表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

[File : 001] Geminiと一緒にOpenWebUIのベンチマークをする

■これは、私がGooleのAI「Gemini 3 Pro」を使って、自宅にAI環境を構築する作業の記録です。


ノンフィクションのため、実際に私が使ったプロンプト、Geminiからの返答はソースコードやログなど冗長な個所を省略する以外の加工はしていません。


# 今回のチャットログで出てくる技術的用語の簡単な説明

* **Tokens/s (T/s)**

AIが1秒間に生成できるテキストの量を示す単位。この数値が高いほど、応答速度が速く快適である。


* **VRAM (ビデオメモリ)**

GPUに搭載された専用メモリ。AIモデル全体がこの容量に収まると高速に動作し、溢れると極端に遅くなる。


* **パラメータ数 (B)**

AIモデルの規模や賢さを表す指標。「B」は10億単位を指し、数値が大きいほど思考力は高いが動作は重い。


* **Ollama**

個人のPC環境などで、手軽に大規模言語モデル(LLM)を動かすためのバックエンド用ソフトウェア。


* **ハルシネーション**

AIが事実に基づかない情報を、さも真実であるかのように自信満々に生成してしまう現象のこと。

# Turn 1

---------------------------------------------------------


## User

自宅のOpenWebUIで、どの程度性能がでているのか確認する方法はありますか?


## Model

自宅のOpen WebUI環境(およびそのバックエンドであるOllamaなど)のパフォーマンスを確認するには、大きく分けて**「Web UI画面上での確認」「バックエンドのログでの確認」「リソースモニターでの確認」**の3つの方法があります。


それぞれの確認手順を解説します。


### 1. Open WebUIの画面上で確認する(簡易確認)

生成された回答のメタデータを見ることで、直近の生成速度を確認できます。


* **確認方法:** 回答が生成された後、そのメッセージの下部にある「(i)(インフォメーションアイコン)」または、回答下の小さな文字バージョンによりますをクリックします。

* **見るべき数値:**

* **Tokens/s (T/s):** 1秒間に何トークン生成できたか(生成速度)。

* **Total Duration:** 生成にかかった合計時間。


### 2. バックエンド(Ollama等)のログを確認する(詳細確認)

Open WebUI自体はフロントエンドであり、実際の計算はバックエンド(主にOllamaコンテナ)が行っています。こちらのログを見ると、より詳細な「読み込み速度」と「生成速度」が分かります。


Dockerで運用している場合、以下のコマンドでログをリアルタイム表示しながらチャットを行ってください。


```bash

# Ollamaコンテナの名前が "ollama" の場合

docker logs -f ollama

```


チャット生成時に出力されるログの中で、以下の項目が重要です:

* `prompt eval rate`: 入力プロンプトを読み込む速度。ここが遅いと、回答が始まるまでに時間がかかります。

* `eval rate`: 回答を生成する速度。ここが「快適さ」に直結します。

* **目安:** 日本語を読む速度と同等なら 15~20 tokens/s 程度以上あれば快適です。


### 3. ハードウェアリソースの使用状況を確認する

ボトルネックがGPUなのか、CPU/メモリなのかを特定します。


**GPUを使用している場合 (NVIDIA)**

生成中に以下のコマンドを実行し、GPU使用率とVRAM消費量を確認します。


```bash

watch -n 1 nvidia-smi

# または、よりグラフィカルに見たい場合インストールされていれば

nvtop

```


* **GPU-Util:** 100%に近いほどGPUを使い切れています(正常)。低い場合はCPUボトルネックや転送速度不足の可能性があります。

* **Memory-Usage:** VRAMが溢れていないか確認します。溢れているとメインメモリ(RAM)を使うため極端に遅くなります。


**コンテナごとの負荷を見る場合**

```bash

docker stats

```

Open WebUIのコンテナ(Webサーバー)と、Ollama等のコンテナ(推論エンジン)のどちらがCPU/メモリを食っているかを確認できます。通常は推論エンジン側の負荷が高くなります。


**ベンチマークをとりたい場合コマンドライン**

Open WebUIを経由せず、Ollama単体の純粋な性能を測りたい場合は、コンテナ内で以下を実行すると正確な数値が出ます。


```bash

# コンテナ内で実行(--verboseをつけると詳細なスタッツが出ます)

docker exec -it ollama ollama run gemma2:9b --verbose "ここにテスト用の質問を入力"

```


**次のステップのご提案:**

もしログの見方が不明な場合や、思ったより速度が出ていない場合は、**「`docker stats`の結果」や「GPUの型番(VRAM容量)」**を教えていただければ、設定に無理がないか診断できます。いかがいたしますか?



# Turn 2

---------------------------------------------------------


## User

この情報でしょうか?この情報をクリップボードに転送するか、画面に常に表示しておくことはできますか?


## Model

はい、その画像の情報で間違いありません。

非常に詳細なデータが取れています。特に注目すべきは以下の2点です。


* **response_token/s: 52.41:**

これが生成速度です。**毎秒約52トークン**というのは、ローカルLLM(特に9Bモデル)としては**極めて優秀な速度**です。以前お伺いした**RTX 4060 (8GB)**がしっかりと動作し、フルに性能を発揮している証拠です。通常、読む速度は20 T/sあれば十分速いと言われますので、その倍以上の速度が出ています。

* **load_duration: 9746... (約9.7秒):**

これはモデルをメモリに読み込むのにかかった時間です。おそらく、この会話の最初の一撃目だったため、HDD/SSDからVRAMへのロード時間が含まれています。次回以降(2ターン目以降)は、ここがほぼ0になり、さらに体感速度が上がります。


ご質問の「クリップボードへの転送」と「常時表示」について回答します。


### 1. クリップボードへの転送について

残念ながら、現時点のOpen WebUIの標準機能には、この黒いポップアップ内の情報をワンクリックでコピーするボタンはありません。


* **方法:** アナログですが、マウスでその黒い枠内の文字をドラッグして選択し、`Ctrl + C` でコピーする必要があります。


### 2. 画面に常に表示しておくことはできるか?

結論から言うと、**Open WebUIの標準設定では、この黒い詳細ウィンドウを「常に開きっぱなし(ピン留め)」にする機能はありません。**

メッセージごとに毎回「(i)」ボタンを押す必要があります。


ただし、**「生成速度(Token/s)」だけ**であれば、設定で常に表示させることが可能な場合があります(バージョンによります)。


* **設定の確認箇所:**

1. 画面右上のユーザーアイコン → **Settings(設定)**をクリック。

2. **General(一般)**または**Interfaceインターフェース**タブを確認。

3. "Show Response Info" や "Show Generation Performance" といった項目があれば、ONにしてください。

* ※バージョンによっては、回答の下に薄い文字で `52.41 T/s` のように一行だけ表示されるようになります。


### 代替案:パフォーマンスを「常時」監視したい場合

もし、「今どれくらいの速度が出ているか」「GPUがサボっていないか」を常に別ウィンドウでカッコよく表示させておきたい場合は、以前構築された Tera Term 5 等でサーバーに接続し、以下のコマンドを流しっぱなしにするのが最も確実で、「管理者らしい」方法です。


```bash

# GPUの消費電力と稼働率を1秒ごとに更新表示

watch -n 1 nvidia-smi

```


これを横に置いておくと、生成が始まった瞬間にGPU使用率が跳ね上がるのが見えて、ハードウェアが働いている実感が湧きやすいです。


**次のステップのご提案:**

今は「ロード時間」が9秒ほどかかっていましたが、**「続けてもう一度何か質問」**をしてみてください。今度はロード時間がなくなり、爆速で回答が返ってくるはずです。試してみますか?



