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平安霧花  作者: 西園寺 悠里
第二話
9/15

『新しい生活(4)』

「もし、貴族の方がお前を養子に欲しいと言ったら、お前さんはどうしたい?」

義父は突然切り出した。

「突然どうしたのですか?」

最もな疑問である。

「お前さん程の器量なら、身分さえあれば幸せになれる」

「今でも十分幸せです」

「……そう言うと思っていた。幸せになれると云うのは……このような仕事をしなくても、婿をとる事が出来るし、お前さん程の器量なら帝にも御仕えできると云う事じゃ」

「私は、そんなに結婚したいとは思っていませんよ。でも、それってあまり良くない事なのでしょう?お義父様がその方が良いとおっしゃるのであれば、私はそれに従います」

「そうか。―――――――さて、この話は終いじゃ。帰るとしようかの、撫子」

「はい、お義父様」

そして、二人は家の中へと入っていった。



*・゜゜・*:.。..。.:*・'


―――その日の夜の事―――


彼ら――撫子の義父と義母である――は小声で話し合っていた。

撫子の事について、である。

「撫子は、わしの言う事に従うと」

「やはり、出来るだけ外に出した方が…」

「わしは今度、撫子を花見見物に連れて行こうと思っている」

「秋には、都で行われる祭見物ですね」

「貴族の方のお目に()まれば…」

「撫子はきっと今より幸せな生活を送れるでしょう…」


二人の話は(とど)まることを知らずに。


夜は更けていく…。


*・゜゜・*:.。..。.:*・'


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