は笑んだ。









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