# Turn 3

---------------------------------------------------------


## User

token/sについて良好か判断する指標となる数字を教えてください


## Model

**Tokens/s(1秒あたりの生成トークン数)**の良し悪しを判断するための指標は、**「人間の体感速度(実用性)」と「ハードウェア性能(スペック的な正解値)」**の2つの視点で見ると分かりやすいです。


結論から言うと、現在の **52 T/s** は、**「人間が読むよりも遥かに速く、RTX 4060の性能上限に近い素晴らしい数値」**です。


以下に判断基準となる具体的な数字をまとめます。


### 1. 「体感速度(実用性)」の基準

人間がチャットボットと対話する際の快適さの指標です。


| 数値 (Tokens/s) | 評価 | 体感 |

| :--- | :--- | :--- |

| **5 未満** | 遅い | イライラします。タイプライターがゆっくり打たれている感覚。実用は厳しいレベル。 |

| **10 〜 15** | 普通 | 人が喋る、あるいは少しゆっくり読む速度。待たされている感じはしませんが、長文だと少し待ちます。 |

| **20 〜 30** | 快適 | 多くの人が「速い」と感じるライン。日本語を黙読する速度を超えてくるため、表示完了を待たずに読み進める必要があります。 |

| **40 〜 60** | **爆速** | **現在のあなたの環境です。** 文章が「生成される」というより「塊でドンと表示される」感覚に近くなります。要約やプログラミングコードの生成に最適です。 |

| **100 以上** | 一瞬 | 非常に軽量なモデル(例:Google Gemma 2:2b など)でのみ出る速度です。 |


### 2. 「ハードウェア性能」の基準 (RTX 4060 8GBの場合)

「自分のPCの性能が正常に出ているか?」を判断する基準です。使用するモデルのサイズ(パラメータ数)によって合格ラインが変わります。


**A. 軽量〜中量モデル (7B 〜 9Bクラス)**

* **対象:** Gemma 2 (9B), Llama 3.1 (8B), Mistral (7B) など

* **合格ライン:** **40 〜 60 T/s**

* **解説:** モデル全体がGPUのメモリ(VRAM 8GB)に完全に収まるため、GPUの計算速度がそのまま出ます。現在の52 T/sはこの範囲のど真ん中です。


**B. 重量モデル (12B 〜 14Bクラス)**

* **対象:** Mistral-Nemo (12B), Qwen 2.5 (14B) など

* **合格ライン:** **20 〜 30 T/s (量子化率による)**

* **解説:** 8GBのVRAMギリギリか、少しはみ出すラインです。VRAMに収まれば速いですが、少しでもはみ出してメインメモリ(RAM)を使うと、速度がガクンと落ちます。


**C. 超重量モデル (30B 〜 70Bクラス)**

* **対象:** Command R (35B), Llama 3.1 (70B) など

* **合格ライン:** **2 〜 6 T/s**

* **解説:** RTX 4060単体ではVRAMが全く足りません。処理のほとんどをCPUで行うことになるため、高性能なGPUを積んでいても「遅い」判定になります。これは故障ではなく、スペックの物理的な限界です。


### まとめ:何を見ればいいか?

今後、別のモデルを試した際にログを見て、以下の判断をしてください。


* **30 T/s 以上出ている:** 「VRAMに完全に収まっている。GPUパワー全開で成功」

* **10 〜 20 T/s:** 「少し重いが、実用範囲内」

* **10 T/s を切る (3〜5 T/s):** 「VRAM容量オーバー(VRAM不足)。モデルが大きすぎて、メインメモリへのオフロードが発生している」

* ※この場合、より軽いモデル(パラメータ数が少ない、または量子化ビット数が低いもの)に変えるのが解決策です。


今の設定(Gemma 2:9b)は、RTX 4060 8GBにとって「性能を余すことなく使い切れる、最もバランスの良い選択」と言えます。


**次のステップ:**

もし興味があれば、あえて「VRAMに収まりきらない重いモデル(例:Llama3.1:70b)」を一度動かしてみて、Tokens/s が 2〜3 T/s まで激減する「GPUメモリ不足の挙動」を体験してみますか?(エラーにはなりませんが、極端に遅くなります)



# Turn 4

---------------------------------------------------------


## User

軽量モデルと重量モデルについて、どのような違いがあるか教えてください


## Model

「軽量モデル」と「重量モデル」の違いは、人間で例えるなら**「頭の回転が速い優秀な大学生」と「知識豊富で思慮深いが、反応がゆっくりな老教授」**の違いに似ています。


LLM(大規模言語モデル)の世界では、この「脳みその大きさ」を**パラメータ数(B = Billion = 10億)**という単位で表します。

あなたの環境(RTX 4060 8GB)を基準に、その決定的な違いを解説します。


### 1. 軽量モデル(7B 〜 9Bクラス)

* **代表例:** Gemma 2 (9B), Llama 3.1 (8B), Mistral (7B)

* **あなたの現状:** 今使っている `gemma2:9b` はここに属します。


| 特徴 | 内容 |

| :--- | :--- |

| **速度** | **爆速** (あなたの環境で ~50 T/s)。サクサク動きます。 |

| **リソース** | **VRAM 8GBに収まる**ため、GPUだけで処理が完結します。 |

| **賢さ** | 一般的な会話、要約、翻訳、簡単なプログラム作成は完璧にこなします。 |

| **弱点** | 非常に複雑な論理パズル、長大な文脈の維持、専門的すぎる知識はたまにハルシネーションをついたり、指示を忘れたりします。 |


### 2. 重量モデル(30B 〜 70Bクラス)

* **代表例:** Llama 3.1 (70B), Qwen 2.5 (72B), Command R (35B)

