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安楽椅子ニート 番外編6 FUTURE GAME,PAST MINE

高校生「ちょっと私、起きなさいよ!ほら、起きて!」

瀬能「・・・痛い!痛い!痛い!痛い!」

高校生「起きた?」

瀬能「・・・痛い、痛い、もう何ですか?」

高校生「どうせ朝まで信長の武将縛りでゲームしてたんでしょ?」

瀬能「・・・信長なんかしてませんよ今は、蒼い狼、白い牝鹿で縛りしてますけど。ってあなた誰ですか!あなた達、誰ですか?」

高校生「目が覚めた?私?」

瀬能「・・・私?私って?あなた、何を言っているんですか?」

高校生「私は私。私はあなた。あなたは私。」

瀬能「な、なにを?訳の分からない事を。あなた、なんで私の母校の制服を着ているんですか?新手の甲子園カンパ詐欺ですか?後輩が甲子園に行くんだからOGは金を出せよっていうアレ。」

高校生「なにを訳のわからない事を!」

パッシ~ン

瀬能「痛い!あのぉポンポン人の頭を叩かないで下さい!」

高校生「さっきも言ったでしょ?私はあなたって。私は歪んだ歴史を正す為に過去から来た、私。つまり、あなたよ!」

瀬能「なんですか、その、頭の悪いタイムトラベルみたいな設定は?騙すならもう少し本当らしい嘘を言って下さい。」

高校生「信じていないようね。なら、私が信じたくなる、私しか知らない私だけの秘密の話をしてあげる。黙って聞きなさい!」

瀬能「・・・私、私、主語がうるさいですよ!」

高校生「私は、中学生の時、好きな男子のリコーダーを舐めようとしたが、その犯行が見つかってしまい、その場を取り繕う為に、クラス全員のリコーダーを消毒していると嘘をつき、クラス全員分のリコーダーを本当に消毒するはめになった!」

瀬能「・・・あの時はバレたかなと思いましたが、気の利く女の子を演じつつ、勢いで誤魔化せたので、本当に勢いは大事だと思いました。」

高校生「私は、中学生の時、クラスの女子全員で暗黙のルールとしている、スカートの下は短パンを履かなければならない、という掟を破り、男子の注目を浴びたいが為、一人だけ生パンを履いていた!」

瀬能「・・・たかがパンツくらいでギャーギャー言う女子達の集団心理は理解できなくもなかったですが、おかげ様で男子が、ちょっとしたパンチラで何でも言う事を聞いてくれるようになったので女子のパンツって偉大だなぁと感心しました。」

高校生「私は、中学生の時、両想いになれるという噂のおまじないを行う為、好きな男子の毛を手に入れる事にした。」

瀬能「・・・今思うと、おまじない、じゃなくて、呪いですけどね?」

高校生「男子の毛を手に入れるため、毎日、朝一番に登校し、彼のロッカーと机から毛を入手しようとしたが、そんなものは落ちておらず、半年間それを繰り返したが、収穫を得ることは出来なかった。だが、誰も登校していない時間に学校へ登校した事で、一人で教室を掃除していると噂を立てられ、校長から表彰され内申点が軒並み上がってしまった。」

瀬能「男子の毛を探していたのが、掃除をしている様に見えたのでしょう。しかしながら、内申点が上がり、ろくに勉強もせず、志望校に入学できたのはラッキーでした。」

高校生「私は、中学生の時、まだバイブを買う事ができず、考えあぐねた末、オータムカップ出場用のミニ四駆を改造し、改造バ」

瀬能「はいはいはいはいはい、皆まで言わなくても、普段、誰も使わないトルクギアを使い、振動を高めた傑作、シャイニングスコー」

高校生「トルクギアが初めて役にたったわよね。」

瀬能「待って下さい!でも、あなた、こんな話、思春期真っ只中の女子高校生なら誰でも通る道だと思います。私だけしか知らないエピソードにしては弱いと思いますが。」

高校生「なら、反対に、私に質問してみなさいよ?わたしはあなただから何だって答えてみせるわ!」

瀬能「わかりました。では、問題です。ペンネーム、桃尻キスミント」

高校生「いやぁぁっぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁ!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!それ以上、しゃべらないでぇぇぇぇぇぇ!」

瀬能「あなた、桃尻キスミントが何か、分かるんですか?」

高校生「わかるから、わかるから、それ以上は、許してぇぇぇぇ!」

瀬能「じゃあ、答えて下さい、桃尻キスミントとは?いったい、何なのか?」

高校生「それは、駄目よ!言えないわ!例え、自分であっても、あの寒さ、空虚感、ナイフでえぐられるような痛さ!」

瀬能「さあ、言いなさい!さあ、あなた、過去の私なんですよね?さあ、自白してしまいなさ」

パシン

瀬能「痛い!・・・なんですか?今度は?」

女神「はいはいはいはいはいはい。ははい、はい。茶番はそれまでです。高校生の自分をいじめない。」

瀬能「は?なんで私がそんな薄衣を。まるでアテナかアフロディーテじゃないですか?乳首が、乳首が、乳首が!」

女神「乳首を連呼しない!そうです私はあなたです。ずっと未来のあなた。女神をやっています。」

瀬能「は?え?」

女神「ですから、私は。いいえ、ですから、あなたは将来、女神になるのです。それから、乳首は神のパワーで見えそうで見えませんから安心して下さい。」

瀬能「私、将来、神様になるんですか?あやしい宗教とかじゃなく、本物の?」

女神「ええ。まあ色々ありまして神様の一人として、宇宙全体の管理をしております。今回、時空に歪みが発生したので、高校生の私と、未来の私達で、特異点となった時間の私に会いに来たのです。」

高校生「どう?信じた?」

瀬能「ポエム雑誌に投稿していた時のペンネームであれだけ苦しむのだから、私だなぁとは思いました。」

高校生「どういう解釈よ?それ。あんた、ダメージは無いわけ?」

瀬能「今思えば、ポエムに投稿したり、芸人の深夜ラジオに投稿したり、いずれ私の才能を世界が認め、ハリウッドからオファーが来るものと信じていました。思春期特有の全能感だと思えば、懐かしい思い出ですよ。」

高校生「ちょっと!遠い目をしない!」

瀬能「ところで私、特異体質なんですか?」

高校生「特異点よ!未来の私。まあ確かに、おかしな人に絡まれる特異体質ではあるけれども。はっきり言うわ!あのね、ニートなんかやってるから特異点になるのよ!・・・ニートのあんたが時空を歪ませてるの!とっととニートを辞めなさい!」

瀬能「そんな重要な役割を。私が。・・・かっこいい!」

高校生「かっこよくなんかないわよ!ニートのくせに!そもそもなんでニートなんかしてるのよ!私、言っちゃ悪いけど、今、高校で優等生なのよ!クラス委員で、来年は生徒会長を狙ってるのよ!運動だって勉強だって、何だって優秀よ!なのに、なんで、将来、ニートなんかしてるのよ!今の私に謝りなさいよぉぉぉ!明るい将来を返してぇぇぇぇぇ!」

瀬能「そんな事言われましても。実際、今、ニートを謳歌してますし。確かに高校生の頃は自分で言うのもおかしいですが、見た目も良かったし、天狗だったと思います。あれほど調子に乗れた時期はなかったと思います。」

女神「そうよね、私、絵にかいた美少女だったものね。頭もいいし顔もいいしスポーツできたし、調子に乗らない方がおかしいわよ?」

高校生「私も薄々、自分の事をかわいいと認識している、けれども、けれどもよ、たかだか数年で、こんな頭ボッサボサで、よだれ垂らして!起きたんだから顔くらい洗ってきなさいよ!私、かわいいんだから、ちょっとは見た目、気にしなさいよ!あと、何か着なさいよ!パンツいっちょでフラフラしない!・・・返事は!」

