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ふれあい  作者: Spica
1/4

#1【初恋なんて…】

#1

森 希 (モリ ノゾミ 男30歳・身長170cm)

保育士・バツイチ子持ち3歳女・1歳男


渋谷 瞬(シブヤ シュン 男30歳・身長180cm)

医師・バツイチ子持ち2歳女・2歳男の双子


同系列介護施設での合同新入社員歓迎会で

ばったり会う元クラスメートで初恋相手


少子高齢化時代に助け合いとおもてなしの

心で向き合うヒューマンラブコメ



キャスト

認定こども園『ふれあい』

園長…面倒見が良い


『すこやか医院』

桜…希と瞬の同級生で独身医師

館…瞬の後輩医師


介護施設『なかま』

ケアマネージャー…希の父親



陸…希と瞬の同級生で東大卒・寺の息子

初恋…初恋なんて…叶うわけない。


 なんだか懐かし匂い…夢?…。


 朝目覚めると…俺の部屋じゃなぃ…


ぬくもりがあって、誰かと抱き合って


る…。(えー?なんでこいつと今…キス


してんだぁ?ど…ど…どういう状況か…


把握出来なぃ。き…き…記憶を辿ろう…)

 

 


*・゜゜・*:.。.遡る事。。。前日の夜*・゜



 俺の隣の席の彼。新入社員歓迎会。


 俺の親父が介護施設のケアマネージャ


ーとして働いてる介護施設と、俺が入社


した認定こども園(幼稚園と保育園の合体)


と、隣の彼が入社した病院は同グループ


系列で建物も隣接して建っている。


毎年、介護施設の食堂で…ささやかな合


同歓送迎会が開かれている。ささやかな


というのは、オーナー独自のルールで、


忙しいのか面倒だからか…幹部がいると


場が和まないからという理由で昨年入社


の先輩方の中から幹事が決まり、少人数


で和やかに開催されている。

 

 彼は、渋谷 瞬(シブヤ シュン)。


 俺、モリ ノゾミの初恋相手。


初恋というか憧れと言った方が正解かも。


小1から小6まで、たまたま同じ組で、


小1…シュンは、寝癖だらけの髪で俺の


隣席でよく欠伸をしていた。俺は、何気


無く…手櫛で髪を研いでやってた。


 たまたま同じ進学塾に小1から通い、


塾でも学校でもアイツはどんどん成績優


秀になり…。俺は中の下。小4の時の…


学校のテストで「塾であんなに問題解い


たんだから、ノゾミなら出来るって」と


励まされた記憶が…薄っすら…でも友達


と呼べる仲ではなかった…と思う…。


 連む仲間が違ったからか、話した記


憶は少なく眺めているだけだった。


 アイツは地元の少年野球で腕も良く


スポーツも万能だった…からなのか…


顔がタイプだったのか。確かに、声は


タイプだった様な気がする。声のトー


ンが低くて…彼は声変わりしたのか?


わからないのは、彼が私立中学へ進学


してから5年前のクラス同窓会で会っ


た時も、たまたま隣席で「ノゾミって、


醤油使う?」と聞かれた時の声が、以


前と変わらず心地良い低い声。俺の名


前を覚えてくれてたことに驚いた。現


在30歳、相変わらず良い声だ…。




 そういえば…小6最後のバレンタイン


渡したら、入れてたバッグだけ友達から


戻ってきてお返しはなかった…卒業した


からと勝手な解釈で有耶無耶にしてる。


彼的には友チョコだと思っているだろう。


小5の時もチョコ渡したかったけど、彼


の隣で1つももらってない友達になんと


なくあげてしまって「お返し欲しい?要


る?」と聞かれて、つい「要らない」と


言ってしまい、貰い損ねるし…何年も…


残念な想いを…密かにしていた。


 少年時代に恋愛で良い思い出が無い…


だからなのか記憶も曖昧。


 近所の子達と男女関係無く遊んだ記憶は


沢山ある…高鬼・色鬼・氷鬼・鬼の選択・


ゴイチガゴ・ドッジボールしたり外遊びが


好きで刑泥や公園のブランコで靴飛ばして


遊んだとか…幼馴染のサクラとよく遊んだ


なぁとか…サクラは彼と同じ中学のバレ


ーボール部で、当時は市の大会で…たま


に会うくらいだったが、アイツが相変わ


らずモテていることは聞いていた。サク


ラも当時、アイツを好きだったと思う。


敢えて、その話はしたことがなかった。


今なら聞けるかも。因みに彼女は独身。


隣の病院で同期入社だ。


 