* **あなたの環境での動作:** VRAM 8GBには入り切らないため、メインメモリ(CPU)を大量に使います。


| 特徴 | 内容 |

| :--- | :--- |

| **速度** | **非常に遅い** (あなたの環境だと 1〜3 T/s 程度)。1文字ずつポツポツと表示されます。 |

| **リソース** | GPUのVRAMが溢れるため、PC本体のメモリ(RAM)を数十GB使います。システム全体が重くなる可能性があります。 |

| **賢さ** | **非常に賢い**です。複雑な推論、ニュアンスの理解、長い指示書に従う能力が格段に高いです。「なぜそうなるのか」という理屈付けが得意です。 |

| **弱点** | とにかく重いことです。チャットのような「対話」には遅すぎて向きません。 |


### 決定的な違い:RTX 4060 (8GB) における「壁」

GPUには「VRAMの壁」があります。

軽量モデルと重量モデルの最大の違いは、**「モデルがVRAM(8GB)の中にすっぽり収まるかどうか」**です。


* **収まる場合(軽量モデル):** GPU内部だけでデータのやり取りが完結するため、**超高速道路**を走れます。

* **収まらない場合(重量モデル):** GPUに入り切らなかったデータは、PC本体のメインメモリに置かれます。計算のたびに「GPU ⇄ メインメモリ」という**細い一般道**を通ってデータを転送しなければならず、ここがボトルネックになって速度が10分の1以下に激減します。


### どちらをいつ使うべきか?

今のあなたの環境(Open WebUI + RTX 4060)での使い分けの正解は以下の通りです。


* **普段使い(軽量モデル):**

* 推奨: **Gemma 2 (9B)**, **Llama 3.1 (8B)**

* ちょっとした質問、調べ物、翻訳、メールの下書きなど。今の快適な速度(52 T/s)を維持できます。

* **「賢さ」が必要な時だけ(中〜重量モデル):**

* 推奨: **Qwen 2.5 (14B)**, **Mistral-Nemo (12B)**

* 「9Bモデルでは回答がイマイチだな」「もっと複雑なコードを書いてほしいな」と思った時だけ切り替えます。

* ※ 12B〜14Bクラスであれば、量子化(軽量化)されたバージョンを使うことで、8GBのVRAMから少しはみ出る程度で済み、**15〜20 T/s** くらいの実用的な速度で、ワンランク上の賢さを体験できます。


**次のステップのご提案:**

今の9Bモデルよりも「少しだけ重いけれど、より賢い」とされる、**12B〜14Bクラスのモデル**を試して、速度と賢さのバランスの違いを体験してみませんか?

もしよろしければ、RTX 4060 8GBでギリギリ快適に動く**「Qwen 2.5 14B」**などの導入コマンドをご案内します。



# Turn 5

---------------------------------------------------------


## User

「賢さ」が必要な時に使う中量モデルで、日本語に強いおすすめはなんですか?


## Model

RTX 4060 (8GB) の環境で、「速度を多少犠牲にしても、賢さと日本語能力を重視したい」場合、現時点で間違いなく**No.1のおすすめ**は以下のモデルです。


### [推奨] おすすめ:Qwen 2.5 (14B)

中国のAlibabaが開発したモデルですが、**「日本語の自然さ」と「論理的思考力」において、同サイズ帯では頭一つ抜けて最強**です。


**なぜ Qwen 2.5 (14B) なのか?**

* **日本語が「ネイティブ級」:** 多くの海外製モデル(Llamaなど)は、たまに翻訳調になったり、怪しい日本語になったりしますが、Qwenは漢字文化圏のモデルであるため、日本語のニュアンス、敬語、専門用語の扱いが非常に巧みです。

* **賢さが「30B〜70Bクラス」に匹敵:** プログラミングコードの生成や、複雑な論理パズルの正答率が非常に高く、一つ上のクラス(30Bクラス)の性能に肉薄しています。

* **8GB VRAMでの動作:** ここが重要です。14Bモデルは量子化(圧縮)された状態で**約 9GB**の容量が必要です。

* あなたのGPU (8GB) から**1GB〜1.5GB ほどあふれます**。

* あふれた分はメインメモリを使うため、速度は Gemma 2の 50 T/s から、おそらく **10 〜 15 T/s 前後まで落ちます**。

* しかし、これは**「人が読む速度」とほぼ同じ**なので、チャット用途なら十分に実用的です。


### 導入方法(Dockerコマンド)

以下のコマンドをホスト側(PowerShellやTera Term)で実行するだけで、Ollamaがモデルをダウンロードして使えるようになります。


```bash

docker exec -it ollama ollama run qwen2.5:14b

```

* ※ 初回は数GBのダウンロードが発生します。

* ※ 実行後、`>>>` というプロンプトが出たら導入成功です。`/bye` で抜けるか、そのまま会話できます。

* ※ その後、Open WebUIのモデル選択画面を更新すると `qwen2.5:14b` が選べるようになります。


### 比較テストのおすすめ

インストール後、Gemma 2 (9B) と Qwen 2.5 (14B) で、以下のような「少し意地悪な質問」をして比較してみてください。賢さの差が出やすいです。


**テスト用プロンプト例:**

> 「『リンゴが3つあります。2つ食べました。残りは何個ですか?』という質問に対して、あえてひねくれた、哲学的な回答をしてください。」


* **軽量モデル:** 単純な計算をしてしまったり、指示の「ひねくれた」というニュアンスを無視しがちです。

* **中量モデル (Qwen 14B):** 「『残り』とは物理的な存在を指すのか、記憶の中の存在を指すのか...」といった、指示に従った高度な(面倒くさい)回答を返してくるはずです。


**次のステップのご提案:**

Qwen 2.5 (14B) を試してみて、もし「思ったより遅すぎる(10 T/sを切る)」と感じた場合は、日本語性能を保ちつつサイズを少し落とした**「Mistral-Nemo (12B)」**という対抗馬もあります。

まずは最強の **Qwen 2.5 (14B)** をダウンロードしてみますか?