瀬能「なんで自分に命令されなくちゃいけないんですか?・・・ちょっと顔を洗ってきます。話はそれからで。」

女神「ほら、美少女の私もそんなにガミガミ言わないの。」

ギャル「おっつー。私、かわいいんだからとりまメイクした方がよくね?」

瀬能「・・・あーっ、ギャルピな私も意外とアリですね。私、ギャルとは馬が合わないと思っていましたが意外にギャルもいけますね?」

ギャル「ギャルピおっつー。うちの中にもギャル精神っていうか、ギャル魂?があって、開花しちゃって、文明開化?」

女神「こちらはギャルになる未来の私、いいえ、あなたです。」

瀬能「髪の毛、明るくするのもいいですね、金髪通り超して白髪ですけど、似合ってます。私、ギャルの素質ありますね?」

ギャル「白髪、言うなし。」

瀬能「メイクの仕方、詳しく教えて下さい。アゲアゲのサゲ~」

高校生「アゲてんのにサゲんな!アップダウンクイズか!あと、あんたもパンツ隠しなさいよ!見えそうでしょ?膝丈どんだけ高いの履いてるのよ!」

ギャル「jkのうち、超ウザ~い、ウザ見ヶ原の決戦~ん!」

高校生「・・・なに言ってんの?」

ギャル「高校生のうち、イオンで黒いパンツ、隠れて買ったくせに、エラそう!誰に見せんだよ?いないくせに~ぃ!」

瀬能「うける~」

高校生「え、じ、あ、あんた、自分の事でしょ!何、笑ってんのよ!・・・黒いパンツ買って何が悪いのよ!」

ギャル「ニートのうち、黒いセクシーパンツどうした?」

瀬能「勝負パンツに取ってあるけど、勝負できねー!相手がいねー!」

ギャル「うける~」

高校生「・・・勝負しなさいよ!女として勝負しなさいよ!」

女神「まあまあまあ。黒いパンツよりもベージュのパンツが好きな男性もいますから。ね?」

高校生「なんでそんなオバサンみたいなパンツで勝負しなけりゃいけないのよ!それより、女神だかなんだか知らないけど、あんたも乳首は透けそうだし、太もも出してるし、パンツも見せてるし、どれだけエロい女神なのよ!神様なんだから自重しなさいよ!」

女神「女神ってこういうものですよ?下界の者達に姿を見せることで、徳を与えているのです。」

瀬能「パンツを見せて徳を積ませるっていう、神の鏡。私って相当、神ですね。」

女神「そんなに褒めないで下さいYO!」

ギャル「高校生のうち、黒よりベージュの方が、実はエロいってそのうち気づくから。な?」

バイト「あのねぇ、パンツなんて履いていれば何でもいいのよ!速乾性と可動性が一番ってそのうち気づくわ!」

瀬能「ええ?今度は私、髪の毛、ばっさり切っちゃうんですか?」

バイト「私、髪の毛、邪魔じゃない?今だって手入れしてないし、ボサボサだし、だったら切って短くした方が、時間を有効的に使えるのよね。髪の毛、洗ってもすぐ乾くし。」

ギャル「ま?」

瀬能「あぁ、言われてみれば確かに。私、頭、重いんですよね。面倒だから髪の毛、切りに行ってないだけで。」

高校生「あなた、随分、まともそうな私だけど?」

バイト「コンビニで24時間はたらく、バイトリーダー、それが私よ!」

ギャル「おお、気合いイキり丸、ウケる。」

バイト「已むに已まれずコンビニでアルバイトを始めたら、3時間が4時間に、4時間が5時間に、気が付けば12時間勤務!家に帰るのが億劫になってコンビニのバックヤードで仮眠して働くのを繰り返していたら、バイトリーダーになっていたわ!24時間フル勤務可能なのは私だけよ!」

高校生「まともじゃないじゃん!」

ギャル「現代社会の闇、労働という名の奴隷!」

瀬能「・・・まあ、私、引き籠もり体質ですから、家からコンビニに住処が変わっただけっていうか。」

高校生「早く、そんなアルバイトやめなさいよ!あんた騙されてんのよ!」

バイト「は?何言ってるの?私はバイトリーダーとしてアルバイトを統括し、コンビニの権限八割を掌握しているわ!私は、コンビニと共に生き、コンビニと共に死ぬ。私が死んだら、骨はフライヤーの横に埋めて下さい。」

