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平安霧花  作者: 西園寺 悠里
第一話
5/15

『此処は平安時代⁉ (3)』

ーーー撫子が奥の部屋に連れていかれたーーー


*・゜゜・*:.。..。.:*・'


数分後、撫子は居間に戻って来た。

着物を美しく着こなして。

「なかなか似合うじゃないか」

「ありがとうございます」

義母は白い髪紐を取り出すと、

「撫子、後ろを向いておくれ」

と言った。

義母はその紐で撫子の髪を後ろで束ねた。

そして、前髪を綺麗に整える。

「こんな事しか出来なくて悪いねぇ。これからはこの家が撫子の家だ。自由に使いなさい」

「ありがとうございます」

「さてと、私は飯の支度でもするから。何かあったら、じいさんに聞きなさい」

そう言い残すと、義母は(かまど)のところへと行った。

「お父様、私は何をすればよろしいですか?」

「記憶がないと、色々と初めての事もあるだろう。慣れるまでは、特に何かをする必要はない。少しずつ、出来る事を探していけば良いんじゃ」

そう、優しく義父は言った。

「では、お父様の仕事を見てもよろしいですか?」

「構わんよ。ただ、撫子のような若い女子(おなご)がやる仕事ではないだろう。わしらがもう少し裕福だったなら、歌などを勉強し、結婚相手を探すんじゃが…。すまんのぉ…」

「いえ、まだ私は結婚しようなどとは考えておりません」

そう言うと撫子は花が咲くように笑った。

「お父様は、この後、何をなさるのですか?」

「もう冬じゃからな…。(わら)を使って米俵を編もうと思っとるんじゃ」

「米俵…ですか?」

「そろそろ、年貢を納める時期じゃからな。それに間に合うようにしなければならないからの」

「そうですか」

2人は外へと出て行った。

「さぁ、平安時代の生活の始まりね」

撫子は誰にも聞こえないよう、そっと呟いた。


*・゜゜・*:.。..。.:*・'

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