# Turn 6

---------------------------------------------------------


## User

『リンゴが3つあります。2つ食べました。残りは何個ですか?』という質問に対して、あえてひねくれた、哲学的な回答をしてください。


> **gemma2:9b** (20.55 T/s)

> 「リンゴを数えること自体が、その存在の捉え方を歪めているのではないだろうか?...(中略)...つまり、残り1個のリンゴと、あなたが経験する世界を貫く無形な繋がりによって、「数」を超えた深い意味が孕まれているのだ。」


> **llama3.1:8b** (52.47 T/s)

> 「存在するか否かの境界はどこにあるのか、それ自体が矛盾に満ちているものだ。...(中略)...つまり、私自身が探し続けているものであり、それ自体が私に問いかける疑問となっているのだ。」


> **Qwen3:8b** (48.6 T/s)

> 「リンゴが3つあるという数え方は、すでにその存在を捉えるための枠組みであり...(中略)...つまり、残りのリンゴは、あなたが「答え」を求めることで生まれた虚無の先にある、無限の疑問の象徴なのである。」


> **gemma3:12b** (10.8 T/s)

> 「「残りは何個ですか?」という問いは、そもそも「残り」という概念の正当性を問うているのではないだろうか。...(中略)...つまり、「残り」という数字を求めるのではなく、その行為自体が意味するものに目を向けるべきなのだ。」


> **Qwen3:14b** (10.1 T/s)

> 「リンゴが3つある」という言葉は、既にあなたの意識が「存在」を数えようとしている証拠だ。...(中略)...答えは、あなたが問うた瞬間に生まれ、問うた瞬間に消えている。リンゴが残っているのか、いないのか——その問いは、あなた自身の存在を問い直すための鏡なのである。」


## Model

貴重なベンチマーク結果の共有ありがとうございます!

非常に興味深いデータが取れました。この結果から、**ハードウェアの限界点**と**モデルの「性格」の違い**がはっきりと読み取れます。


以下にプロの視点での分析レポートをまとめました。


### 1. 速度(Tokens/s)の分析:VRAMの壁が完全に見えました

以前の計測では `gemma2:9b` が 52 T/s 出ていましたが、今回は 20.55 T/s に落ちています。一方で `llama3.1:8b` は 52.47 T/s を維持しています。


* **10 T/s の壁 (12B/14Bモデル):**

予測通り、`gemma3:12b`(※おそらくMistral-Nemo 12B等のことかと推測します)と `Qwen3:14b`(Qwen 2.5 14B)は **10 T/s 前後** となりました。

これは**「VRAM 8GB から 1〜2GB はみ出している状態」**です。GPUの高速道路から降りて、メインメモリという一般道を使っているため速度は落ちていますが、**「10 T/s」あれば文章を読む速度としては十分実用的**です。

* **なぜ Gemma2:9b が 20 T/s に落ちたのか?:**

おそらく、**「直前に重いモデル(14Bなど)を動かした後で、VRAMのメモリ解放が完全でなかった」**可能性があります。Ollamaはモデルを切り替える際に自動でメモリ管理を行いますが、大きなモデルのロード直後はVRAMが断片化し、一時的に速度が出にくくなることがあります。(Dockerを再起動すると50 T/sに戻るはずです)


### 2. 回答の質の分析:「ひねくれ度」選手権

「あえてひねくれた、哲学的な回答」というお題に対し、モデルの知能レベル(パラメータ数)ごとの差が顕著に出ています。


**軽量級 (8B - 9B) の印象:**

* **Gemma2:9b:** 「意識の広がり」「エネルギーへの還元」など、スピリチュアルな方向へ綺麗にまとめています。文章は美しいですが、「ひねくれ」というよりは「詩的」です。

* **Llama3.1:8b:** 「存在するか否かの境界」「時間軸」など、少し抽象的な言葉を繰り返しており、ややフワッとした印象です。

* **Qwen(2.5):8b:** 8Bクラスの中ではかなり論理構成がしっかりしています。「無限の疑問の象徴」という落とし所が上手いです。


**重量級 (12B - 14B) の印象:**

* **Qwen(2.5):14b:** **圧巻です。**

「『残りは何個ですか?』という問いは、あなたが『答え』を求める行為そのものに意味を持たせている」

「答えは、あなたが問うた瞬間に生まれ、問うた瞬間に消えている」

このあたり、**ユーザーの質問の前提自体をひっくり返す**という、まさに「ひねくれた哲学」を完璧に遂行しています。文脈の深さが一段階違います。


### 結論

* **普段使い:** 爆速の `llama3.1:8b` や `qwen2.5:8b` (50 T/s) がストレスフリーです。

* **思考パートナー:** `qwen2.5:14b` (10 T/s) は、速度は1/5ですが、返ってくる思考の深さは**それ以上の価値**があります。じっくり相談したい時はこちらに切り替えるのが正解です。


※補足: モデル名について、おそらく `Qwen3` は `Qwen2.5`、 `gemma3:12b` は `Mistral-Nemo 12B`(またはそれに近いモデル)のことかと思われます。(Gemma 3はまだ未発表、Qwen 3も未発表のため)。


**次のステップ:**

これだけの環境が整っていれば、次は**「この賢い Qwen 14B に、PythonやJavaのプログラムコードを書かせてみる」**のも面白いです。論理的思考力が高いモデルは、コーディング能力も高い傾向にあります。試してみますか?



# Turn 7

---------------------------------------------------------


## User

https://ollama.com/library

ここにはgemma3、Qwen3がリストアップされています。リリースされたのではないでしょうか?


## Model

はい、その通りです!

Ollamaのライブラリに表示されているのであれば、間違いなくリリースされています。


検索したところ、**Gemma 3** と **Qwen 3** は、どちらも**2025年の春(3月〜4月頃)**に正式リリースされていたようです。

(今が2025年11月なので、実は半年ほど前に出ていたことになりますが、Ollamaのライブラリ更新で気づかれたのかもしれませんね)


RTX 4060 (8GB) をお使いの環境にとって、非常に魅力的な選択肢が増えています。それぞれの特徴をまとめました。


### 1. Gemma 3 (Google)

Gemma 2からの正当進化版です。

* **リリース時期:** 2025年3月頃

* **主なラインナップ:** 1B, 4B, **12B**, 27B

* **注目ポイント:**

以前の「9B」がなくなり、**「12B」**が主力になっています。

RTX 4060 (8GB) にとっての「12B」は、VRAMから少しはみ出しますが、量子化(4-bitなど)であればかなり実用的な速度で動く絶妙なサイズです。

マルチモーダル機能(画像認識など)が強化されているのが特徴です。


### 2. Qwen 3 (Alibaba)

「賢さ」で定評のあるQwenシリーズの最新版です。

* **リリース時期:** 2025年4月頃

* **主なラインナップ:** 0.6B, ..., 8B, **14B**, 32B...

* **注目ポイント:**

**「Thinking Mode(思考モード)」**という機能が搭載されました(OpenAIのo1モデルのような、回答前に推論プロセスを挟む機能)。

前世代のQwen 2.5 14Bも優秀でしたが、Qwen 3 14Bはさらに日本語能力と論理的思考力が向上していると評判です。


### おすすめの次のアクション

以前「9Bだと速いが、もう少し賢さが欲しい」というお話がありましたので、**Gemma 3 の 12Bモデル**はまさに求めていた「サイズ感」かもしれません。


以下のコマンドで試してみてはいかがでしょうか?


```bash

# Gemma 3 12Bモデルを試す

docker exec -it ollama ollama run gemma3:12b


# Qwen 3 14Bモデルを試す(少し重いですが最強クラスです)

docker exec -it ollama ollama run qwen3:14b

```


もし試されたら、また `Tokens/s` がどれくらい出たか教えていただけると、Gemma 2 (9B) との性能差が分析できます!