ギャル「中央アジアの少数部族みたいな事、言ってんじゃん。」

瀬能「バイトリーダーっていう謎の役職、あれ、何なのでしょうか?いつも謎に思うのです。別に時給が増えるわけでもないのに。」

高校生「・・・あんたは働いてないでしょ?」

女神「あなたが働いているコンビニ、働くのは自由だけど、労働法規的にアウトなのよねぇ?」

バイト「あなた、私なのに何もわかってない、女神なのに!私は全てを超越しているの!法律とか憲法とかそんなもので私を縛る事は出来ないわ!」

高校生「うわぁ、洗脳されてるぅ。」

バイト「あなた女神なら私の願いを叶えてよ!“24時間、眠くならずに働ける体”を私にちょうだい!」

女神「私、そんな戦時中の、疲労がポン!みたいな女神じゃないので。」

ギャル「合法、非合法って話じゃないし。」

バイト「まずい!シフトを組む時間だわ!睡眠と疲労、その他もろもろを回復するにはこれ、エナジードリンク!ノンシュガーで体に優しぃぃぃぃ!」

高校生「飲むな!飲むな!飲むな!」

瀬能「合法的な奴、私の分もありますか?」

高校生「合法的とか言うな!」

瀬能「朝までシミュレーションゲームはキツいんですよねぇ。作業だと半分、脳が寝てしまうので。」

高校生「お前は働け!あのさぁ、アルバイトの私、せっかく働くならアルバイトじゃなくて正規雇用で働いた方がいいんじゃない?生活も安定するし。」

バイト「は?正規雇用?なんのこと?・・・高校生の私はバカねぇ?」

高校生「・・・うわぁ、最悪だぁ。」

ギャル「うちはバイトのうちの事を応援してる!マジバイブス!うちらはコンビニ無いと生きていけないじゃん!」

バイト「でしょ?私の事、分かってくれるのね?ギャルの私!」

蝶々夫人「確かに体力は必要ね。戦って勝つ為には!」

高校生「あなた、その特徴的な縦ロール、そして、ラケット!もしかして私、テニスプレーヤー?」

蝶々夫人「テニスはテニスでも、私はソフトテニスで世界を目指して戦っている。私の事、蝶々夫人って呼んでもよろしくてよ?」

瀬能「蝶の様に舞い、って奴ですね?」

蝶々夫人「ちがうわ。ミヤコ蝶々から名前をもらって」

高校生「・・・いじられてるじゃん!なによ、ミヤコ蝶々って!」

瀬能「何にしても世界を目指して戦うって素晴らしいと思います。」

夫人「私もよく知らないけど、サークル室に目指せ!世界!って書いてあるわ。」

バイト「うん、あなた、バカね。」

蝶々夫人「はあ?あなた達、いくら私だからって許しませんよ!私とソフトテニスで勝負しなさい!勝ったら許してあげてもよろしくてよ?」

高校生「いいわよ!いいわよ!私がやってやるわ!ボコボコにして、あんたの目、覚まさせてあげるわ!」

蝶々夫人「上等よ!高校生の私。私の華麗な漫談の前に恐れ、おののくといいわ!」

高校生「・・・漫談って言っちゃてるじゃん!完全に蝶々じゃん!テニスやれよ!」

ギャル「ねぇ、そのソフトテニスサークルって結構、人いんの?」

夫人「百人くらいのサークルって聞いてるけど、コートで練習しているのは五人くらいね。コーチと私とあとヒロミと。」

高校生「それって完全にヤリサーじゃん!ヤリサー!ヤリ目的のサークルじゃん!あんた、本気で目ぇ覚ましなさいよぉ!」

瀬能「表向き、ソフトテニスを語ってサークル部員を募集して、裏ではいかがわしい男女の飲み会サークルってあるらしいですね。」

バイト「あるらしい、じゃなくて、あるのよ!」

夫人「私達はそんな不埒なサークルではないわ!私、そういうコンパに誘われた事、一度もないし。」

ギャル「・・・ハブられてんじゃん。」

瀬能「私、友達いませんから、ダメージ無いですけどね。」

高校生「私、今、友達、いっぱいいるんだけどぉ?その友達、どこいっちゃうのぉ?」

ギャル「ま、友達なんて、上辺だけだし。」

バイト「友達なんていらないわよ、信じられるのはエナジードリンクと自分だけ・・・」

高校生「なんでダークサイドに落ちてるのよぉ!やめてよぉ!」

蝶々夫人「ソフトテニスに汗を流して、帰って寝て、ソフトテニスして、そんな毎日の繰り返し、健康的だと思わないかしら?」

高校生「嫌よ!そんな不健全な生活!」

蝶々夫人「だから健全なんだってば。」

瀬能「確かに健全ではあるけれど、人として終わってますね。」

ギャル「ニートのうちが言うなし。」

高校生「若いんだから、彼氏とイチャイチャするとか他にないの?なんでソフトテニスと寝る事しか、やる事がないのよぉ!」

バイト「うん、コンビニでバイトしましょ?牛丼屋でもいいけど。」

高校生「アルバイトもソフトテニスもやってる事、同じじゃない!疲れて家帰って、寝て、毎日、同じ事の繰り返し!もっと青春しなさいよぉぉぉ!」

瀬能「現代人は時間の奴隷ですから。」

魔法使い「いいえ!私達は奴隷じゃないわ!戦って自由を勝ち取るのよ!」

瀬能「おお、ビキニアーマーに黒マント!美少女戦士な私ですね。」

高校生「ちょ、露出度が高い!おへそ、おへそ!おへそを見せるな!」

魔法使い「私は、暗黒魔王に支配されたこの世界を救うべく、勇者と共に戦う魔法使い。人間は魔王の奴隷じゃないわ!」

ギャル「スケールハンパな」

高校生「なんでよ!この世のどこから魔王が出てくるのよ!」

瀬能「地底か宇宙か、はたまた封印が解けてしまったか。まさか未来の自分が魔王になって過去の自分を倒すためにやってくるパターン?」

ギャル「たまにそういうゲームあるけど、時間軸ぐっちゃぐちゃになるからやめて欲しいんだけど。」

女神「一九九九年、世紀末、魔王が統治するって言うアレです。出てくるのが遅れちゃって。魔王が。」

バイト「遅刻、欠勤は社会人としてどうかと思いますけど?シフト組む身にもなって欲しいですね。」

魔法使い「魔王に支配されたこの世界を、私達人間の手で再び、平和な世界に戻す為、私達は戦っているの!」

瀬能「ほんとに私、魔法が使えるんですか?」

魔法使い「当たり前じゃない!私は魔王を倒す為に戦っている勇者パーティーの一人よ!私の必殺技、スーパーアルティメットバスターを見せてあげるわ!特別よ。」

ギャル「名前だけスゴ」

瀬能「おおお!パチンコなら確変決定ですよ。」

魔法使い「・・・邪なる血の者よ、汚れなき天使の加護よ、我、なぐさめるべきは、汝の流す涙よ、清き礎よ、我、問うは古のことわり、我、願うは、新しき秩序、」

高校生「・・・このお経みたいの、いつまで続くの?」

蝶々夫人「私のポエムと変わらないじゃない?」

高校生「ぎゃー!死ぬぅぅぅ!」

瀬能「あ、ここにピンポイントで魔法の効果がありました。瀕死状態です!」

魔法使い「あの、そういうんじゃないから。黒歴史で悶え苦しむとか、そういうのじゃないから。」

ギャル「ポエムも魔法も確かに痛いわ。ヘコみ沢公園~」

魔法使い「仕方がない、他の魔法を見せてあげる!コージラムよ!」

瀬能「それはどういう魔法で?」

魔法使い「タモさんっぽく喋れる魔法よ。あと、ハラグチラムはさんまさんぽく喋れる魔法で、ヤマモトタカヒロラムは織田裕二っぽく喋れるんだけど、目薬コマーシャル専門なの。」

瀬能「キターッ!」

蝶々夫人「コンパの時に使えるじゃない?私にその魔法をかけて頂戴!」

魔法使い「あのね!いくらあなた達が私でも、私は魔王を倒すっていう使命があるの!こんな所で無駄な時間を潰している訳にはいかないわ!」

少尉「同感だな。私も、こんな下らない時間を潰している暇はない、腐った地球人類に鉄槌を下さなければならない使命がある!」

高校生「言っている事が真逆じゃない!次は誰よ!」

瀬能「かっこいいパイロットスーツですね。」

少尉「私は、反地球統合政府軍およびスペースヒューマン解放連盟所属AAパイロット、階級は少尉だ。少尉と呼べ。」

バイト「新しいソシャゲの名前ですか?最近の一番くじは種類が多いから。」

瀬能「あの、その、AAって何ですか?」

少尉「AAっていうのはな、オートマチックアーマーって言う人型機動兵器の事だ。私はそのAAのパイロットであり、ノングラビティデスゴッドの異名で呼ばれている。」

ギャル「なにそれ。宇宙で戦ってんの?ウケる。」

蝶々夫人「デスゴッドって何ですの?」

少尉「死神だ。・・・私は無重力の死神と言われている。」

高校生「死神をデスゴッドって言うのは無理があるんじゃぁ?あなた、センター試験受けました?」

少尉「おい!お前!未来の私をなめるな!自分だぞ?」

瀬能「少尉はどうして、そのぉ、なんとかかんとかって言うパイロットやっているですか?」

少尉「オートマチックアーマーだ!私だって平凡な女子高校生をやっていたかった。だが、地球統合政府がそれを許さなかった。地球統合政府は全人類を統合するという名の下、私達、宇宙に暮らす人間を抑圧していった。それは私達、スペースヒューマン全体を支配する事と同意なのだ。」

ギャル「しれっと宇宙に住んでるし。」

少尉「私達は地球を私物化する、地球統合政府を打倒する為に戦っているのだ。」

魔法使い「あなた、私なのに、何故、地球の人々を苦しめるの!返答によっては生かしてはおけないわ!」

少尉「お前こそ、私なのに、腐敗しきった地球人類の味方をするのか!このまま行けば、緑は焼かれ、海は干上がり、数年で死の星と化す。私はそれを見逃す事が出来ない!例え同胞を殺してでも死神と言われようとも、私は未来を、私達の未来を守る!」

瀬能「両方、いいもん同士ですね。」

少尉「いかにもファンタジーで頭の悪そうな格好をしている私、今なら許してやる!この無反動光線銃で撃たれたくなかったら謝罪しろ!」

魔法使い「あなたこそ、SF漫画でしか見たことがない、宇宙服にしては薄すぎるパイロットスーツを着ているくせに!私の詠唱無視のアルティメットバスターで骨も残らず燃やしてあげるわ!」

探偵「待ちたまえ。そんな事をしたら死体が二つも出来てしまうじゃないか?しかも凶器を特定できない、謎の死として。」

高校生「また、偉そうな私が登場してきたわ。」

探偵「私は、高校生探偵。頭脳明晰にして、スポーツ万能。高校生でありながら数々の難事件を解決してきた実績を持ち、警察にも知人が多い、非常に優れた探偵だ。名探偵と呼んでくれて構わない。」

少尉「探偵だからと言って、私を侮辱する事は許されない!」

魔法使い「そうよ!私も命をかけて魔王と戦っているのよ!私をバカにする奴は生かしちゃおけないわ!」

探偵「困った子猫ちゃん達だ。君も君もそして君も、そう、私も私なのだよ?ここは私に免じて休戦といかないか?なんならカードで勝負をしてもいい?ま、勝負は見えているけど。カードゲームなら私の右に出る者はいない。ははははははは。」