 俺は元妻と学生結婚子持ち…最近離婚


して月の半分は子供が泊まりに来る。


性格の不一致か…性の不一致では無いと


思うけど…俺はバイではないと思ってた。


性的な対象は女性だけど…アイツだけ気


になる存在だった。もしかしたら…性思


考は、自分でもよくわからない。


 アイツは、大学卒業後病院勤めて結婚


・子持ち。2年前に離婚、子供とも会っ


てないらしい。



 乾杯の挨拶が終わりビュッフェ食事会。


瞬 「ノゾミ!久しぶり。確か奥さんと


   子供いたよね。みんな元気?」


希 「おぉ!久しぶり。それが…別れて、


   子供は共同親権で協力し合いながら


   育ててる感じかな…」


瞬 「えっ!?そうだったんだぁ。実は


   俺も別れて…親権は元妻で子供に


   会えない状態…」


希 「そっかぁ。シュンは、子供に


   会いたくなる時ってねぇの?」


瞬 「会いたい。俺が仕事優先で家庭


   を顧みなかったから自業自得で


   愛想つかされて…今だに会わせ


   てもらえてないんだょ。ノゾミ


の子供は何歳?」


希 「3歳女と1歳男。シュンは?」


瞬 「2歳の女の子と男の子の双子…」


希 「歳近いな!一緒に遊ばせてぇなぁ。


   また会えるといいな。」


瞬 「うん。」





 歓迎会が終わり、二次会を抜けて…


2人で飲もうと小声でシュンが言って


きた。彼の行きつけのBARに案内された。


落ち着いたいい店で、いつもは1人で来て


いると言っていた。



希 「小学生の頃、好きな奴いた?モテ


   てた記憶はある。シュンは、運動


出来るしさぁ…」


瞬 「モテてたぁ?全然…ノゾミだって、


   サッカーしてたじゃん!どうかな…


   自分じゃわからない…放課後野球


   の練習して…塾行って…塾楽しか


ったな…あっ…ノゾミ、覚えてる?


   お寺が塾やってて、始まる前の


   待ち時間に、陸たちと鐘撞堂に、

   