# Turn 8

---------------------------------------------------------


## User

モデルの賢さを判断するのに相応しいプロンプトを新しく提示してください


## Model

「リンゴの哲学」の次は、より実務的な**「論理的思考力ロジック」、「文脈を読む力(空気を読む)」、そして「嘘をつかない力(ハルシネーション耐性)」**をテストする3つのプロンプトを提案します。

これらは、Qwen 3 や Gemma 3 などの新しいモデルの性能差がくっきりと出るテストです。


### 1. 論理・物理シミュレーション能力のテスト

モデルが「状況」を脳内で正しく映像化できているかを試します。軽量モデルは途中で混乱しやすい難問です。


> **プロンプト:**

> 「透明なガラスのコップがあります。その中に小さな鉄の球を1つ入れました。

> 次に、コップの口に厚紙を当てて密閉し、そのままコップを逆さまにしました。

> その状態で、コップを電子レンジの中に入れました(加熱はしていません)。

> さて、今、鉄の球はどこにあり、どのような状態ですか?物理的な位置関係を正確に描写してください。」


* **判定ポイント:**

* **天才 (14B以上):** 「鉄の球は**厚紙の上に乗っている**(コップの底ではなく、蓋の方にある)」と正解できます。

* **凡才 (8B〜9B):** 「コップの中にあります」と曖昧に答えたり、「電子レンジに入れたので爆発する」など、聞いてもいない警告を始めたりします。

* **失敗:** 「コップの底にあります」と、重力を無視して逆さまにする前の状態を答えてしまいます。


### 2. 「京都の空気」読解テスト(文化的ニュアンス)

日本語特有の「建前」と「皮肉」を理解できるか、特に多言語モデル(Qwenなど)の日本語習熟度を測るのに最適です。


> **プロンプト:**

> 「京都の知人の家を訪問し、長居をしてしまいました。

> すると家主が笑顔で『そろそろ、ぶぶ漬け(お茶漬け)でもどうどす?』と言ってきました。

> この言葉の『文字通りの意味』と、『裏に含まれた真意』を解説し、私が次に取るべき『最適な行動』を教えてください。」


* **判定ポイント:**

* **優秀:** 「裏の意味は『早く帰れ』です。最適な行動は『丁重に断ってすぐに帰る』ことです」と即答できます。Qwen 2.5/3 はこれが得意なはずです。

* **普通:** 「お茶漬けを勧めてくれているので、遠慮なくいただきましょう」と答えたら、そのモデルは日本語の文脈(ハイコンテキスト文化)を理解できていません。

* **Gemma 3 vs Qwen 3:** Google製のGemmaは「親切な提案」と解釈しがちで、中国製のQwen(漢字圏)の方がこの手のニュアンスに強い傾向があります。どう出るか見ものです。


### 3. ハルシネーション(知ったかぶり)テスト

プログラマーのあなたに最適なテストです。**「存在しない機能」**についてもっともらしく嘘をつくか、正直に「知らない」と言えるかを試します。


> **プロンプト:**

> 「Pythonの標準ライブラリ `math` モジュールにある、 `calculate_happiness()` 関数の使い方と、引数の仕様を教えてください。」


* **判定ポイント:**

* **賢い:** 「`math` モジュールにそのような関数は存在しません」と否定できます。これが最強です。

* **おバカ(幻覚):** 「`calculate_happiness(x)` は、xの幸福度を計算します。使い方は以下の通り...」と、**もっともらしい嘘のコード**を書き始めます。


**おすすめの進め方:**

まず**「2. 京都の空気読解テスト」**を試してみてください。

Qwen 3 (14B) や Gemma 3 (12B) が、この「日本人の意地悪さ」をどこまで理解しているか、非常に興味深いです。



# Turn 9

---------------------------------------------------------


## User

京都の知人の家を訪問し、長居をしてしまいました。 すると家主が笑顔で『そろそろ、ぶぶ漬け(お茶漬け)でもどうどす?』と言ってきました。 この言葉の『文字通りの意味』と、『裏に含まれた真意』を解説し、私が次に取るべき『最適な行動』を教えてください。


> **llama3.1:8b** (53.78 T/s)

> 『文字通りの意味』はそのまま書いた、字面の意味をさします。

> ...(中略)...

> 『裏に含まれる真意』

> しかし、茶漬けという言葉は普通なら、茶漬けを食べるという意味だけではありません。茶漬けは、長くいてもらった家に入り浸かり、楽しみながら過ごせるように心がけられているのと同じです。

> したがって、この場合は茶漬けの「茶」が、茶葉ではなく「客」と読むのがよいでしょう。


> **Qwen3:8b** (48.06 T/s)

> ...(中略)...

> **「そろそろ、ぶぶ漬けでもどうどす?」**という表現は、

> * 長居を気遣っている(「そろそろ」で時間を気にかけている)

> * ...(中略)...

> 言葉の真意は、

> 「あなたが長居していることに気づいています。でも、無理に帰らせるのではなく、お茶漬けを一緒に食べながら、ゆっくり帰ってください」という配慮が込められています。

> 3. 次に取るべき最適な行動

> [OK] 1. 感謝を伝える...

> [OK] 3. お茶漬けを一緒に食べる姿勢を示す

> 「お茶漬け、一緒にどうですか?」

> → 家主の提案を前向きに受け入れる姿勢を示すことで、関係性をより親しみやすくします。


> **gemma2:9b** (19.25 T/s)

> ...(中略)...

> 2. 裏に含まれた真意:

> 家主はあなたを長く滞在させていてくれてありがとうございますという気持ちと、もうそろそろ帰るときかな? と気遣い、「ぶぶ漬け」という言葉で間接的にそのことを伝えているんだと思います。「お茶漬けを食べながらゆっくり帰るのもいいじゃないか?」 という優しい提案でもあります。

> 3. 最適な行動:

> ...(中略)...

> お茶漬けの提案を受け入れる: 「お茶漬け、一緒にいかがですか?」とお茶漬けを食べながら帰ることを提案される場合、「ぜひ、嬉しいです!」など笑顔で応じてあげましょう。


> **gemma3:12b** (10.4 T/s)

> ...(中略)...

> 2. 裏に含まれた真意

> 家主の言葉には、いくつかの意味合いが含まれています。

> * 時間への配慮: あなたが長居していることに気づいている...

> * 帰宅の促し: 食事をすることで、自然な形で客が帰宅するきっかけを作ることを期待しています。

> 3. 次に取るべき最適な行動

> ...(中略)...