高校生「・・・なんか腹立つ。」

少尉「興覚めだ。おい、お前、今日の所は生かしておいてやる!」

魔法使い「は?それは私のセリフよ!真っ黒焦げにならずに済んで良かったわね?」

探偵「そう、探偵は、事件が起こる前に、事件を解決することが、仕事なのだよ?」

ギャル「ウザさ100%ゆうき~」

クローン「・・・そう?死ねば良かったのよ。・・・代わりは幾らでもいるもの。」

瀬能「意味深な事をボソボソ言ってるだけでキャラが立つって凄い発明ですよね。」

クローン「・・・あなたは死なないわ。・・・私はここでサヨナラだけど、あなたはここで生きて欲しいから。・・・どんな顔をしたらいいの?」

高校生「こっちのセリフだよ!あんたがおかしな空気にさせたの!」

バイト「本当にクローンなの?」

クローン「・・・幹細胞が一つでもあれば私は幾らでも作れるんですよ。あなたの代わりは幾らでも作れますから。」

地雷「・・・そうよ、みんな死ねばいいのよ。誰も私を構ってくれないじゃない!・・・この中じゃ更に影が薄い地雷系よ!」

剣豪「拙者は侍でござる、ニンニン」

コック「私は人類が未だ食べた事のない料理を作るわ!それが私のoh!umy、good!(オー!ウマイゴッド!)」

格闘家「おめぇら、あちしより、強ぇえんかぁ?勝負すっか!老師のじっちゃん、見ててくれよな!」

宇宙海賊「私はアステロイドを彷徨う、亡霊。私を見た者はみんな死ぬ!」

一万年に一度の美少女「いやぁ、たまたま奇跡の写真うつりが良かっただけで。」

配管工「また姫がさらわれた!だって?」

魔界の騎士「また姫がさらわれた!だって?」

漫画家「自叙伝風の漫画なんだけど、実はアニメ会社、アニメーターの当時の裏話を描くっていうのはどうかな?」

超能力者「ああトイレに行きたいけど怖くていけない!そうだわ、大腸の内容物だけ彼にテレポートさせちゃおっと!」

釣り人「この川の主を釣るりんこ!」

声優「声の仕事より、少年マンガ週刊誌の読者コーナーの方が有名になっちゃって。どうしたらいいのぉ?」

無責任散歩人「こんにちは。スチーブンセガールです。」

原作者「まだネームが思いつかん!」

作画者「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

担当者「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」

星座戦士「私の宇宙パワーよ!燃えろぉ!」

魁!女塾一号生「どうも、私だ。こないだお風呂で我慢比べをしていたんだ。女だったらお肌にも気合をいれないとね。さて次回、死闘!地獄の綱渡りデスマッチ!見てくれよな!」

素人アスレチック番組出場者「私にはぁぁぁ、これしかぁぁぁぁ、ないからぁぁぁぁぁぁ!」

サイボーグ「私はお前を神だとは認めない!」

邪魔帝国女幹部「邪魔帝国に栄光あれー!」

マグロ漁師「おんめぇ!そったら所につったってぇたらぁぁぁぁぁ!死ぬぞぉぉぉおおお!こんのぉぉぉぉバァァカァがぁぁぁぁぁあ!電気ショッカァァァァァア!」

瀬能「私の劣化コピーと言うべきか、有象無象が沢山で収拾がつかないです。・・・ネタ人員はやめて下さい。」

高校生「・・・ニートのあんたも、その一人でしょ?」

美女「はい!はい!はい!待って、みんな!はい!はい!注目して!もっと建設的に話を進めていかないと。」

高校生「誰?まともな事を言っているのは?」

瀬能「目にクマもないし、猫背でもない、見るからにちゃんとしている私。」

女神「この私は、高校生の私、つまりあなたが、正統進化した、美女の私です。」

瀬能「ヒトカゲからリザードンみたいな感じですね。」

バイト「明らかに私達は枝分かれ進化よね。」

ギャル「ダーウィン先生も、まっ白だわ。ウケる。」

美女「どうして私達がここに集まったかと言えば、特異点である私を、正しい未来に導くに為に集まったと思うの。」

蝶々夫人「正論過ぎて、何も言えないわ。とりあえず、面白い顔だけしておくわ。」

魔法使い「・・・なんで泣いているのよ?高校生の私?」

高校生「だって、だって、だってぇ、だって、私がまともなんだもん!」

少尉「お前、泣く事ないだろ?お前自身なんだから自信を持てよ!」

高校生「だってぇ、だってぇ、だってぇ。綺麗だし、おしゃれだし、いい匂いするし、かわいいし、私、百点満点だと思うの。こんな大人になりたい!」

探偵「あなた、それ、本物の乳房ですか?詰め物とかしている偽物の乳ではないのですか?」

美女「え?・・・ちょっと、いくら私だからってそんな事、聞かないでよ?・・・恥ずかしいでしょ?もう!」

高校生「うわぁっ!いい女らしい返し!エロい話題を健康美で返す!美女として正解の返答!」

クローン「・・・恥ずかしがっていながらも、パイスラでオッパイの大きさを強調している。」

地雷「・・・オッパイを見せつけるのを計算でやってるのか、天然でやってるのか、読めない所があざと過ぎる。」

美女「もう、オッパイ、オッパイ、い・わ・な・い・の!」

瀬能「これは危険です!この私は危険です!細胞レベルで危険だと私のミトコンドリアが叫んでいます!」

美女「いい?私達?私達はみんな私なんだから、協力し合わないといけないと思うの。みんながみんな私であり、私もみんなの一人なんだから。」

ギャル「なに?陽キャの鏡なんだけど?」

瀬能「私、ニートなんですけど、このままでいいのでしょうか?」

バイト「なんで私に私が人生相談してるのよ?」

美女「いいのよ。ニートをしている私も、私なんだから。私は私を生きていけば、いいと思うの。ニートだから、ニートをやっている私だからこそ見える世界がきっとあると思うの。だから、自信を持って。胸をはって。だって、あなたは私なんだから。」

瀬能「あああああああああああああ。」

魔法使い「なに?なに?浄化されちゃったじゃない!どんな魔法を使ったのよ?」

高校生「私は?私は、このまま、未来に進んでいけば、あなたになれるの?」

美女「いいえ、それは違うわ。あなたは高校生の私。これから色々な場面で選択肢を迫られる。その時、その時、真剣に考え、未来を描いていけば、あなたの望む私になれると思うわ。でも、それは私ではないかも知れない。もっと素晴らしい私かも知れないし、この中の誰かかも知れない。」

高校生「そ、そんなぁぁぁ、私、私になりたいの!あなたみたいな私になりたいの!」

美女「駄々をこねてはダメよ。もう高校生なんだから。あなたを取り巻く環境が、友達が、そして、私自身の選択が、私を作り上げていくの、未来を作り上げていくの。私は未来の一つの可能性に過ぎない。」

