プロローグ
2016年です。
おはようございます……。
当時高校生だった私の文はあまりに稚拙で、吐血ものでした……。
でもやっぱりどうしても登場人物をこのまま殺すのはもったいなくて、吐血しながらも現在修正、続きを執筆しています。
やはりまだまだですが、今度こそ完結させますのでお付き合いください。
あぁ、今日は背中が重いな。
俺、水谷創太はその日、精一杯前を見て考えていた。
「はあ……」
昼前の眩しく気だるい日差しが、教室と、殊更窓際…つまり俺の席を照らす。
おかげでノートの反射が目に痛くて、とてもじゃないけど板書を取る気になれない。
憂鬱な数学の時間。早く終わんないかなぁ。
どうしたもんか、さっきから先生の言ってることがさっぱり分からない。黒板に、どんどん読めない呪文が錬成されていく。
悲しいかな、黒板を注視する気力が、俺の中からどんどん削げて行くのが分かった。
1番後ろの席の利点は目立たないことと、みんなの背中を見て暇を潰せること。欠点は、いつもより3割増しで授業が分からないこと……。
思わず欠伸が出る。一緒にやる気も俺の体から抜けて、出て行ったみたいだ。
はい、もう今日は無理だ。放棄だ、放棄。諦めて窓の外でも眺めることにしよう。
こういう時、窓際の席は有利だなぁなんて考えながら、校庭に視線を落とす。
この時間、体育の授業は無いらしい。そうなると、校庭も静かなもんだ。だが俺は、特に飽きることなく誰もいない地面を見続ける。
俺には、視えている。
誰もいないトラックを爆走する白い影。
鉄棒の根元に座り込む達磨さん。
我が物顔で体育器具庫の扉に張り付く布状のドヤ顔。
そう、俺ーー水谷創太は数学の苦手な普通の高校生。
霊媒体質であることを除いては。