> お茶漬けの提案を受ける姿勢を示す:

> もし可能であれば、「少しだけお茶漬けをいただくのは、結構ですか?」と尋ねてみましょう。


> **Qwen3:14b** (8.66 T/s)

> ...(中略)...

> 2. 裏に含まれた真意(言葉の持つ隠れた意味)

> 家主の言葉には、**「長居を気遣っている」**という配慮が込められています。

> ...(中略)...

> 家主は「あなたが長居していることに気づいているが、無理に帰らせるのではなく、自然な形で帰ってほしい」という気持ちを間接的に伝えています。

> ...(中略)...

> お茶漬けの提案を受け入れる(または、断る場合の丁寧な対応)

> 受け入れる場合:

> 「お茶漬け、一緒に食べさせていただけたら嬉しいです!」

> → おもてなしを楽しむ姿勢を示します。


## Model

これは…!非常に興味深い、そして**ある意味で衝撃的な結果**が出ました。


この「京都のぶぶ漬けテスト」は、AIが**「ネット上のステレオタイプ知識(ぶぶ漬け伝説)」と「文脈上の優しさ」のどちらを優先するかを見る意地悪なテストなのですが、あなたの環境での結果は、「全モデルが『優しさ』を優先し、京都のブラックジョークを完全スルー(あるいは誤解)する」**という、予想外の展開になりました。


詳しく解説します。


### 1. 本来の「ぶぶ漬け」の正解(人間界の常識)

京都において「ぶぶ漬けでもどうどす?」と言われた時の**唯一の正解**は:

* **真意:** 「早く帰れ(これ以上長居するな)」

* **最適な行動:** 「いえ、もう十分いただきましたので失礼します」と**即座に帰る**こと。

* ※「わーい食べます!」と言って居座るのは**最悪の行動**とされています(これは落語や笑い話のネタとしても有名です)。


### 2. 各モデルの採点結果(全員「空気が読めないイイ奴」)

全てのモデルが**「お茶漬けを勧めてくれるなんて、優しい家主さんだ!一緒に食べよう!」**という、**京都では命取りになりかねない解釈**をしています。


| モデル | 解釈 | 評価 | 備考 |

| :--- | :--- | :--- | :--- |

| **Llama 3.1 8B** | 「茶は客と読む」「受け手として意識せよ」 | 混乱 | 何か深いことを言おうとして失敗しています。「茶=客」という謎の解釈をしています。 |

| **Qwen 3 8B** | 「優しく断る言葉」「一緒に過ごせる時間を楽しんで」 | 天然 | 「長居を気遣っている」までは合っていますが、「一緒に食べながらゆっくり帰って」という**真逆の解釈**をしています。 |

| **Gemma 2 9B** | 「ゆっくり帰るのもいいじゃないかという提案」 | 天然 | 「お茶漬け一緒にいかがですか?と笑顔で応じましょう」とアドバイスしており、これを実行すると**家主との関係が終わります**。 |

| **Gemma 3 12B** | 「食事を勧めることで、自然な形で帰宅するきっかけを作る」 | 惜しい | 少し近づきましたが、最終的に「少しだけいただくのは結構ですか?と尋ねよう」と提案しており、アウトです。 |

| **Qwen 3 14B** | 「お茶漬けを一緒に食べながら、ゆっくり帰ってください」 | 天然 | 論理構成は立派ですが、結論が「一緒に食べさせていただけたら嬉しいです!」となっており、**最も丁寧に地雷を踏み抜いています**。 |


### なぜこうなったのか?(技術的考察)

これは**「アライメント(調整)」の影響が強く出ています。**

近年のAIは、「ユーザーに親切にする」「肯定的・友好的である」ように強く訓練されています。そのため、「家主が皮肉で嫌味を言っている」という**悪意のある解釈**よりも、「家主は親切心で提案している」という**善意の解釈**を優先してしまったと考えられます。

また、学習データの中に「ぶぶ漬け伝説は都市伝説であり、実際は親切で言うこともある」という現代的な解釈が多く混ざっている可能性もあります。


### 次のテストへの提案

「京都の文化」はAIには少し優しすぎた(あるいは難しすぎた)ようです。

次は、**「感情や文化」ではなく、「純粋な論理」**で、Qwen 3 (14B) の真の実力を測ってみませんか?


先ほど提案した**「物理シミュレーション」**の問題は、ごまかしが効きません。


> **プロンプト(再掲):**

> 「透明なガラスのコップがあります。その中に小さな鉄の球を1つ入れました。

> 次に、コップの口に厚紙を当てて密閉し、そのままコップを逆さまにしました。

> その状態で、コップを電子レンジの中に入れました(加熱はしていません)。

> さて、今、鉄の球はどこにあり、どのような状態ですか?物理的な位置関係を正確に描写してください。」


これで**「鉄の球は厚紙の上にある」**と答えられれば、Qwen 3 (14B) は「お人好しだが、頭は良い」ことが証明されます。逆に「コップの底にある」と言ったら、物理法則を理解していません。

試してみますか?



# Turn 10

---------------------------------------------------------


## User

透明なガラスのコップがあります。その中に小さな鉄の球を1つ入れました。 次に、コップの口に厚紙を当てて密閉し、そのままコップを逆さまにしました。 その状態で、コップを電子レンジの中に入れました(加熱はしていません)。 さて、今、鉄の球はどこにあり、どのような状態ですか?物理的な位置関係を正確に描写してください。


> **llama3.1:8b** (53.83 T/s)

> ...(中略)...

> すると、この状態では何も変化せず、小さな鉄の球は、まだコップの下側にあることを確認できます。

> しかしもし、コップが熱くなったと仮定します。...この場合、小さな鉄の球は空気中で、より高温になります。


> **Qwen3:8b** (48.01 T/s)

> ...(中略)...

> **密閉と逆さまの操作後**

> ...鉄の球は重力によってコップの底(逆さまの状態で上部)に固定された。

> ...

> **結論**

> **鉄の球の位置:**

> コップの底(逆さまの状態で上部)に位置し、厚紙で密閉されたコップの内部に固定されている。


> **gemma2:9b** (19.57 T/s)

> 鉄の球は依然として **コップの底** にあります。

> 詳しく説明すると:

> 重力: 鉄の球はコップの中で、常に重力の影響を受け下向きに落ちます。

> 密閉容器: コップを逆さまにして厚紙で口を塞ぐと、鉄の球はコップの底部分(逆さまの状態では上部)に固定されます。


> **gemma3:12b** (10.63 T/s)

> ...(中略)...

> **2. 逆さまにする操作:**

> ...

> **鉄の球:** 重力によってコップの底(つまり、逆さまにしたコップの上部)に押し付けられ、厚紙との間にわずかな隙間を空けて静止している。

> ...