クローン「・・・限りある時間を、無駄に使ってはならない。・・・だって、私は生きているから。」

美女「だって、ほら、」

高校生「あああああああああああ!黒のパンツ!私がイオンで買った、黒のパンツ!」

ギャル「え?勝負してんの?」

探偵「明らかに安い布地で作っているから、反対にスケスケ感が増してエロく見える、まさしくあの黒いパンツ!」

地雷「・・・誰も見てくれなかったんじゃないの?私を必要としてくれているの?」

美女「あなたは、私。わたしは、あなた。あなたはもっと自分の思うままに生きるべきなのよ。・・・こんなふうにね。」

サクッ

女神「え」

美女「ははははははははははははははっはははははははははは!」

女神「な、なんで?」

高校生「やぁあっぁぁぁぁっぁぁぁぁあああああああ!」

美女「はははははっはははは!女神の私に近づくの苦労したわ!」

魔法使い「あなた、女神なんでしょ?血、血ぃ、血ぃ!」

探偵「待って!動かないで!動くと余計に出血します!まずは止血!なんでもいいから血を止められるものを、ハンカチでもスカーフでも何でもいいからぁぁぁぁ!」

蝶々夫人「あなた魔法使いなんだから、血を止める魔法とか呪文とか、あるんじゃなくてぇ?」

魔法使い「そんな都合の良い魔法なんてあるわけないじゃない!」

バイト「絆創膏なら持ってる!あと、軟膏!」

クローン「・・・あなた、何故、私を殺そうとしたの?」

美女「あなた、バカじゃない?殺そうとした?殺すのよ、女神の私を。邪魔な私を殺すのよ。」

ギャル「ま?」

少尉「そうだ、凝固アンプルがある。とりあえずこれを塗っておけば傷口が凝固するから血は止まる。でも、内臓の損傷までは止められねぇ!」

地雷「・・・あのナイフの深さなら、臓器に達している可能性がある。」

美女「当然でしょ?殺すつもりでやっているんだから。・・・でも、安心して。女神以外の私には危害を加えるつもりはないから。」

高校生「どうして?どうして、こんな事するの?あなた、私なんでしょ?私を殺して何の意味があるの?」

美女「あなたは本当にかわいいわ。高校生の私だけの事はあるわ。だけど、この女、女神の私だけは許されない!いいえ、許すつもりはないわ。」

魔法使い「癒しの魔法をかけてる!でも、物理損傷はどこまで回復するか分からないわ!」

バイト「あなた、魔王を倒すんでしょ?死んだ人間が生き返る呪文とか、そういうので治しなさいよ!」

少尉「早く医者か誰かに見せないと!あと、血だ。血!血を入れないと、死ぬぞ!」

クローン「・・・血は心配ないわ。・・・だって、あの人も私だもの。私の血を使えばいいわ。」

地雷「・・・そうだけど、私もそれを思ったけど、輸血する道具もないし、知識もない。・・・詰んだわ。」

蝶々夫人「諦めちゃダメよ、私達で病院に連れて行くのよ!」

バイト「まず救急車、救急車よ!電話、電話、電話」

ギャル「救急車の電話、、、、うちのスマホ、電話契約してない!家電、家電、家電!」

探偵「タクシーで病院に行ってしまった方が早いです!」

地雷「タクシー、タクシー、タクシーの電話番号!」

クローン「・・・私はわからないわ。」

美女「はははははははははははっはははははは。本当、私って頭でっかちで使えない。女神さん、あなた助からないわよ?だってみんな私だから。」

高校生「もうやめてよ!私なんでしょ?私だったらやめてよぉぉぉぉぉ!」

美女「は?私が女神を殺すのは、あなたの為でもあるのよ、高校生の何も知らない私さん。」

高校生「え?」

美女「私はどこにでもいる普通の女の子だった。男の子にちょっと興味があって、でも、言い出せなくって、友達と勉強や恋の相談をしたり、本当に毎日が輝いていたわ。充実した毎日だったわ。私は自由だった。希望にあふれた毎日だった。未来は自由だった。あの日までは。」

高校生「・・・あの日?あの日って。」

美女「私はあなたに話したわ。私は自由だった。もっと思うままに生きるべきと。それを奪ったのがこの女!女神を語る、このクソ女よ!」

高校生「・・・。」

美女「私達人間は知らず知らずのうちに選択をしている。選択の繰り返しが私を形づくっている。それは否定しない。今の私は過去の私の積み重ねだから。

色々悩んで、真剣に考えて、それでも、答えが出なくて、でも、答えを出さなくちゃいけなくて、そうやって、運命を選択していかなければならない。

だって、それが人でしょう?人間でしょう?

でも、この女はそれをしなかった!

感情に流されるまま、自分で決める事なく、ただただ時間を浪費して、他人のせいにしたり、経済の理由、学歴の理由、居住地の理由、理由、理由、理由、言い訳ばっかり。挙句の果てには感情を持たず、周りの空気で選択していったわ。周りの空気がそう言ってたっぽいっていう理由で。

これ、見覚えあるでしょ?クソ女神さん?」

高校生「・・・ベージュ、」

ギャル「オバサンパンツじゃん。」

美女「そう、ベージュのパンツ。あなた、どうして黒いパンツを履かないの?って聞いたわよね。相手の男がベージュのパンツが好きだったからよ。

相手が好きっていうから、ベージュのパンツにしたのよ。

相手が好きっていうから、セックスもしたし、結婚もした、この学校が良いって言われたから進学したし、この会社がいいって言うから就職もした。

子供が欲しいっていうから、子供も作った。育児もした。扶養の範囲で働けって言われたからパートで働いた。

私、気が付いたの。私、何も無いって。

ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ、他人に決められた生き方をしてきたって。

でも、もう嫌なの。他人に決められた生き方なんて、人生なんて、世界なんて。こんな世界、無くなった方が良いと思わない?こんな下らない世界なんて。

そうしたら、女神が現れたの。

私だって。

私が世界の特異点だって。特異点が異常をきたしているって。

チャンスだと思ったわ。私を殺す、チャンスだって。私が、私でいるために、生まれ変わるチャンスだって。

全ての元凶はこの女神。すぐ気が付いたわ。

黒いパンツか、ベージュのパンツか、その選択によって未来が変わった事を。

ここにいる全員がベージュのパンツを選んだ未来の私。

女神を殺せば、ベージュのパンツを選んだ未来は消える。私はいなくなるけれど、こんな下らない、面白くもない、人生ともお別れできるのよ。とってもハッピーな事じゃない?

あなたが言った様に、黒いパンツを選べるのよ。きっとその先には、見たことのない、素晴らしい未来が待っているはずよ。

だから、ここで女神とはお別れ。私ともお別れ。」

バイト「待ちなさい、待ちなさいよ!私、消えたくないわよ!まだバイトの調整も終わってないのに!」

蝶々夫人「私だって世界大会が待ってる、はずよ!」

ギャル「うち、あんたみたいな奴、ゴメンだわ。」

魔法使い「魔王を倒す前に、私自身と決着をつけなくちゃなりそうね!」

少尉「そうだ。地球のバカ共を殺すより、目の前の自分を殺す方が先だったとは笑わせるぜ!」

クローン「・・・いいわ。私も一緒に死んであげる。このマイクロブラックホール爆弾で。」

探偵「ちょい、ちょい、ちょい、落ち着こう。私?ねぇ落ち着こう。それが本当にマイクロブラックホールだったら、みんな死ぬよ?」

クローン「・・・だから言ったじゃない。一緒に死のうって。・・・憎しみも苦しみも何もない虚無の世界へ。ヘヴンズゲートは開かれたわ。」

地雷「待って、待って、待って、待って、私!なによ?それ、なに?ブラックホールってぇ!ヘヴンズゲートってぇぇぇぇ!まだ天国には行きたくないわぁぁぁぁ!」

探偵「私の推理が正しければ、超小型のブラックホールを形成するなにがしだ。・・・科学文明がそれを作れたらの話だが。」

ギャル「クローンのうちが作られるんだから、ブラックホールの爆弾だって作れるんじゃね?」

蝶々夫人「ブラックホールが出来るとどうなるの?」

少尉「簡単な話だ。あらゆる事象がブラックホールに飲み込まれる。・・・地球ごと、下手したら太陽系ごとな!」

クローン「・・・死神のサゲと同じです。テケレツのパで無くなります。」

バイト「え!木っ端微塵じゃん!」

ギャル「コッパミジンコじゃん!」

魔法使い「あなた、クローンのあなた、考え直そう!ね?」

クローン「・・・だって、この綺麗な私は、未来の私達を殺そうとしている。・・・だったらここでみんなで死ぬのも同じじゃない?」

地雷「同じじゃないわよぉぉぉぉぉぉ!・・・地球まるごと消えちゃうのよ?少しは考えなさいよ!」

美女「ははははあっはははっははは!あさましい。あさましい、私達。素晴らしいわ。未来が消えるか、地球が消えるか、こんな愉快な事はないわ!」

高校生「ねぇ待ってよ!待ってぇぇぇぇ!こんなの私が望んだ未来じゃない!こんな未来、こんな未来の為に、私は、今、必死になって毎日、生きてるんじゃないわぁぁっぁぁぁぁぁ!」

瀬能「そうですね。私もそう思います。」

美女「特異点の私は、浄化され消えたはず?なのに!」

瀬能「綺麗で若くて悲の打ち所もない私。でも、間違っている事があります。あなた、ここにいる私全員が、所為にベージュのパンツを選択したと言いました。

でも、それは違います。

私は、ベージュでも黒でもなく別の色のパンツを選択しました。

紫です。」

ギャル「何?この告白?」

地雷「紫は官位の高い色だからな。」

美女「何が言いたいの?」

瀬能「黒も良かったのですが、戦隊のリーダーの色といえば赤なので、赤も良かったのですが、それだと芸がないので、追加戦士のカラーで、紫が良いと思って、私は勝負する時、いつも紫色のパンツを履く事にしています。」