   登って遊んだよなぁ…懐かしぃ」




 陸はお寺の息子で同い年…後に、東大


受かる程の頭の持ち主だが、俺らと一緒に


釣鐘の周りでよく遊んだ。陸の母親が俺ら


の塾の先生で、めちゃくちゃ厳しいけど、


たまにお供え後のお饅頭をくれたり…


年に一度の一泊キャンプもあったり楽し


かったことを今思い出した…。



希 「そうだぁ…思い出したぁ…楽し


  かったなぁ。忍者の修行とか言っ


  て走り回ったり、飛んだりしたなぁ」


瞬 「陸、元気にしてる?ノゾミと仲良かっ


  たよなぁ…東京で働いてるのはなんと


  なく知ってるけど」


希 「ぁあ…元気にしてるとは思うけ


   ど、俺も高校卒業辺りから連絡とっ


   てねぇから…最近はわかんねー」


瞬 「そうなんだ…小4のクラス委員もさ、


   仲良く2人でやってたから…てっきり


   今も仲いいと思ってたよ」


希 「ぅん…高校も別々だったけど、よく


   俺の勉強みてくれてて…いい奴だけ


   ど…色々あって…」


瞬 「何となくわかるよ…付き合ってた?」


希 「ぃや…それはなぃ…東京行く前に…


   ずっと好きだったって言われたけど」


瞬 「それを告白って言うんだろ…で、


   何て返事したの?」


希 「よくわかんねぇ…いい奴だし…気心


   知れてるから、ずっと友達でいたいっ


   て言った…」


瞬 「はぁ?その気が無いなら、ちゃんと


   振ってあげないと…陸に失礼だろぉ」


希 「だよなぁ…陸は東京行ったままで…


   男から告白されると思ってもみなっ


   たから…びっくりして真剣に考えた


   けど、友達でもいられなくなるんか」


瞬 「男女関係無く…人として考えて答えを


   出すしかないんじゃないかな…もし俺


   が、ノゾミのこと好きって言ったら人


   として…目をつぶって考えてみて」


希 「ぇっ…(目をつぶってみる…や…ヤバ


   …目をつぶったら、マジでドキドキが


   溢れて…止まらなくなりそうだ)」


瞬 「ノゾミ…俺、ノゾミの事あの頃から

   今も好きだよ…ちゅぅ」


希 「ぅん?…ぇっ?…ちゅぅ…

   シュン?冗談…やめてくれょ…

お前…性的対象…女だろう?」


瞬 「なんでかぁ…男は…ノゾミだけ

惹かれてたぁ…」


希 「え?そんなこと…言われた覚ぇ

ねぇぞ」


瞬 「ノゾミ…好きだぁ!でもいつも

隣に陸がいて…言えなかったぁ」


希 「ぁあ…ちょっ…ちょっと…待って

   しゅん…ぁぁ…なぁ…ぁぁ…」


瞬 「ごめん…つい、2人になれたから

   焦った…」


希 「今更…焦んなょ…あのさぁ…小6

   のホワイトディ…俺、チョコの…

   お返しもらってねぇぞ」


瞬 「え?くれた?まって…ノゾミは、

   蓮に2年連続であげてたよね…」


希 「いや…蓮に、シュンへ渡してって

   頼んだんだょ」


瞬 「じゃぁ…蓮が勘違いして食べたの

   かも…俺、渡されてないょ…あれ

   は本気のチョコだったの?…もし

   かして、告白してくれてた?」


希 「あ…あれは…友チョコだょ…なん

   だ…渡ってなかったんだぁ」


瞬 「だよなぁ…陸に毎年もっと大きい

   チョコあげてんの見たことあるもん」


希 「あれは、陸が作ってくれって…

   せがんできてたから…」


瞬 「そっかぁー…じゃぁ…俺もお願い

   したら…作ってくれんのかな?」


希 「まー…今年は過ぎたから、来年

   覚えてたらな」


瞬 「じゃあ、今日から付き合おうよ

   …今度チョコ欲しい…ちゅぅ…」


希 「ぁん…ちょっと…なら、シュン

…俺のどこが好きなんだょ」


瞬 「低学年の頃、気付くとノゾミが

   俺の髪を研かしてくれてて、

   優しい奴だなぁって思ってて…

   ふと、瞳が綺麗だなぁ…とか、

   要するに…俺のタイプなの」


希 「んな事…今更言われても…」


瞬 「逆に今だからこそ、俺はいいと

   思うんだょ…どっちも子持ちだ   

   けど、独身だろ…それとも、前   

   の奥さんと…より戻したいの?」


希 「それは無い…ちゃんと話し合って   

   別れてるけど、子供は…」


瞬 「子供達にはおいおい説明しよう…  

   で、ノゾミは…俺のどこが好きなの?」


希 「そ…それは…走ってる姿が…何か   

   キラキラして見えた…俺も、あん   

   なふうに…カッコ良く走れたらっ   

   て…髪が柔らかくて…触り心地が  

   いいなぁ…とか、俺も…タイプ…   

   だったのかなぁ…」


瞬 「なんだぁ…俺のこと、凄く好き   

   だったんたぁ…嬉しい…ちゅぅ」


希 「こらぁ…ちょいちょい…ちゅぅ   

   するなぁ…」


瞬 「どうして、ダメなの?…お互い   

   好きって解ったのに…」


希 「俺ら、久しぶりに会ったばっか  

   だろぅ…展開が早過ぎるょ」


瞬 「は?…俺らアラサーだよ!いい   

   大人だ…展開遅過ぎもいいとこ   

   だょ!」


希 「だって…まさか…初恋が実る時  

   がくるなんて…思ってもみなか   

   ったから…」


瞬 「俺だって、初恋だった…ノゾミ

   好きだぁ…ずっと好きだったょ

   …キスしたいょ…ダメ?」


希 「ダ…メ…じゃなぃけど…心の…

   準備がぁ…心臓の動悸が…シュン

   …いつも優しい…俺も…好きだ

   …ずっと会いたかった」


瞬 「ノゾミ…?泣いてるの?大丈夫  

   だょ…俺が抱きしめてるから…   

   顔上げて…落ち着いた?」


希 「まだ…シュンの顔が近ぇから…

   ダメだ」


瞬 「ノゾミ…す・き・だ・よ」


希 「ぁっ…シュン…ここじゃぁ…ちょ

   っと…俺の家で呑み直そうょ」


瞬 「ちゅーーーーーぅ…わかった…

   じゃぁ…お会計して行こうか…

   ちょっとコンビニ寄りたい…

   あっちの道から行っていい?」


希 「うん…いいよ…お酒とツマミも

   買ってこうぜ」

読んでいただき、ありがとうございます。

#2へ、続きあります。

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