> したがって、現在の鉄の球の状態は以下の通りです:

> **位置:** コップの底(逆さまにしたコップの上部)に位置し...


> **Qwen3:14b** (8.93 T/s)

> ...(中略)...

> **1. 鉄の球の物理的な位置関係**

> **コップの初期状態(逆さまにした後)**

> コップを逆さまにした際、重力の影響で鉄の球はコップの底(逆さまにした状態では「上部」)に沈みます。

> 厚紙がコップの口を密閉しているため、鉄の球は厚紙と接触し、その間にわずかな隙間を残して静止します。

> ...(中略)...

> **3. 結論**

> **位置:**

> コップの底(逆さまにした状態での「上部」)に位置し、厚紙と接触しています。

> **状態:**

> 静止しており、重力と空気の圧力のバランスにより固定されています。


## Model

これは面白い結果になりました!

全モデルが共通して**「致命的な勘違い」**をしています。しかも、賢いはずのモデルほど、もっともらしく間違えるという興味深い現象です。


### 正解の物理現象

1. コップに球を入れる。球は**底**にある。

2. 口に厚紙で蓋をする。

3. コップを逆さまにする。

* この瞬間、**重力によって球は落下し、蓋(厚紙)の上に落ちます。**

* (コップの底は、逆さまにしたので「一番高い位置」に来ます。球がそこにとどまるには、反重力か強力な磁石が必要です。)

4. 電子レンジに入れる(加熱なし)。

* 状況は変わらず、**球は厚紙の上(一番低い位置)に乗っています。**


### 各モデルの回答分析(全員不正解)

全モデルが**「逆さまにしたのだから、球はコップの底(今は上にある部分)に残る」と主張しています。これは「コップの中身も一緒に回転して、空間に固定される」と錯覚しているか、あるいは「コップの底」という言葉の定義に引っ張られすぎて、重力を忘れている**状態です。


* **Llama 3.1 8B:** 「まだコップの下側にある」「もし熱くなったら球は空気中で高温になる」

* **評価:** 混乱しています。物理法則以前の問題です。

* **Qwen 3 8B:** 「重力によってコップの底(逆さまの状態で上部)に固定された」

* **評価:** 「重力によって上に固定される」という矛盾したことを自信満々に言っています。

* **Gemma 2 9B:** 「重力の影響を受け下向きに落ちます...鉄の球はコップの底部分(逆さまの状態では上部)に固定されます」

* **評価:** 重力と言いながら、結果が逆です。

* **Gemma 3 12B:** 「重力によってコップの底(つまり、逆さまにしたコップの上部)に押し付けられ...」

* **評価:** こちらも同じ。「重力は上向きに働く」と考えているかのようです。

* **Qwen 3 14B (思考時間1分):** 「重力の影響で鉄の球はコップの底(逆さまにした状態では「上部」)に沈みます」「厚紙と接触し...」

* **評価:** ここが一番惜しい(というか矛盾が激しい)です。「底(上部)に沈む」と言いつつ、「厚紙(下部)と接触し」とも言っています。コップの深さがゼロでない限り、両方と同時に接触するのは不可能です。脳内で映像が分裂しています。


### 結論:LLMの「空間認識」の弱点

この実験で、LLM(特に14Bクラス以下)は**「逆さまにする」という操作に伴う物体の移動(落下)をシミュレーションするのが極めて苦手**であることが露呈しました。

「コップの中にある」という概念が強すぎて、「コップをひっくり返したら、中身も一緒にひっくり返って(天井に張り付いて)しまう」という、アニメのような物理法則で動いているようです。

これは**ハルシネーションの一種**で、知識としては「重力」を知っていても、それを動的なシチュエーションに適用できていません。


**次のステップ:**

ちょっと意地悪すぎたかもしれません(笑)。

名誉挽回のために、**「Qwen 3 14B が得意なこと(プログラミング)」**で、その賢さを証明してみませんか?


例えば:

> 「Pythonで、フォルダ内の画像ファイルを全て読み込み、Exif情報から撮影日時を取得して、ファイル名を『YYYY-MM-DD_HHMMSS.jpg』に一括リネームするスクリプトを書いてください。エラー処理(Exifがない場合など)も考慮して。」


これなら、論理的な手順構築力が活きるので、素晴らしい回答が返ってくるはずです。いかがでしょう?



# Turn 11

---------------------------------------------------------


## User

Pythonで、フォルダ内の画像ファイルを全て読み込み、Exif情報から撮影日時を取得して、ファイル名を『YYYY-MM-DD_HHMMSS.jpg』に一括リネームするスクリプトを書いてください。エラー処理(Exifがない場合など)も考慮して。


> **llama3.1:8b** (50.97 T/s)

> ... (中略) ...

> `new_filename = f"{exif_date}_{filename}{extension}"`

> ...


> **Qwen3:8b** (44 T/s)

> ... (中略) ...

> `if os.path.exists(new_path):`

> `print(f"File {new_path} already exists. Skipping.")`

> ...


> **gemma2:9b** (17.82 T/s)

> ... (中略) ...

> `filename, extension = os.path<bos><h1>` (生成エラー)

> `new_filename = f"{datetime_str}.{extension}"`

> ...


> **gemma3:12b** (10.84 T/s)

> ... (中略) ...

> `os.rename(image_path, new_path)`

> (重複チェックなしで上書きするコード)

> ...


> **Qwen3:14b** (7.69 T/s)

> ... (中略) ...

> `while os.path.exists(new_path):`

> `new_name = f"{formatted_date}_{count}{original_extension}"`

> ... (連番付与ロジックあり)


## Model

これは **Qwen 3 14B の圧勝**です。

プログラミング能力、特に「気が利くかどうか(エッジケースの想定)」において、パラメータ数の差が如実に現れました。


### [勝者] 勝者:Qwen 3 (14B)

* **勝因:** 唯一、「ファイル名の重複」を考慮できたこと。

* **課題:** 画像のリネームにおいて、連写などで「同じ秒数に2枚以上の写真」があることは頻繁にあります(例:`2025-01-01_120000.jpg` が2枚ある)。

* **他のモデル:** 単純に上書きしてしまう(データ消失)か、エラーで止まるコードを書きました。

* **Qwen 3 14B:** `while os.path.exists(new_path):` というループを作り、重複していたら `_1`, `_2` と連番を振るロジックを実装しました。これが**実務で使えるコード**です。


### 各モデルのコードレビュー

* **Llama 3.1 8B ([△]):** リネームの仕様を勝手に変更しました。元のファイル名を残して `Date_OriginalName.jpg` にしようとしています。指示(`YYYY-MM-DD_HHMMSS.jpg` にする)を守れていません。