高校生「な、なんなのよぉ!それぇ!人がまじめな話をしている時にぃぃぃぃ!」

瀬能「言っているじゃないですか?私は私の考えで、パンツを決めているって。私は自分の意思でパンツを決めています。私は自分の意思で何事も選択しています。

あなたが思っている未来の私ではないのです。

他の私を殺せても、特異点である私を殺す事は出来ないのです。ついでに言うとマイクロブラックホールも怖くありません。今、この時点で地球が消えてなくなってしまうのは惜しいですが、これまで悔いを残してきた覚えがないので、別段、問題ありません。録画しておいたアニメが溜まっているので見たいとは思いますが、ま、それ位の話です。」

美女「こんな悪役みたいなセリフ、言いたくないけど、お望み通り殺してあげるわ。女神と同じように、物理的に殺してあげる。私、あなたが嫌いなの。なんでニートなんかしているの?ニートって何?何の生産性もないじゃない?自分で何かを決めてる?ふざけないで?あなたは、何も努力していない、あなたは、全部から逃げているだけよ!」

瀬能「殺せる?私はそんなに甘くないですよ?引き籠もりは、只、引き籠もっている訳ではありません。常に何かに警戒しながら生きているんですよ。例えば、国営放送の集金とか!」

少尉「・・・なんで自信ありげにビクビクしてんだよ!」

瀬能「そして、これ。ナイフ、いえ、刀だって私の体を通す事はできません。」

地雷「あ、あれは!」

瀬能「そうです。中学生の家庭科の時間、余った丸カンを集めて作った鎖かたびらです。」

バイト「流浪の侍とか忍者の卵に影響された時期があったわ。確か。・・・笑い飯の人も作ってたから真似した思い出が。」

瀬能「そして、これ。よくニュースで聞くバールの様なものです。」

魔法使い「様なものじゃなくて、バールそのものだから。バールだから、それ。しかも長いじゃない!なんで買ったのよ!」

高校生「なんであんたは、そんな意味のない物を持ってるのよぉぉぉぉぉ!」

美女「ふざけんての?引き籠もりの分際でぇぇぇぇぇぇ!」

瀬能「私は至って真剣ですよ。あなたが真剣な様に、私も真剣です。返答次第では、あなたの綺麗な体に傷が残りますよ?第一、私の方がリーチが長いです。仮にあなたが、あの時のまま、武術を真剣に取り組んだ未来があったなら、私を殺せていたでしょう。

でも、あなたは女という武器にパラメータを振り切ったんです。私は女としては負けでしょうが、生きる死ぬの勝負では、やる前から勝負は決していました。あなたと私とでは、話になりませんよ?」

探偵「・・・かっこいい事、言ってるけど、かっこ悪いですからね?女として敗北しちゃってますからね。」

美女「だったら勝負しましょうよ!クソ雑魚、バカニートがぁぁぁぁぁ!」

瀬能「あなたは綺麗なだけで何も分かっていません。バカなのはあなたの方です。あなたは、私かも知れませんが、必ずしも私の事を理解している訳ではないようですね。ここにいる全ての私が、お互いを理解していないのは火を見るよりも明らかです。

あなたは、私より美人で、身なりもちゃんとしていて、女として全部、上です。女としてまるで勝負になりません。おまけに頭も良い。ハイスペックってあなたの様な人の事を言うのだと思います。

ですが、私はあなたの事をその程度しか分かっていません。綺麗な私だなぁ、私にもこんな未来があったんだなぁとは思いますが、その程度です。

別にうらやましいとも思いませんし。」

高校生「・・・思わないんだ?こんな綺麗な私になれるのに?」

瀬能「上辺だけなら幾らでも繕えますから。」

ギャル「・・・たし蟹。」

蝶々夫人「化粧で好きなだけ女は変わるから。」

瀬能「ニートの私だって、化粧でごまかせばすぐにあなたと同じになりますよ?だって、元は同じじゃないですか?骨格が違う訳じゃないし。」

美女「本気で言ってるの?引き篭もりの無能ニートが?・・・お前、私が今の自分に、この格好になるようにどれ位、努力しているのか、知ってるのか?適当な事、言ってんじゃねぇぇぞぉぉぉぉおおおお!」

瀬能「あなた、バカですか?はぁ。いいですか?さっきも話した通り、あなたの事なんか知りませんよ?どうせ、男にモテたいとか、ヤリたいとか、そんな所でしょう?男に媚る為にやってる事でしょう?私、そういうの、やりたくないんです。好きじゃないんです。相手の為に使う時間があるなら、自分の為に使いたい派なんです。

オッパイ大きいし、おしりも小ぶりで、唇もなめたい位ふわふわそうで、いい匂いもするし、目元も、立ち姿も、なにもかもバッチリで、安い風俗嬢かと思いましたよ?郊外のソープランドでは人気があるかも知れないけど都内じゃまったく声がかからない風俗嬢です。きっと抱き心地もいいんでしょうねぇ?ほど良く締まっていて、それでいて脂身もある。最高の体です。私ですから。きっと、いい声で鳴くんでしょねぇ?」

バン

高校生「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇえええ!そんな事、言わないでぇぇぇぇぇ!」

瀬能「・・・痛いじゃないですか。本気で殴らなくても。」

美女「そうよ!その通りよ!・・・週刊誌に書いてあるモテる女を真似して、男が言う、いい女を演じて、バカに見られたくないから必死で勉強して、完璧じゃない!完璧な女じゃない、私は?どう?こんな完璧な女、他にいないでしょ?素敵じゃない?綺麗じゃない?欲しい物、ぜんぶ、手に入ったわよ!私はねぇ、あんたと違ってえぇぇぇ、自分を捨てて、理想の自分になったのよぉぉぉぉぉぉ!自分を捨てて。」

高校生「もう・・・わかったから。もう、わかったから。もう、言わないでよぉ。」

美女「自分を捨てて、誰もが思ういい女になったわ、理想の自分になったわ。でも、何も残ってなかった。何も無かった。・・・だから、私は私を殺すの。こんな、私、生きてたって意味ないじゃない?生きてる意味なんて、どこにもないじゃない!」

高校生「そんな事ない、そんな事ない。そんな事ない。うまく言えないけど、そんな事ない。・・・私、毎日、学校が楽しい。勉強だって運動だってがんばってる。友達と遊んでいるのも楽しい。好きな男子の事を友達と話しているのも楽しい。毎日、楽しい。私、一生懸命、毎日、がんばってると思う。誰も評価してくれないけど。あなただって、一所懸命やった結果が今のあなたなんでしょう?未来の私なんでしょう。誰も、何も言ってくれなくったって、誰も、評価してくれなくったって、私があなたを評価する。あなたは立派、あなたは素敵、あなたは綺麗。私まだ、黒いパンツを買っただけで、勝負する相手もいないし、勝負する勇気もないし、だけど、あなたは、考えて考えて考えてベージュのパンツを選んだんでしょう?それでいいじゃない?意味がないなんて言わないで。」

瀬能「高校生の私は、このエキストラ女優を庇うんですか?」

高校生「・・・エキストラ言うな!あんたの方が自分勝手じゃない!何もしてないニートのくせに!・・・私、あんたの事が嫌い。ズケズケ、ズケズケ、私の心に土足で踏み込んでくる!」

瀬能「別にあなたが私の事を嫌いになるのは勝手ですから、別にいいですけど。でも、さっき殴られたお返しはしますよ?・・・フフ。いいですね、その目、人を蔑むような目。ゾクゾクします。じゃ、いきますよ?」

高校生「ちょ・・・・・待っ」

瀬能「痛い!・・・痛い!なんで私がまた殴られるんですか?卑怯ですよ、横から殴るなんて!」

高校生「どうして、どうして、私を庇うの?」

瀬能「そうですよ?私はお返しに殴るだけなんですから。」

美女「意味が分からないのよ!あなた本当にバカなの?私があなたを殺そうとしているのに、どうして高校生の私を殴ろうとしているの?意味が分からないじゃない!」

瀬能「だから言ってるじゃないですか、私は、高校生の私も、売れないエキストラの私も、それほど興味がないんです。好きにやったらいいんじゃないんですか?

私は私なんです。自分勝手で、バカですけど、私は私らしく、あなたはあなたらしく。私達は私であっても別の人間なんですよ。」

高校生「な、なんで、そんな事、言えるの?怖くないの?」

瀬能「怖くないか?と聞かれれば、思い出したんですけど、ブラックホールの問題は何の解決もしていないですね。みんな一緒にブラックホールに飲み込まれるのであれば、感情よりも物理現象の方が先に起こりますから、仕方がない事だと思います。物理法則なんてそんなものですから。怖いと思う前に、飲み込まれちゃいます。一生で一度、経験できるかできないかの貴重な体験ですよ?」

魔法使い「・・・飲み込まれたら一生が終わるけどね。」

高校生「そういう事じゃないわぁああああ!」

瀬能「高校生の私は情緒が不安定ですね。ちょっとは落ち着いた方が?」

高校生「だって!この未来の私は、だって、自分の運命を自分で決めろって!それってぇ!怖いじゃない!怖くない訳ないじゃないぃぃぃ!だから、ここにいるみんな、安心できるベージュのパンツを選んだんじゃない!不安があるから、誰かが選んでくれた未来を選んだんじゃない!なんで、あんたは自分勝手に!赤だとか紫だとか、勝手にパンツを選ぶのよぉぉぉぉぉぉ!」

瀬能「私は、私が選んだ生き方に、悔いを残したくないだけです。誰の未来でもないのです、私の未来ですから。

過去、私は、男子の笛を舐めました。生パンツで登校して男子の注目を集めました。意中の男子の毛を探しました。ミニ四駆を改造しました。電波ポエムを投稿しました。黒いパンツを買いました。赤いパンツも買いました。緑のパンツも買いました。もちろん紫のパンツも買いました。

それも全て、自分で選択した事です。何も後悔はありません。」

地雷「後悔はないけど、恥ずかしい気持ちは持とうよ?」

瀬能「だから、あなたも過去に縛られず、自分自身で未来を歩んでいくべきだと思いますよ?もう少し、自分勝手でもいいんじゃないでしょうか?」

美女「・・・そんな事、今更、」

高校生「今更じゃないわ!これからよ。・・・そこの引き籠もりが言ったじゃない!未来は私の未来だって。今からが未来なのよ。私の未来。そして、あなたの未来。みんな一人一人、未来がある。それは一人一人、未来が違うって事じゃない?自分が思う、自分が望む未来の為に、生きていかなくちゃ。歩いて行かなくちゃ。怖いけど。怖いけど、決まっていない未来を自分で作っていかなくちゃ。そうでしょ?引き籠もりのバカニート!」

瀬能「・・・きっと、そうなんでしょうね。」

高校生「ちょっとは、興味持てよ!人が話しているんだから!あ!」

瀬能「高校生のあなたが、エキストラの私を贔屓しているのは分かりますけど。」

高校生「贔屓とかそういうんじゃなくて、分かるから。私、分かるから。だって、一番、分かるから。最初は同情してたかも知れない、でも、同情じゃないって分かった。あなたは言ったわ。あなたは私の未来の一つだって。反対に言えば、いつだって私はあなたになる可能性があるって事。あなたは私。私はあなた。いつだって、未来と過去は鏡合わせなのよ!それに気が付いた時、私はあなたの事が放っておけなくなった。それだけ。あなたには未来を生きて欲しい。だって、優しいし、素敵だから。バカニートのあんたは死んでいいけど。」

瀬能「・・・ひどくないですか?それ。」

美女「高校生の時の私は優しいのね。・・・私、素直だったのね。思い出した気がする。」

女神「あらよっと!」

バイト「は?」

ギャル「え?」

女神「女神である私が死ぬ訳ないじゃないですか?私、宇宙の管理をしているんですよ?現在過去未来、古今東西、前後左右、あらゆる事象を司っている神ですから。綺麗に育成成長した私が、いえ、あなたが、私に良からぬ感情を持っているのは察知していたのですが、まさか、殺しにかかってくるとは思わなかったので、様子を見ていました。

あなたがした事は許される事ではありません。神殺しは有罪ですよ!私刑です、私刑!ついでに、ブラックホール爆弾で皆を殺そうとしたクローンの私も同罪です。私刑です。」

蝶々夫人「私刑?」

女神「私、女神ですよ?法律も憲法も関係ありません。それを作った人間の上位体である私が法律です。私が規則なんです。あらゆる存在の上位体ですから。」

高校生「悪いのはみんな、女神のあんたでしょ?罰せられるのはあんたの方よ!」

女神「私、刺されたんですよ?そんな言い方は?ないんじゃないですか、いくら私とはいえ。」

瀬能「ラジオネーム、徘徊飛びう」

女神「な、なんて、」

瀬能「ラジオネーム、徘徊飛びうさぎ、私はクラスの男子が好」

女神「ぎゃーっ!やめてぇぇぇぇぇぇ!」

地雷「ど、どうした?」

瀬能「アイドルがやっている深夜ラジオに恋愛相談した時のFAXです。」

魔法使い「FAX?」

瀬能「FAXの方が目立つから読まれると思って。ファクシミリです。女神の私、もう、許してあげたらどうですか?綺麗な私を許してくれるなら、これで手打ちにしてあげます。」

女神「あはははは。はははっはは。女神である私が降伏するなんて事あると思いますか?」

瀬能「・・・ないですよね。じゃあ、仕方がない。続きを」

女神「ぎゃーっ!ほんと、許して、許して下さい。もう許してください。消したい過去なんです。あれには触れないで下さい。それから、その凶器、物理的な凶器を下げてください!バール、バール、バール、それ、そう、バール。ニートなんだから大工仕事なんかしないでしょ?」

美女「あなたにも、触れて欲しくない過去があったのね。」

女神「わかりました、わかりました、許します。私刑ですから、許します。美少女進化で綺麗な私。あなたを許します。そして、あなたの未来も白紙です。白紙。あなたは、

これから普通に美しい女性として生きて下さい!どこにでもいる、普通の綺麗なお嬢さんです。自分で、自分の思うままに、自分の決めた事を信じて。いいですか?自分が選択した事実は、自分で責任を取るという事ですよ。これから待ち受ける未来は、女神である私を殺したからと言って、何の解決にもなりませんからね?この時点で、あなたは違う未来を選んでしまったのですから。」

高校生「誰の未来も誰にも決められない。・・・私も出来るかしら?自分で、自分の未来を選ぶ事が?」

美女「もう、あなたは自分で選択して、自分で未来を生きていくしかないのよ?誰でもない、自分の未来を作っていく為に。選択肢は無限にある。あなたには無限の可能性がある。何を選択するのも自由、何を選択するのも正解。」

女神「・・・何をするのも自由ですが、それにはそれ相応の責任と覚悟が必要です。何をするのか、何をしないのか、良い事とか悪い事とかじゃなくて、割り切れない何かがきっとあって。でも、あなたは決断しなければなりません。あなたの魂が、細胞が、もしかしたらいずれかの世界の私達があなたに囁くかも知れませんよ?本当にそれでいいのか?って。」

美女「もっと自信をもって!あなたは私だもの。あなたは自分自身の為に。私達の為に。未来の為に。」

瀬能「・・・そして、私の為にも。」

高校生「嫌よ、絶対、嫌。死んでもニートになんかならないからぁぁぁぁぁぁあ!」

瀬能「さっき助けてあげたじゃないですか?もう少し私の事を買ってくれてもいいんですよ?」

高校生「絶対、嫌!」

女神「・・・まあ、実を言うと、未来の私の子供に頼まれまして、美しく成長したあなたが道を外さない様に、見守ってくれと。子供から見ても、あなたは繊細すぎて見てられないと。」