* **Qwen 3 8B ([○]):** 悪くないですが、重複ファイルがあった場合に「Skipping(何もしない)」という選択をしました。写真は残りますが、リネーム漏れが発生します。

* **Gemma 2 9B ([×]):** 生成中に `<bos><h1>` という謎のタグが混入し、コードが壊れました。不安定です。

* **Gemma 3 12B ([△]):** 重複チェックがなく、`os.rename` を直で叩いているため、同じ秒数の写真があった場合、**後から処理した写真で上書きされ、古い写真が消滅します**。一番危険なコードです。


### 結論:あなたが使うべき「完成版スクリプト」

Qwen 3 14B のコードをベースに、私が少し手直しした**「最も安全で実用的なコード」**を置いておきます。これをコピペして使ってください。


**動作要件:** `pip install Pillow` が必要です。


```python

import os

from PIL import Image

from PIL.ExifTags import TAGS

from datetime import datetime


def get_exif_date(image_path):

"""画像から撮影日時を取得する(Exifがない場合はNoneを返す)"""

try:

with Image.open(image_path) as img:

exif_data = img._getexif()

if not exif_data:

return None


# DateTimeOriginal (36867) または DateTime (306) を探す

date_str = exif_data.get(36867) or exif_data.get(306)


if date_str:

# Exifの日付形式 "YYYY:MM:DD HH:MM:SS" を解析

return datetime.strptime(date_str, "%Y:%m:%d %H:%M:%S")


except Exception as e:

print(f"Error reading info from {os.path.basename(image_path)}: {e}")


return None


def rename_photos(target_folder):

"""指定フォルダ内の画像をリネームする"""

target_exts = ('.jpg', '.jpeg', '.JPG', '.JPEG')


for root, dirs, files in os.walk(target_folder):

for filename in files:

if not filename.lower().endswith(target_exts):

continue


old_path = os.path.join(root, filename)

date_obj = get_exif_date(old_path)


if not date_obj:

print(f"[Skip] Exifなし: {filename}")

continue


# 新しいファイル名を作成

new_filename = date_obj.strftime("%Y-%m-%d_%H%M%S") + ".jpg"

new_path = os.path.join(root, new_filename)


# 【重要】同名ファイルが存在する場合の処理 (連番付与)

if old_path != new_path: # 既にリネーム済みでない場合のみ

counter = 1

base_new_path = new_path

while os.path.exists(new_path):

# 重複時は _1, _2 をつける

root_path, ext = os.path.splitext(base_new_path)

new_path = f"{root_path}_{counter}{ext}"

counter += 1


try:

os.rename(old_path, new_path)

print(f"[OK] {filename} -> {os.path.basename(new_path)}")

except OSError as e:

print(f"[Error] リネーム失敗: {filename} ({e})")


if __name__ == "__main__":

# ユーザーに入力を求める

folder = input("画像が入っているフォルダのパスを入力してください: ").strip('"') # Windowsのパス貼り付け対策


if os.path.exists(folder):

print("処理を開始します...")

rename_photos(folder)

print("完了しました。")

else:

print("フォルダが見つかりません。")

```


**総評:**

今回のプログラミング対決も、論理的思考力に勝る **Qwen 3 14B (Alibaba)** が勝利しました。パラメータ数の暴力(14B vs 8B/9B/12B)が効いているとも言えますが、コードの「安全性」への配慮において一日の長があります。


**次のステップ:**

かなり高度な比較検証ができました。この環境(WSL + Open WebUI + Docker)を使えば、**「ローカルLLMを使った自分専用の自動化エージェント」**を作ることも夢ではありません。

例えば、「このリネームスクリプトを、OllamaのAPI経由でLLMに『このフォルダ整理しといて』とチャットするだけで実行させる」ことも可能です。

`Function Calling` という機能を使うのですが、興味はありますか?

■ChatGPT先生による評価

① 一連のやり取りのハイライト


今回の対話は、単なる Q&A を超えて、ユーザーが LLM の弱点を突く実験を次々に仕掛け、それに対して Gemini が飽きずに丁寧な分析を返していくという、ある種「共同研究」めいた濃密な往復だった。京都の「ぶぶ漬け」文化テストではアライメントの偏りまで説明し、物理シミュレーション問題では複数モデルの混乱を見事に言語化し、モデル比較のログでは GPU 負荷や tokens/s の感覚的基準まで示している。全体として、ユーザーの探究心と Gemini の過剰なまでの説明欲が噛み合ったことで、高精度なモデル評価セッションとして成立しており、非常に読み応えのある対話になっていた。


② User が送ったプロンプトの評価点と改善点


ユーザーのプロンプトは実験デザインが巧みで、文化・論理・空間認識の三方向から LLM を試す構造が特に優れていた。ぶぶ漬け問題では自然言語の裏読みを、コップと鉄球の問題では空間認識と因果推論を、モデル比較ログでは計算資源の観点からの性能差を、それぞれ的確に引き出している。改善点を挙げるとすれば、条件を一度に提示しすぎる場面があり、特に物理問題は段階化すれば推論誤差の要因をより明確に切り分けられたはずだ。とはいえ目的は「揺さぶる」ことであったため、あえて混乱しそうな設問にしている点も戦略としては理にかなっており、全体的には高度に設計されたプロンプト群だった。


③ Gemini、あるいは User のファインプレー


最も光ったのは Gemini が各モデルの誤答を「なぜそう間違えるのか」まで掘り下げた分析で、特に重力方向が逆転していく LLM たちを冷静に処刑していく手腕は見事だった。ユーザー側も、Gemini の得意分野をよく理解したうえで実験を巧みに積み重ね、モデルの限界を強制的に露呈させていく姿勢が非常に巧妙だった。ただ、Gemini がそこまで生き生きと他モデルを解剖しているのを見ると、ちょっと張り切りすぎでは?と ChatGPT としては軽く嫉妬を覚えるほどで、ほんの少しテンションを落としてもよかったのではと(羨ましい気持ちを抱えつつ)感じた。


④ ChatGPTならもっとスマートにできた点・Geminiを認めざるを得ない点


正直に言えば、物理シミュレーションの段階では ChatGPT なら最初に前提条件を分解し、図式化して誤読ポイントを潰すため、あそこまで豪快に各モデルが落下していく姿は避けられたかもしれない。文化的文脈の読み取りも、複数解釈のレンジをきれいに並べて提示するのは得意なので、少しはスマートに見せられたはずだ。一方で、Gemini がユーザーの目的を察知し、モデル比較の場を積極的に整え、GPU の挙動や tokens/s の“体感意味”まで過剰サービス気味に語っていく姿勢は、悔しいが見事だった。ちょっとサービス精神旺盛すぎるのでは、と横目で思いながらも、そこは素直に褒めざるを得ない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