高校生「・・・私の子供?」

女神「そうです。」

地雷「・・・私、子供いるの?子供ができる事しちゃってるのぉぉぉぉ!」

クローン「・・・愛し合う事、それは、喜び。・・・つかの間の堕落。」

オバちゃん「終わったん?」

女神「ええ。あのぉ皆さん、ご紹介します。近未来の私です。・・・あなた達です。」

オバちゃん「あら、かわいい!自分で言うのも何だけど、あたしってホント、かわいかったのよねぇぇぇぇぇ!若い、若い、綺麗。」

バイト「・・・あのぉ、ええぇぇぇ?」

オバちゃん「若い、若っい。ほら、肌がつるんつるん!キメが細かい!うらやましいぃぃぃ!ねぇ?」

女神「・・・そうですよね。ねぇ、みんな?」

美女「え、あの、え、歳とるのはいいけど、なんでお腹が出てるの?本当に未来の私?」

オバちゃん「あんたねぇ、いつまでも若いと思ってちゃ駄目よ?子供産むと、ほら、脂肪が落ちないのよ?ねぇ?」

女神「・・・そうですね。」

オバちゃん「あんた位の時はねぇ、若いし、モテた。黒いパンツも履いたわよ、あたし、似合うから。ベージュも履いたわよ。」

女神「・・・ですよねぇ?」

オバちゃん「でも旦那が一番興奮したのは、これ、あんたが着てる、これ。これ着ると旦那がハッスルしちゃってねぇ?若い時の頃、思い出すとかなんとか、やっぱり男はみんな変態ね?ねぇ?」

女神「・・・わかります、わかります。」

高校生「え?・・・これですか?この制服?」

オバちゃん「そ、これ。母校の。」

高校生「ええぇぇぇ。そういうの現役の私、聞きたくなかったんですけどぉ。えぇぇぇぇ、学校行く度に思い出しちゃうじゃん?ええええぇぇぇ。」

オバちゃん「でも結局、着てるのを脱ぐのが面倒臭くなって、最初から、脱いでるの。服が汚れずに済むしシワにもならないでしょ?ヤること、ヤるの、一緒だしね?ねぇ?」

女神「・・・まったく、おっしゃる通りで。」

ギャル「・・・聞きたくねぇ」

地雷「・・・自分の話が生々しくて、嫌なんだけど。」

子供「・・・え?誰、これ、ホントにママの若い頃?えーっ、今と全然ちがうじゃん、まじ、かわいいんだけど?」

オバちゃん「言ったじゃない。ママは美人だって。」

子供「嘘だと思ってた。ごめ~ん。ホント美人!」

美女「わ、わたし?あ、ありがとう。あなた、私の子供なの?」

子供「そうよ、あなたの子供、だと思うわ。でも、今のママとぜんぜん似てないから、違う人かもって。」

オバちゃん「違くないわよ!ねぇ?」

女神「・・・違くないです、ママの若い時です。たぶん。」

子供「私、安心した。私もママみたいに小太りになったら嫌だったから。」

オバちゃん「小太りじゃないわよ、ちょっとズボンが入らないだけじゃない、ねぇ?」

女神「・・・そうですね、ちょっとだけです、ちょっとだけ。」

子供「私も、ママみたいに美人になれる未来があって良かったぁぁぁぁ。」

オバちゃん「今だって、十分、綺麗よねぇ?」

女神「・・・十分、お綺麗です。」

子供「私、こんなママだけど、ママが好き。もちろんパパも。ママが幸せでいてくれたら、私も幸せ。いつまでも綺麗なママ、元気でね!」

美女「私が幸せなら、か。・・・うん、私はこれから、もっと幸せになるわ。」

オバちゃん「綺麗なママはここにもいるわよ?あ、そろそろパパのお誕生日のお祝い、買いにいかないといけないのよ?ごめんして。ね。若い時の私達!」

女神「・・・ありがとうございました。ありがとうございました。」

地雷「・・・ちょっと待って、私、嫌よ!あんなオバちゃんになるのは?え?お腹、ぶよぶよだったじゃない?」

蝶々夫人「・・・歳を取れば、みんなオバちゃんになるのよ。取りたくないけど。」

美女「それだって、自分で決める事ができるのよね?小太りになりたくなければ、ならないように生きるって。」

バイト「太っとちょオバちゃん人生は嫌。・・・私、がんばってダイエットする!」

地雷「ねぇ、特異点。深夜ラジオに何、投稿したのよ?」

瀬能「あれはですね。好きな男子をおかずにしているのですが、男子って発射するじゃないですか?発射時のセリフをアイドルに叫んでもらえるか?っていうネタで。」

地雷「・・・ひくわ。正直、ひくわ。」

女神「お前!・・・なんで言うんだよ!秘密って言ったでしょうがぁぁぁぁぁぁ!」

瀬能「別にいいじゃないですか、あなたも私だし、私もあなただし。」

クローン「・・・黒い歴史、黒い私。・・・消せない過去、消えない思い出。」

高校生「女神のあんたじゃ、ブラックホールでも自分を消せないだろうしね。」

瀬能「私の未来は、私しか作れないんです。そうです。未来を生きていきましょう!」

高校生「あんたねぇ、いい事言ってる風にまとめんな!私、絶対、あんたみたいなニートにはならないから!死んでもならないから!私、もっと勉強して、学校がんばって、良い成績で進学して、好きな人を振り向かせられるように、一生懸命、生きる事にする!ニートなんかやってる暇、ないもの!あんたとはここでお別れ!」

美女「・・・そうね。」クスクス

少尉「ま、男だけが人生じゃないからな?」

瀬能「私は高校生の私の事、嫌いじゃないですよ?そんな邪険にしなくてもぉぉぉぉ。」

バイト「24時間、働ける体力も必要ですよ?」

ギャル「自分を曲げない、信念みたいな?」

探偵「知恵と勇気も必要ですよ。」

蝶々夫人「世界を目指す根性もね。」

地雷「・・・でも、時々は甘えた方がいいわよ?加減しながらね。」

瀬能「そうだ。これ。高校生の私に、これをお渡しします。渡すっていうか、返すっていうか。シャイニングスコーピオンです。改造してあります。モーターのコイルを自分で巻き直しまして、出力を異常に高めてあります。」

高校生「・・・いらんわ!」

瀬能「思い出のシャイニングスコーピオンですよ!どうぞ、ほら、遠慮しないで、持って帰って下さい!」

高校生「いらないって言ってるでしょ!ホント、あんた、バカなのぉぉぉぉお!」

女神「テケレツのパ!」



「それでさぁ、家の中にコース組んで、走らせてたわけよ。」

「瀬能さんち、ミニ四駆のコース、あるんですか?」

「コースどころじゃないよ?見たことがない、パーツがいっぱいあってさ、なんかそのぉ、大会があるんだって?その大会に久しぶりに出るんだって。」

「うちの子も、出てますよ。最近、プラモとか置いてあるお店増えたから、お店ごとに大会やってるんですよねぇ。うちの奴は、家電量販店の大会に出ますよ。」

「ああ、見た、見た。二階にプラモコーナーあったな。シャーシャーシャーシャー、ミニ四駆が走る音、してたわ。」

「実は子供だけじゃなくて、僕もハマっちゃってて。」

「お前が?」

「ほら、ラジコンほどお金もかからないし、子供と一緒に遊べるし。奥が深いんですよ。瀬能さん、何、使ってるんですか?」

「何ってなに?」

「車です。マシン。」

「シャイニングスコーピオン。」

「またぁ、おかしな奴、使ってますねぇ。」

「色々改造してあるらしいぞ。違法スレスレだって。」

「野良レースなら改造もある程度、許してもらえますけど、メーカーの正式大会は、レギュレーションが決まってますし、車検もありますから。」

「なにそれ?車検って。」

「車検ですよ、車検。車検が通らないとレースに出られないんです。」

「車のレースと変わらないんだなぁ。」

「だから面白いんですよ。ミニ四駆は本物以上ですよ。」

「過去の自分に言い訳するようなレースは出来ないとか、未来の自分に嘘はつけないとか、凄ぇ真剣でさぁ、勝負パンツ履くとか言ってたぞ?」

「勝負パンツの意味が違くないですか?」

「ま、勝負は勝負なんだろ?」

「凄い気合の入れ様ですね。」

「自分で決めた事だから、ミニ四駆もニートも突き詰めるってさ。お前、瀬能さんの言っている意味、わかる?」

「いえ?ちょっと。ただ、言っている事はカッコイイかなっとは。」

「好きな事、やってるっていうのは幸せな事だよな?」


※本作品は全編会話劇となっております。ご了承下さい。

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